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山海塾「めぐり」が新国立劇場へ、天児牛大が語る創造の“ベース”

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左から天児牛大、大原永子。

左から天児牛大、大原永子。

山海塾「海の賑わい 陸(オカ)の静寂―めぐり」が、11月に東京・新国立劇場で上演される。

開場20周年を迎える新国立劇場が、「舞踏の今」と題し、世界でも高い評価を得ている2つのダンスカンパニーを紹介する企画の第1弾となる本作。「海の賑わい 陸(オカ)の静寂―めぐり」は。天児牛大(あまがつうしお)率いる山海塾が海外での活動を始めて以降、初めて日本の劇場(福岡・北九州芸術劇場)で2015年に初演した作品で、フランスのパリ市立劇場、シンガポールのエスプラネード・シアターズ・オン・ザ・ベイ、北九州芸術劇場、そして山海塾とで共同制作された。

昨日9月22日に行われた記者会見には、天児と新国立劇場舞踊芸術監督の大原永子が出席。大原は海外で活動していた現役時代を振り返り、「当時何度も『サンカイジュク知ってる? すごいエキサイトだよ』と評判を耳にしました。海外の方にそれだけ関心を持たれていることが、日本人としてとても誇らしかった。今回新国立劇場に来ていただけて感謝してます」と喜びを口にした。

天児は柔らかな物腰で挨拶をし、マイクを手に本作を紹介。モチーフのひとつであり、舞台では化石をデフォルメした巨大な壁として配される古代生物・ウミユリが、2億5千万年前に日本の海中で繁栄していた生物であることを説明し、「それが現在、地球そのものの変動によって陸(オカ)の上に死した状態、つまり“静寂”である化石として現れて、我々は向き合うことが出来る。自然史的な変遷には、人類史とまったく同じような、“めぐり”があるんじゃないかなと僕には思える」と着眼点を語った。

さらに「私が作品を作る上でベースにしているのは、“不動のものはない”ということ。常に揺れ動いていてフラジャイルなものが、どうしようもなく我々のベースにある。だから単に自然史的なものを説明するだけじゃなく、そこに人、感情、希望であったり絶望であったりを乗せて、今回の“賑わい”と“静寂”として1つの作品にしたい」と思いを明かした。

公演は11月25・26日に東京・新国立劇場 中劇場にて。出演者には天児のほか、蝉丸、岩下徹、竹内晶、市原昭仁、松岡大、石井則仁、百木俊介ら8人の踊り手が名を連ねている。音楽は加古隆、YAS-KAZ、吉川洋一郎の3人が手掛ける。

新国立劇場 開場20周年記念 舞踏の今 その1 山海塾「海の賑わい 陸(オカ)の静寂―めぐり」

2017年11月25日(土)・26日(日)
東京都 新国立劇場 中劇場

演出・振付・デザイン:天児牛大
音楽:加古隆、YAS-KAZ、吉川洋一郎
出演:天児牛大 / 蝉丸、岩下徹、竹内晶 / 市原昭仁、松岡大、石井則仁、百木俊介
※蝉丸の「蝉」は旧字が正式表記。

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