白石加代子×佐野史郎の朗読劇「笑った分だけ、怖くなる」小野寺修二が演出

白石加代子女優生活50周年記念公演「笑った分だけ、怖くなるvol.2」が、10月から12月にかけて東京・あうるすぽっとほか全国で上演される。

白石と佐野史郎が出演し、カンパニーデラシネラの小野寺修二が演出を担当する本作。2015年4月にはvol.1が上演され、東野圭吾の「超税金対策殺人事件」と小池真理子の「妻の女友達」が、小野寺演出により上演された。今回のvol.2では筒井康隆の「乗越駅の刑罰」、井上荒野の「ベーコン」が上演される。

座組について白石は「佐野さんも演出の小野寺さんとも、一言言えばわかりあえる、そんな仲間でした。一見混じりあわないような3人が面白い化学反応を起こしてしまった、みたいな」と語る。本作については「小野寺さんはマイムを得意分野とする方だから、動きに関してはもちろんだけど、言葉もとても大事になさる方。そして佐野さんが選んでくださる音楽も本当に魅力的。そういう要素がうまく混じりあって奥深く素敵なものができあがると信じています。多くの皆様に体験していただきたいですね。劇場でお待ちしています」と観客に呼びかけた。

佐野は「小野寺さんのことはそれまで存じ上げなかったんですが、お会いして実際稽古に入ってみたら『こんな方がいるんだ！』って言うくらい、ものの見方、感性に共鳴し、うれしくなってしまいました。いわゆる演劇の演出家ではなく振付師であり、ダンサーであり、パントマイマーでいらっしゃるからか、言葉を意味ではなく物として、音として捉えてらっしゃった。そのことをお互いに説明しあうこともなく、あっという間にわかりあえたので稽古での共同作業はとても楽しかったです」と振り返る。また白石については「舞台の上で白石さんが横にいて、お話をしてくれる。僕は共演者なんですが、まるで客席にいてそのお話を聞いているかのように聞き入ってしまうときがありました。そんな経験は初めてでした。そのくらい白石さんの語りには引き込まれてしまうんです」と述べた。

演出の小野寺は「朗読は観客の想像力の補完によって成り立つ表現なので、説明しすぎず、そしてときには全然違うイメージを視覚的に足しながら、いかに厚みを増していくかを意識しています」と語る。また創作過程について「3人で互いに意見を出しあい、こんなにも柔軟に尊重しあって前に進むことってあるのかなというぐらい、トライ＆エラーを繰り返して稽古を進めています。この重鎮にしてそのスタンス。表現について、生き方についてのすべてを教えていただいている気がします。そしてお2人とも、ものすごい量のイメージのストックをお持ちなのです！」とコメントした。