日本では初上演となる本作は、2014年度のトニー賞ミュージカル作品賞など4冠を獲得したコメディ。亡き母が裕福な家庭の末裔であることを知った息子モンティが、紳士の魅力と殺人によって相続権をいち早く奪取しようとするさまが描かれる。母の死が一攫千金のチャンスになるかもしれないと考えたモンティは、自分より伯爵継承順位が高い親族8人を抹消し、自らが相続人になることを決意する。市村はモンティが相続権を争うダイスクイス家の親族全員に扮し、牧師や陸軍少佐、舞台女優などさまざまな人間を1人8役で演じ分ける。
製作発表はオーディエンス約200人が見守る中、ダイスクイス家の執事とメイドに扮した12人のアンサンブルが劇中ナンバーの「なぜよく死ぬのかダイスクイス」を披露。その後、
演出を手がける
その市村演じる8役を劇中で殺していくモンティ役の柿澤は「殺す前に自分が死んでしまうのではないかと思うくらい、今も緊張しています」と先輩・市村を前に戦々恐々。それでも「本番、ビビらず殺したいと思います」と宣誓すると、同じくモンティ役をWキャストで演じるウエンツから「ウソ! 裏で『市村』って呼び捨ててるでしょ?(笑)」とツッコまれ、「やめてよ!」と慌てる一幕も。
本作をダラスで観たウエンツは「(モンティ役は)受けの芝居だな」と分析したエピソードを披露。「結果的に笑いを取ってしまうことはあるかもしれませんが、自分から笑いを取りに行く場面はありません。さまざまな人との出会いの中で1幕、2幕と変わる心情を丁寧に演じていきたい」と抱負を語った。
シルビアは、モンティと恋仲になるシベラ・ホルワード役。「全キャスト濃いキャラクターですので、ご観劇後にはシャーベットでも召し上がっていただければと思います」とオーディエンスに呼びかけたあと、グラマラスな魅力でモンティを翻弄する自身の役作りについては「若作り、がんばります!」と自虐コメントで会場を笑いに包んだ。
同じくモンティと恋仲になるフィービー・ダイスクイス役の宮澤は「深窓の令嬢ということで役作りが大変そうです」とコメント。「でも令嬢だからこそ、生まれ持ったものだけで判断されたくない。本当の私を見てほしいとも思っていて。モンティと知り合って少しずつ外の世界を知っていく、そんな彼女のちょっとした成長を大切に演じていきたいです」と語る。
春風は、母を亡くしたモンティのもとに現れる謎の女性ミス・シングルを務める。「最初に出てきて問題提起をする役どころです」と自らの役割を説明した後、「モンティと皆さんを引き込みながら、最初に楽しいナンバーを歌わせていただきます。『この物語は一体どうなっていくんだろう?』という導入を皆さんにお見せできたら」と述べる。
演出の寺崎は「ブロードウェイ版をそのまま出すのではなく、日本のオリジナリティを見せていきたいと思っています。作品の持っている面白さにプラスαする形で整えて、お客さんの前に持っていこうと考えています」と構想を語り、会見を締めくくった。
公演は、2017年4月8日から30日まで東京・日生劇場、5月4日から7日まで大阪・梅田芸術劇場 メインホール、5月12日から14日まで福岡・キャナルシティ劇場、5月19日から21日まで愛知・愛知県芸術劇場にて上演される。
ミュージカル「紳士のための愛と殺人の手引き」
2017年4月8日(土)~30日(日)
東京都 日生劇場
2017年5月4日(木・祝)~7日(日)
大阪府 梅田芸術劇場 メインホール
2017年5月12日(金)~14日(日)
福岡県 キャナルシティ劇場
2017年5月19日(金)~21日(日)
愛知県 愛知県芸術劇場
脚本・歌詞:ロバート・L・フリードマン
作曲:スティーブン・ルトバク
翻訳:徐賀世子
訳詞:高橋亜子
演出:
出演:
※寺崎秀臣の「崎」は、たつざきが正式表記。
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