「あの大鴉、さえも」本日開幕、演出の小野寺修二「想像力に挑戦できる作品に」

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小野寺修二演出「あの大鴉、さえも」が、本日9月30日に開幕。それに先駆け、昨日公開ゲネプロが行われた。

東京芸術劇場 RooTS Vol.04「あの大鴉、さえも」より。(撮影:引地信彦)

東京芸術劇場 RooTS Vol.04「あの大鴉、さえも」より。(撮影:引地信彦)

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東京芸術劇場 RooTS Vol.04「あの大鴉、さえも」より。(撮影:引地信彦)

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「あの大鴉、さえも」は、届け先がわからぬままガラスを運ぶ男3人を描いた、竹内銃一郎の1980年発表作。男性3人芝居として描かれた本作を、はえぎわのノゾエ征爾の上演台本により、小野寺が小林聡美片桐はいり藤田桃子の女性3人芝居として立ち上げた。

初日を前に小野寺は、竹内に「好きにしていいよ」と言われたことによって、「そのあまりの自由度にいつにない興奮と不安の中で試行錯誤し続ける日々となりました」とコメント。しかし「最終的には、“人間力”で勝負ができる素晴らしい役者の皆さんとともに、お客様の想像力に挑戦できる作品になったのではないかと思っています」と自信をのぞかせる。

東京芸術劇場 RooTS Vol.04「あの大鴉、さえも」より。(撮影:引地信彦)

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6年ぶりの舞台出演となった小林聡美は、プレッシャーを感じつつも「小野寺さんの手法はストレートプレイとはまた違って、まったく新しいことをやっているという新鮮な感覚でした」と語り、「お客様には、舞台上の動きや言葉からイメージを自由に膨らませていただき『なんだか心地よい』という空間と時間のなかで、存分に楽しんでいただければ」と続けた。

また、これまで「異邦人」「ゲーム」などの小野寺作品に出演し、その作品世界をよく知る片桐は、「宙ぶらりんの楽しさを懸命にお見せしますので、お客様には自由に笑って、なにかを感じて、ステキな“ハテナ”を抱えたままお帰りいただけるとうれしいです」と述べる。

東京芸術劇場 RooTS Vol.04「あの大鴉、さえも」より。(撮影:引地信彦)

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さらに、小野寺が主宰するカンパニーデラシネラの一員でもある藤田桃子は「これまで一つのこと(パントマイム)を続けてきたことでいただいたお話と考え、まったく違うことに挑戦するというよりは、自分がやってきたことを戯曲の世界といかにすりあわせられるか道を探ってきました」と稽古を振り返りつつ、「お客様を上手に驚かせることができたら」と期待を込めた。

公演は10月16日まで。なお10月9日は本作のスピンオフ企画として、原作者の竹内と上演台本担当のノゾエによる「芸劇+トーク 異世代作家リーディング『自作自演』」も開催される。

小野寺修二 コメント

今回、無対象(=実在のものを使わないこと)演技のパントマイムを20年間続けてきた自分にいただいた題材は、「見えないガラスを運ぶ」という端(はな)から無対象をベースとした戯曲でした。原作者の竹内銃一郎さんから「好きにしていいよ」と声を掛けていただいたことから、そのあまりの自由度にいつにない興奮と不安の中で試行錯誤し続ける日々となりました。最終的には、“人間力”で勝負ができる素晴らしい役者の皆さんとともに、お客様の想像力に挑戦できる作品になったのではないかと思っています。

小林聡美 コメント

6年ぶりの舞台ということで冷静に考えるとそうとうなプレッシャーなわけですが、稽古が始まった頃は、もうそれすらもよくわからない状態でした(笑)。けれど、小野寺さんの手法はストレートプレイとはまた違って、まったく新しいことをやっているという新鮮な感覚でした。すべてのパーツを一度分解して、台詞の意味、間(ま)、立ち方や空間を再構築していくという作業を、共演者の皆さんとともに興味深く進めてまいりました。お客様には、舞台上の動きや言葉 からイメージを自由に膨らませていただき「なんだか心地よい」という空間と時間のなかで、存分に楽しんでいただければと願っています。

片桐はいり コメント

すべてにオチがつくことがつまらないと思える今日この頃、たとえば、美術館でインスタレーションや不思議な絵画を見た時、すべてを理解できなくても「よくわからないけど、おもしろい」「こういうの、私は好きだな」という感覚になりますよね。演劇にも、そういう楽しさがあっていいと思うんです。この舞台で、私たちは“人間インスタレーション”とでも呼びましょうか(笑)、宙ぶらりんの楽しさを懸命にお見せしますので、お客様には自由に笑って、なにかを感じて、ステキな“ハテナ”を抱えたままお帰りいただけるとうれしいです。

藤田桃子 コメント

今回、小林聡美さん、片桐はいりさんという素晴らしい役者さんとご一緒させていただく機会を得て、夢のように感じています。これまで一つのこと(パントマイム)を続けてきたことでいただいたお話と考え、まったく違うことに挑戦するというよりは、自分がやってきたことを戯曲の世界といかにすりあわせられるか道を探ってきました。「本当は何を持たされているのか」、「その人たちがそれをどう思っているのか」、「なぜ気付いていないのか」など、ガラスの向こうに透けて見えてくる“ハテナ”が、とにかく面白い作品です。お客様を上手に驚かせることができたらと思っています。

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東京芸術劇場 RooTS Vol.04「あの大鴉、さえも」

2016年9月30日(金)~10月20日(木)
東京都 東京芸術劇場 シアターイースト

2016年10月22日(土)23日(日)
茨城県 水戸芸術館 ACM劇場

2016年10月26日(水)・27日(木)
三重県 三重県文化会館

2016年10月31日(月)
愛知県 愛知県芸術劇場 小ホール

2016年11月10日(木)~13日(日)
大阪府 ABCホール

作:竹内銃一郎
上演台本:ノゾエ征爾
演出:小野寺修二
出演:小林聡美片桐はいり藤田桃子

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よだみな@のどまる堂 @yodamina

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