2月14・15日に兵庫・神戸文化ホール 中ホールにて上演される「
これは神戸文化ホールの開館50周年を記念したプロデュース公演の1プログラム。俳人・西東三鬼の短編集「神戸・続神戸」を原作に、サファリ・P / トリコ・Aの山口茜が上演台本を手がける。
小野寺は「神戸文化ホールの開館50周年を記念するうちに、この作品の演出を任されたということで、大変光栄に思っております。神戸には以前からいろいろな形でお付き合いする機会があり、親近感を持っていました。神戸には人のパワーみたいなものを感じて、創作の基になるものもいただき、いい経験もさせていただいているので、恩返しのようなことができないかなという気持ちをずっと持っていました。今回このような機会をいただきうれしいです」とあいさつ。さらに「鈴木さん、美弥さんという素敵なお二人にご出演いただくことになり、素敵な作品になることは間違いないと思っています。どうかご期待ください」と語った。
続く鈴木は「私が小野寺作品のファンで、とにかく小野寺さんと現場をご一緒させていただきたいと思っていたのですが、今回神戸文化ホールの50周年記念事業という形で参加させていただくことで叶えられたことに感謝しております」と言い、約1年、小野寺とワークショップを続けてきたと明かす。さらに「僕にとって神戸の街のイメージは、いろいろなものをたくさん失ってきたけれども、再生していくエネルギーや、無くしたものを包み込んでくれるエネルギーがある街。そんなこの街のエネルギーやこの街に行きた人々のエネルギーを、小野寺さんの作品を通して届けられたら。自分としては本当にこの作品に懸けていますので、皆さんに楽しんでいただける作品になればと思っています」と意気込んだ。
美弥は「神戸文化ホールの50周年記念公演という記念すべき作品に出演させていただけることがまずとても光栄です。さらに小野寺さんの演出、鈴木さんとお芝居をさせていただけるという、こんな素晴らしい機会に恵まれたことがなかなか実感できていなかったのですが、今日実感しました。まだ少しだけしかお稽古できていませんが、今まで経験したことがない驚き、刺激をたくさんいただける空間で、先日5時間かけて1つの場面を作り上げたのですが、ここまでの時間と熱と愛情を持って作り上げたのは初めて、というような経験でした」と話す。さらに神戸について「私は宝塚歌劇団に長い間在団していたので兵庫県、神戸は特別な場所で。私にとって神戸は、哀愁と言いますか、温かさもありながら寂しさも感じるすごく不思議な場所だという気持ちがあります。今日は故郷に帰ってきたようなすごく幸せな気持ちです。公演に向けて精一杯がんばります」と話した。
記者から原作をどのように舞台に立ち上げていくのか問われると、小野寺は「原作は小説で、1個1個バラバラの話が時系列もバラバラに並んでいる。それを自分たちでつなげて想像するというような本なので、視覚的な余地がすごくあるなと思っています。つまり言葉で補いきれない何かみたいなものを足せる可能性があるんじゃないかと思うんです。僕は言葉を使わない表現を基本的にしていますが、茜さんが書いてきてくれる戯曲にそれらを足すことによって、いわゆる戯曲を立ち上げるのとは違う形のものをお伝えすることができるんじゃないかと思っています」と答えた。
また鈴木と美弥に対し、お互いの印象に対して質問が寄せられると、鈴木は「不思議な空気を持たれているというのが第一印象ですね。普段静かにしていらっしゃるんだけど実はすごく面白いことを考えてるのかなとか、見えない美弥さんの面白さを空気から感じます」と返答。美弥は「テレビや舞台で鈴木さんを拝見していたので実際にお会いしたときは『本物だ!』というミーハー心がありました(笑)。でも普段は本当にナチュラルに飾らず接してくださる方で、なのに演じるスイッチが入った瞬間に、第一声で身体がピリピリするような芸術肌の方で。一から勉強だなという気持ちで、この出会いに感謝しています」と語った。
最後に観客へのメッセージを求められると、小野寺は「自分の街や生まれってなかなか改めて振り返らないと思いますし、今回、この話に神戸が詰まっていますよ、ということはちょっと違う気がしています。ただ全体的に、僕らが見て面白いとか素敵だと思う神戸の要素をこの作品にはたくさん入れていきます。単に『神戸、最高!』というようなことではないのですけれど、少なくとも自分の街をもう一度見直してもらえる機会にはなると思うのでそういう素敵な時間を過ごせたらいいなと思っています」と返答。
鈴木は「神戸の皆さんに観ていただいて心に残る作品になるものをがんばって作る、ということは当たり前なのですが、僕自身としては作品を観た後、観る前とは神戸の景色が変わって見えるくらいの経験を小野寺作品を通じてしてもらえたら舞台にどっぷりハマってしまうことにもなるかもしれないので、そのきっかけになるような作品にしたいなと」と力強く述べる。
美弥は「関西に住んでいるときに、神戸の方は神戸生まれという誇りをすごく強く持っていらっしゃるという印象を受けました。そんな神戸に対して熱い思いを持っていらっしゃるお客様がこの作品をご覧になったらより神戸を好きになるんじゃないかと思いますし、この土地でこの作品をやる意味を地元の方に一番に感じていただきたいなという気持ちで作り上げていきたいなと思っています」と真摯に語った。
流々転々 KOBE1942-1946
開催日程・会場
2026年2月14日(土)・15日(日)
兵庫県 神戸文化ホール 中ホール
スタッフ
原作:西東三鬼(「神戸・続神戸」(新潮文庫))
上演台本:山口茜
演出:
出演
※U-25チケット、高校生以下・神戸割あり。
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