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青山真治が安部公房「榎本武揚」を演出、登場人物20人超を8人で演じる

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HOLEが、7月13日と14日に京都・アンダースローにて「榎本武揚」を上演する。

HOLEは京都造形芸術大映画学科に在籍中のメンバーによって構成されるプロデュースユニット。今回は彼らのプロデュース第2弾として、同大映画学科の学生と教員の混合チームが、2016年12月の本公演を目標に据えつつリーディング公演を行う。

演出を手がけるのは、映画監督で同大映画学科長の青山真治。上演作に選ばれたのは、安部公房が自作の小説を戯曲化した「榎本武揚」だ。江戸幕府の海軍副総裁を務めた榎本武揚が、五稜郭の戦いで敗れたあとに収容された監獄での日々が描かれる。青山真治は「この戯曲に予め備わった融通無碍な多孔性を、装飾のつけ入る隙のない上演形式で確認しておきたかった」と話し、本来は20人を超える登場人物を8人で演じ分ける試みを行う。

なお7月13日の公演終了後には、上演会場のアンダースローを稽古場として活用する地点の代表・三浦基と青山によるトークイベントが行われる。

青山真治コメント

これまで安部作品にほとんど興味を持てなかった(実は三島についても同様だった)者としてなぜか例外的に、これならいける、と思えた。基本リアリズムで書かれた戯曲だが、監獄という抽象空間で展開し、二十人を超える登場人物を六人ないし七人(つまり一人複数役)で演じ分ける試みの余地があることが魅力だった。何よりここには歴史ものにありがちな「リーダーの葛藤」が希薄だった。むしろその葛藤を笑って済ませるようなところがいかにも小気味よい。本公演に先立つリーディング公演を提案したのも、この戯曲に予め備わった融通無碍な多孔性を、装飾のつけ入る隙のない上演形式で確認しておきたかったからである。もう一つ言うなら、前述のとおり安部公房に何ら思い入れのない私には、元の戯曲に心置きなく手を入れられる気軽さがあった。

HOLE #2 リーディング公演「榎本武揚」

2016年7月13日(水)・14日(木)
京都府 アンダースロー

作:安部公房
演出:青山真治
出演:水上竜士鈴木卓爾、高尾悠希、谷口恵太、田端奏衛、松尾渉平、佐々木詩音、安田雄一郎

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