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ストリンドベリ原作「令嬢と召使」を雛形あきこと渡部豪太が2人芝居で

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「令嬢と召使」が、雛形あきこ渡部豪太の2人芝居によって4月に東京・シアタートラムにて上演される。

「令嬢と召使」はスウェーデン作家のアウグスト・ストリンドベリによる1888年の代表作「令嬢ジュリー」が原作。今回の舞台は原作での設定とは異なり、女と男2人の俳優で上演するように上演台本を再構成し、女は令嬢という檻、男は召使という檻に入るところからスタートする。演出を手がけるのは、「坂の上の雲」「紙の月」など数々のテレビドラマを担当してきた一色隆司。

「令嬢と召使」

2016年4月21日(木)~24日(日)
東京都 シアタートラム

作:ストリンドベリ(「令嬢ジュリー」より)
翻案:笹部博司
演出:一色隆司
出演:雛形あきこ、渡部豪太
ピアノ演奏:道脇直樹

一色隆司コメント

「ある日突然の出来事で…」

人生には、物事が突然やってくる瞬間がある。19の時に自分に降ってきたアメリカに行くというアイデア。そして、様々な人との出会いや別れ。笹部さんとの出会いも突然僕の所にやってきた。

そして、芝居は心だよねという言葉の本質に共感し、気づいたら一緒に舞台を作らないかという話しになっていた。

「令嬢と召使」…人と人が自分の心に向き合い様々な感情が湧き出ては消えていく。そして、 愛おしいまでの不器用な生き様が、これを見る人の心を掴んではなさないだろうと確信する。

演じる者の生き様を土台として、登場人物が見つけ出す答えとは? 観客の皆さんには、これが悲劇と目に映るのか、ラブストーリーとして映るのか、それともロマンティックコメディーとして見られるのか…それはさして重要ではない。演じる者の心を感じていただければきっと心が動く、すなわち感動できるはずだから…その空間と時間を共有できればと思う。

笹部博司プロデューサーコメント

「心のストリップショー」

舞台の上の俳優の心が常に現在進行形で動いている。それがこの作品の上演において何よりも大切である。夢の現実が、虚構と真実が、登場人物と俳優が、表裏となって舞台は進行し、観客もまた、その夢の世界へと導かれていく。そして観客は気がつくと、虚構の檻の中に捉えられている。
ジュリーは登場した時から、その根底に死を抱え込んでいる。理由は観客のためのものである。観客のために死の扉を開く。切なのは、観客もジュリーと共に、死の扉を開くということである。
この作品が面白いのは、その純度が極めて高いということだ。俳優は、まずここに書かれた言葉と向き合って欲しい。その言葉を自分の心が発する言葉として口にして欲しい。そして自分と向き合う。演じるとい う気持ちを最大限忘れて、そこに自分を置き、自分の言葉としてしゃべってみて欲しい。人間はいろいろな 思いを抱えて生きている。希望があり、絶望があり、愛があり、憎しみがあり、欲望があり、激しさがあり、優しさがあり、求める気持ちがあれば、拒絶する気持ちがある。ここに書かれているのは、そういった矛盾し、錯綜する心の体験である。
演劇とは登場し、退場することである。たくさんの思いを持って登場し、その思いをすべて燃やし尽くしたときに退場する。この芝居は、そういう意味で、心のストリップ劇場である。自分の心の秘密をすべてさらけ出す。 不安を、恐れを、哀しみを、心細さを、惨めさ情けなさを、ギラギラした欲望を、突き上げてくる憎しみを… ここに書かれた言葉につられて、そういった心の奥底に隠し持っている感情が、思いもよらず、次々に顔を出していく。
劇場とは、そういった感情を解き放ち、燃やす場所なのだ。

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