中村米吉

中村米吉の#カワイイは世界を救う? 第6回 [バックナンバー]

中村米吉、父上・中村歌六のカワイイをとことん自慢

あれ、この子は…? “四代目”米吉の可愛すぎる秘蔵写真も

3

374

この記事に関するナタリー公式アカウントの投稿が、SNS上でシェア / いいねされた数の合計です。

  • 83 196
  • 95 シェア

現在、東京・歌舞伎座「六月大歌舞伎」昼の部に出演中の中村米吉。「傾城反魂香」より「浮世又平住家」では、敵に追われるクラシカルな赤姫・銀杏の前として、全力でお守りしたくなるような愛らしさを発揮している。「扇獅子」では、淡いイエローの着物に身を包み、あどけなさと色気を兼ねそろえた芸者に扮する。珍しすぎる、女方による毛振りにも注目だ。

可愛くお茶目な米吉に、身の回りの“カワイイ”を、ユーモアたっぷりに紹介してもらうこのコラム。第6回目には、同じく「六月大歌舞伎」に出演中の父上・中村歌六が満を持して登場する。歌六は、昼の部「傾城反魂香」の「土佐将監閑居」(通称“吃又“)では、主人公・又平の師匠である土佐将監、夜の部「義経千本桜」三段目では、主人公・権太の父親・鮓屋弥左衛門を勤め、厳格さと深い愛情を併せ持った2役で観客の心を打ちまくっている。渋い存在感が魅力の歌六だが、米吉とは仲良し親子。米吉のInstagramのストーリーにて、スイーツの写真の奥に歌六が写り込んだ“写り込みka6さん”シリーズはファンにもおなじみだ。大好きな父上の可愛さを自慢しまくる米吉だが、あれ、その写真に写るカワイイ子は……?

題字:中村米吉

我が父ながら尋常ならざる愛らしさ…

70対52。
18ポイント差の敗北。

え? なんの話か?
母の日、父の日にプレゼントを贈ると答えた方の割合です。
実に2割もの差をつけられています。切ない……!

ちなみに、プレゼントの平均金額についても6,767円対6,356円と僅差ながらも敗北。
量より質、ともならない、どう立ち回っても敗北という残念な結果に。

そんな世間的に少し冷遇されがちな父の日にちなんで、今回の#カワイイは、My FATHER!

ご覧ください! この可愛さ!

とってもカワイイ米吉と、とってもカワイイ……この子は誰かしら? 写真下の「パイ好きだよ シュークリーム好きだよ チョコレート好きだよ うるさいな今たべてるんだ」というコメントにも注目。(出典:アサヒグラフ別冊「映画と演芸」)

とってもカワイイ米吉と、とってもカワイイ……この子は誰かしら? 写真下の「パイ好きだよ シュークリーム好きだよ チョコレート好きだよ うるさいな今たべてるんだ」というコメントにも注目。(出典:アサヒグラフ別冊「映画と演芸」)

え? なんか知ってる私の父親と違う?
いやいや、これは違うことなき我が父・歌六さんでございます。
約65年前、米吉を名乗り初舞台をしたすぐあとのカワイイ頃のね!

子役を特集する雑誌に掲載された、誰かがヘラでも使って口の周りにチョコレートを塗りたくったのではないかという、あざとめのこの写真(笑)。
下のコメントにも時代を感じますな。

我が父ながら尋常ならざる愛らしさです。
とくとご覧ください! うちの子を!
まぁ、どっちかと言うと私がうちの子だけど。

本当にどの写真も可愛らしいでしょー。

可愛らしくも貴重すぎる、“四代目”米吉の写真の数々。祖父・三世中村時蔵、大叔父・十七世中村勘三郎との扮装姿での2ショットや、小さな弁天小僧の姿も!

可愛らしくも貴重すぎる、“四代目”米吉の写真の数々。祖父・三世中村時蔵、大叔父・十七世中村勘三郎との扮装姿での2ショットや、小さな弁天小僧の姿も!

大変なボンボンとして育てられたこの子、乳母日傘を地で行っておりまして、本当にばあやがついていたそうです。
過保護っぷりを表すエピソードの1つに、紙芝居を見たがる米吉坊やのお話があります。

当時の子供の一大娯楽だった紙芝居。
しかし砂埃舞い散る中は危ないと、坊やは見させてもらえなかったそう。
どうしても見たいと懇願した米吉坊やの願いを聞き入れたばあやは、家に紙芝居屋さんを連れてきて、坊や1人のためだけに玄関先で上演させたんだとか。
元坊やいわく、「そんなところで1人で見ても面白くもなんともなかった」そうです(笑)。

天下無双の映画スター、叔父である萬屋錦之介を切られ役に起用してのチャンバラ遊びをし、あれが欲しいと一言いえば小道具さんが作ってくれて、刀もピストルもなんでも本物さながらがそろっていた坊や。

そんな坊やですから、大伯父に当たる伝説の名優・初代吉右衛門に対してですらこの態度。

今の歌六のカッコいい渋さを幼少期から体現。小さな歌六の小さな手をギュッと握る、初代中村吉右衛門の温かさも感じられる1枚。

今の歌六のカッコいい渋さを幼少期から体現。小さな歌六の小さな手をギュッと握る、初代中村吉右衛門の温かさも感じられる1枚。

手をつないでもらっているのにポケットに片手を突っ込んでる。ふてぶてしすぎてカワイイ(笑)。

もちろん、半世紀たった今でもカワイイところも健在です。

ようやく登場! 土佐将監に扮した歌六、優しくニッコリ。ひょっこりと可愛く顔を出す息子・米吉との、心温まる2ショット。

ようやく登場! 土佐将監に扮した歌六、優しくニッコリ。ひょっこりと可愛く顔を出す息子・米吉との、心温まる2ショット。

先日、突然楽屋にみたらし団子を買って帰ってきました。
「ローソンで売ってた! 珍しいだろ! 好きだろうと思って!」

お父さん。
みたらし団子くらいはどのコンビニでも普通に売ってるんですよ……(笑)。

そんな父は今月昼夜で歌舞伎座出演中。
どちらも私の中では父のイメージが強い2役で、久々に観られて私自身としてもうれしく、ますます充実した舞台を観させてほしいなと息子ながら思っています。
だから! 大好きなのはわかりますけど、昼夜の間時間があるからと言って、煉瓦亭で揚げ物ばかり食べずに、ご自愛なされませや!(笑)

それにつけても、昔の米吉坊やのカワイイこと。
本当に米吉坊やカワイイ。米吉カワイイ。米吉カワイイ。

え? 意図を感じる?
なんのことかしらん。

プロフィール

中村米吉(ナカムラヨネキチ)

1993年、東京都生まれ。播磨屋。中村歌六の長男。2000年に中村米吉の名を襲名して初舞台。2011年から女方を志し、「鬼一法眼三略巻 菊畑」で皆鶴姫、「与話情浮名横櫛」でお富、「松浦の太鼓」でお縫、「仮名手本忠臣蔵 七段目」で遊女お軽、「絵本太功記」で初菊などを勤める。またアメリカ・ラスベガスで行われた歌舞伎興行では、2015年に「鯉つかみ」小桜姫役、2016年に新作歌舞伎「獅子王」白縫姫役で出演。2015年には「鳴神」の雲の絶間姫役の演技で十三夜会奨励賞、2021年には第42回松尾芸能賞で新人賞を受賞した。昨年7月に上演された「風の谷のナウシカ 上の巻 ―白き魔女の戦記―」、昨年12月から今年1月にかけて上演された「オンディーヌ」では、それぞれタイトルロールを務め、3・4月に上演された「新作歌舞伎 ファイナルファンタジーX」では、ヒロイン・ユウナ役を勤めた。現在、東京・歌舞伎座での「六月大歌舞伎」に出演中。7月には大阪・大阪松竹座での「七月大歌舞伎」、8月には尾上右近自主公演 第七回「研の會」への出演を控えている。7月15日には、大阪で自身のトークショーを実施予定。毎週水曜日にAuDeeプレミアムにて自身がパーソナリティを務める番組「中村米吉 悪魔の時間」を配信中。

データ出典:2300人に聞いた母の日・父の日のプレゼント調査2023ー『エンバイト』ユーザーアンケートー(https://corp.en-japan.com/newsrelease/2023/32836.html)

バックナンバー

この記事の画像(全5件)

読者の反応

  • 3

荻原和歌@和歌ネエとか @ogiwaka

人間国宝がカワイイ…

https://t.co/yTwqhwEgnN

コメントを読む(3件)

関連記事

中村米吉のほかの記事

このページは株式会社ナターシャのステージナタリー編集部が作成・配信しています。 中村米吉 の最新情報はリンク先をご覧ください。

ステージナタリーでは演劇・ダンス・ミュージカルなどの舞台芸術のニュースを毎日配信!上演情報や公演レポート、記者会見など舞台に関する幅広い情報をお届けします