忘れらんねえよ、初ワンマンであの人を卒業!新境地目指す

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忘れらんねえよが「忘れらんねえよのワンマン筆おろしツアー」最終公演を8月9日に東京・渋谷CLUB QUATTROで開催した。

忘れらんねえよ「忘れらんねえよのワンマン筆おろしツアー」最終公演の様子。

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忘れらんねえよ「忘れらんねえよのワンマン筆おろしツアー」最終公演の様子。

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柴田隆浩(Vo, G)

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梅津拓也(B)

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酒田耕慈(Dr)

酒田耕慈(Dr)

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19:00過ぎ、あまりにもヘタクソなトランペットによる「天国と地獄」をオープニングSEに梅津拓也(B)と酒田耕慈(Dr)とともにステージに現れた柴田隆浩(Vo, G)は、そのSEを止めるや「東京初ワンマン、CLUB QUATTROソールドアウトだ、ありがとう!」と絶叫。「今日さあ、どっかのスタジアムでBUMP OF CHICKENがやってるらしいじゃねえかよ!」「なんであんたらここに来たんだよ?」と満員のフロアを挑発し「オレらとあんたらでBUMP超えしてやるよ!」と、この日のオープニングナンバー「僕らチェンジザワールド」を叩き込む。

それと同時にモッシュを繰り広げるフロアとともに同曲から「ブログを覗き見る」までを大合唱すると、柴田は「今日来てくれたみんなはとっても大切な人なんですよ」「なので記念にとっておきの話をさせてもらってもいいですか?」と自身の初恋の人・オカッチとのエピソードを語り出すも、フロアには微妙な空気が。「さてはみんな、この話、知ってやがるな」と笑う柴田は、それでも交際わずか1カ月でフラれたにもかかわらず、今に至るまで「ずーっと一生懸命、つきまとい行為をしていた」ことや、オカッチが地元で慶応ボーイと結婚したことを悔しさをにじませながら熱弁。「能年玲奈LOVE!」というシャウトを織り交ぜながら「慶応ボーイになりたい」を熱くプレイした。

「あんたなんだ」のあとには10月16日に2ndアルバム「空を見上げても空しかねえよ」をリリースすることを発表し、「たいていアンサーソングって別のバンドが作るんだけど、誰も作ってくんねえから」と「中年かまってちゃん」のアンサーソングにして、新譜に収録のバラード「青年かまってちゃん」を披露。命を賭してでも愛する人を守りたいと歌う柴田の声に、笑顔の絶えなかったフロアのムードは一転。誰もがそのシリアスなメロディと言葉に聴き入っていた。

立て続けに「サンキューアイラブユー世界」というメロウなナンバーを披露した柴田はこれまでのバンドの歩みをしんみりと振り返り始める。ところが話題が忘れらんねえよ結成のきっかけとなったバンド・チャットモンチーのことに及ぶと「先日、チャットモンチーのえっちゃん(橋本絵莉子)が結婚しました」と苦々しい表情で語り、「おめでとう!」の声をあげるフロアを「うるせーよっ!」と一喝する。

曰く、ある日いつものように5分に1回のペースでTwitterをエゴサーチしていたら「柴田さん大丈夫かな?」というファンのつぶやきと、ナタリーの橋本結婚報道へのリンクを発見。ショックは大きかったものの「ロックンロールは立ち止まっちゃいけないから」、勇気を振り絞って記事を読み進めたところ、「えっちゃんへの思いと熱量を叫び散らかした」曲である忘れらんねえよのデビューシングル「CからはじまるABC」をリリースした2011年時点ですでに橋本が入籍していたことを知らされたのだという。

「もう卒業のときだと思う、えっちゃんからの」とする柴田が「ドラムお願いします」と促すと、酒田はキックの4つ打ちを繰り返す。そこに梅津が耳慣れたベースラインを重ねると、3人はチャットモンチー「シャングリラ」をカバー。そのままシングル曲「この高鳴りをなんと呼ぶ」「僕らパンクロックで生きていくんだ」を連続投下して、フロアの熱気をこの日何度目かのピークへと押し上げた。

冒頭の柴田のMCの通り、今回のライブは忘れらんねえよにとって都内初のワンマン公演。当日はこれを記念して、2組のゲストが駆けつけていた。「全部はうまくいかねえんだよ。でも突っ込んでいきたいんだよ!」と新曲「馬鹿だ」を披露したバンドの待つステージに登場した1組目のゲストは、Hermann H. & The Pacemakersの岡本洋平(Vo, G)と若井悠樹(WOLF)。梅津が大学時代から今まで12年間にわたって常に新鮮な気持ちで聴き続けているほどのファンだったことから参加を打診したという。

2人がステージに現れると柴田はまず、岡本の娘がかわいいと連呼し、最終的には岡本を「お父さん」呼ばわり。返す刀で岡本は「お前、キモいよ」と一蹴し「こんなヒドいバンドいねえな」「マジでSEXしか言わねえから、半ギレだった」と忘れらんねえよのライブを初めて観たときの感想をぶちまける。そして「そんな僕ら親子バンドがですね……」と語る柴田の尻を岡本が「ふざけんなよ」と蹴り上げたのを合図に「俺を守りたい」を5人でプレイ。岡本がギターをかき鳴らし、若井がどこかコミカルながらもエモーショナルなダンスとコーラスをかぶせるタフな演奏を見せつけた。

バラード「パンクロッカーなんだよ」に大きな拍手が集まる中、柴田は「あんたらの顔を見ていたらセットリストにない曲をやりたくなってきた」と、「この前レコーディングしたばかりのほやほやの新曲」こと「そんなに大きい声で泣いてなんだか僕も悲しいじゃないか」をプレイするサプライズを演出した。続くMCでは自身も出演した「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2013」について触れ、6万人収容のGRASS STAGEで観たBUMP OF CHICKEN「天体観測」のイントロが流れた瞬間、鳥肌が立ったことを告白。「オレらもいい音楽を作れば絶対にあそこにいける!」「ずーっとデカいことを言って、ちゃんと叶えていくんで、どうかよろしくお願いします」「あんたらはオレらの宝なんだよ、財産なんだよ!」と叫び、「この街には君がいない」「北極星」「CからはじまるABC」という高速ナンバーを3連射する。「北極星」プレイ時にフロアに投げ込まれた、それぞれに「S」「E」「X」と書かれた3つの大きなビーチボールが観客のトス合戦の末、ステージのメンバーにぶつかるもお構いなしに熱演を続けていた。

そして本編ラストナンバー「忘れらんねえよ」を大合唱すると、柴田は「一緒に飛ぼうか」とフロアとともにジャンプ。「サンキューSEX、ありがとう!」という、おなじみのあいさつを残してステージをあとにした。

直後に巻き起こったアンコール代わりの「サンキューSEX!」コールに応えたメンバーはまず「景気づけにゲストを呼んでもいいですか?」と、この日2人目のゲスト、おとぎ話の有馬和樹(Vo, G)を招き入れる。アコースティックギターを担いだ有馬は「(忘れらんねえよの曲が)みんなの応援歌として届いているって確信したね」と語り、フロアに向かって「センスがいいよ、あんたら」とひと言。そして忘れらんねえよと共作した「戦って勝ってこい」をバンドとともに優しく歌い上げた。

有馬が退場したステージで柴田は「終わっちゃうね、ワンマン」とライブが最終盤を迎えたことをフロアに伝える。そして「それなりに勉強もできたし、足も速かった」「でもバンドって表現が一番好きで、一番得意で、これしかないんです!」と、新作「空を見上げても空しかねえよ」に収録される「バンドワゴン」を熱唱。「最後のお楽しみタイム」として、フロア左側の観客には「S」、中央には「E」、右側には「X」の文字を手で形作らせ、メンバー3人も同様に「S」「E」「X」の文字を作ったところで記念撮影をして本日の公演と、初のワンマンライブツアーの全日程を締めくくった。

忘れらんねえよ「忘れらんねえよのワンマン筆おろしツアー」最終公演
2013年8月9日(金)東京・渋谷CLUB QUATTROセットリスト

01. 僕らチェンジザワールド
02. だんだんどんどん
03. 中年かまってちゃん
04. ブログを覗き見る
05. 慶応ボーイになりたい
06. ドストエフスキーを読んだと嘘をついた
07. あんたなんだ
08. 青年かまってちゃん
09. サンキューアイラブユー世界
10. シャングリラ
11. この高鳴りをなんと呼ぶ
12. 僕らパンクロックで生きていくんだ
13. おしぼりを巻き寿司のイメージで喰った
14. 馬鹿だ
15. 俺を守りたい with Hermann H. & The Pacemakers
16. パンクロッカーなんだよ
17. そんなに大きい声で泣いてなんだか僕も悲しいじゃないか
18. この街には君がいない
19. 北極星
20. CからはじまるABC
21. 忘れらんねえよ
<アンコール>
22. 戦って勝ってこい with おとぎ話有馬君
23. バンドワゴン

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