このライブでバンドは「MILLION」を収録曲順に再現するという試みを敢行。約8000人のオーディエンスを前に、ニューアルバムの楽曲をあますことなく届けた。開演時刻を迎えると、スピーカーからサイレンの音が鳴り出し、KENTA（Dr）、UZ（G, Programming）、MOMIKEN（B）、IKE（Vo）が順番に姿を見せる。そしてIKEの「One, two, three, go!」のシャウトから「OVERLOAD」になだれ込み、「MILLION」完全再現ライブが幕を開けた。
冒頭からエッジの効いたIKEのボーカルと、骨太なバンドサウンドにあわせてアスファルトの地面が揺れ、観客の興奮を伝える。さらにIKEが「声を聞かせてくれ！」と叫ぶと盛大な歓声やoiコールが沸き、公園周辺はたちまちライブハウス内のような空気に包まれた。序盤は激しい曲で攻めていく展開だったが、UZの弾くなめらかなギターが響く「サクラミツツキ」や、シンフォニックなトラックが絡む「Winding Road」で空気は一変。壮大な「Winding Road」が終わると、4人の圧倒的なパフォーマンスに厳かな拍手が響いた。
そのままメンバーは落ち着いた空気の中でMCをスタートさせ、KENTAは「いい感じですよね」と上機嫌で観客に挨拶し、UZは「去年から『MILLION』というアルバムを作ってて、この日に向かってきました。大勢の人に届けることができてうれしいです」とアルバムのリリース日を迎えられた喜びを噛み締めた。
ライブの中盤では、アルバムの緩和剤にもなっているパーティチューン「Are You Champion? Yeah!! I'm Champion!!」を、3人のチアリーダーとともにパフォーマンス。IKEの歌とUZのギターによる掛け合いや、肩の力が抜けたセッションを観客は笑顔で見守っていた。「STAND UP」から再びハイボルテージな曲が連投され、オーディエンスの熱気を再び高めていく。また「雨上がりに咲く花」や「虹」ではまばゆい光がステージを包み、楽曲に込められたメッセージがドラマチックな演出とともに届けられた。そしてラストナンバーはUZのアコースティックギターが柔らかな雰囲気を醸し出す「16 And Life」。4人はオーディエンスを見つめながら、自分たちの軌跡を歌ったナンバーを丁寧に奏でた。
アンコールではファンがジェット風船を膨らませて待機。そして「サムライハート（Some Like It Hot!!）」のイントロとともに、カラフルな風船が勢いよく飛び交い、会場一帯がにぎやかなムードに変わる。ハンディカメラを手に登場したIKEは、晴れやかな表情で熱唱。観客も4人のプレイに反応するように盛り上がり、IKEが客席エリアに降りた瞬間に狂騒はピークに達した。全12曲を歌い終えたIKEは「SPYAIRの3枚目のアルバム『MILLION』よろしくお願いします。今日で終わりじゃないんで。この『MILLION』を掲げて、100万人のライブまでたどり着きたいと思います」と力強く宣言すると、「どうもありがとう！」とマイクを通さずに絶叫。バンドとして新たな目標を掲げてステージをあとにした。
SPYAIR「SPYAIR New Album「MILLION」リリース記念 アルバム全曲完全再現フリーライブ at 代々木公園」
2013年8月7日 東京都 代々木公園野外ステージ セットリスト
01. OVERLOAD
02. Turning Point
03. 現状ディストラクション
04. サクラミツツキ
05. Winding Road
06. Are You Champion? Yeah!! I'm Champion!!
07. STAND UP
08. Supersonic
09. 雨上がりに咲く花
10. 虹
11. 16 And Life
＜アンコール＞
12. サムライハート（Some Like It Hot!!）
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音楽ナタリー @natalie_mu
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