ストレイテナー、ファンと作り上げた2度目の武道館公演

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昨日2月17日にストレイテナーが、東京・日本武道館にてワンマンライブ「ストレイテナー 10th Anniversary 2013.2.17 Live at 日本武道館『21st CENTURY ROCK BAND』」を開催した。

昨日2月17日に東京・日本武道館で開催された「ストレイテナー 10th Anniversary 2013.2.17 Live at 日本武道館『21st CENTURY ROCK BAND』」の模様。(撮影:橋本塁)

昨日2月17日に東京・日本武道館で開催された「ストレイテナー 10th Anniversary 2013.2.17 Live at 日本武道館『21st CENTURY ROCK BAND』」の模様。(撮影:橋本塁)

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ホリエアツシ(Vo, G, Key)(撮影:橋本塁)

ホリエアツシ(Vo, G, Key)(撮影:橋本塁)

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ナカヤマシンペイ(Dr)(撮影:橋本塁)

ナカヤマシンペイ(Dr)(撮影:橋本塁)

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日向秀和(B)(撮影:橋本塁)

日向秀和(B)(撮影:橋本塁)

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大山純(G)(撮影:橋本塁)

大山純(G)(撮影:橋本塁)

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このライブはバンドが今年10月にメジャーデビュー10周年を迎えることを記念して企画されたもので、セットリストはファンから募ったリクエストに応じて作成。演奏曲は合計31曲を数え、ダブルアンコールを含め3時間の長丁場となった。

場内の暗転とともに、ステージうしろを覆う白い幕にはバンドがメジャーデビューを果たした2002年からの軌跡がビデオクリップとともに時系列で紹介される。まだ初々しい表情のメンバーの顔が大きく映し出されるとどよめきが起こり、日向秀和(B)と大山純(G)の加入した年に差し掛かると自然と拍手と歓声が沸く。表示が2013年にたどり着いたところで、メンバーが順番にステージへ。定位置に着いた4人がオープニングナンバーとして鳴らしたのは、メジャーデビュー曲「TRAVELING GARGOYLE」。驚きの声とoiコールが同時に起こる中、バンドはタイトなアンサンブルで会場のボルテージを一気に引き上げた。その後もイントロが奏でられるたびに「おおっ!」という声が上がり、会場の熱気は時間が経過するとともに高まっていく。ホリエアツシ(Vo, G, Key)は「席があるからって縮こまってたらもったいないぞ」と遠慮気味の観客に語りかけ、「今日は皆さんが選んだ曲をやります。今日はみんな作り手ですから。俺たちは感謝の気持ちと魂を込めて演奏します。いいライブにしようね。ストレイテナーです。よろしく」と力強く挨拶した。

続いてのブロックでは新旧の楽曲が、現在のサウンドにバージョンアップされた形で届けられていく。日向のうねるようなベースと、ナカヤマシンペイ(Dr)の叩くシャッフルビートが観客を踊らせた「Discography」や「KILLER TUNE」、ホリエがピアノで滑らかな旋律を弾き、その上に情感豊かな声を乗せた「Toneless Twilight」など、タイプの異なるナンバーが連続投下された。攻撃的なギターリフが炸裂する「GUNSHIPRIDER」を歌い切ったホリエは「サンキュ!」と叫び、ナカヤマは「お前らがどうしてもって言うから、真空突き抜けたぜ」と歌詞を引用しながら笑う。そこからはセットリストの話が始まり、ホリエが「王道な曲が選ばれると思ったら、マニアックなのが多くて重い!」とこぼすと、ナカヤマは「演奏曲30曲揃ってから頭抱えたもんね……」とこぼす。さらに自信を持っていた「VANDALISM」が選外になったことを明かし「覚えてろよお前ら!(笑)」と恨み言を放ち会場を笑わせた。

そんな悪態をつきながらもメンバーは、ファンとともに作ったセットリストを楽しんでいる様子。中盤では、ナカヤマのコーラスがホリエの声に寄り添い、優しい空気が作り出された「Farewell Dear Deadman」、静謐な音世界が観客を圧倒した「Lightning」、切なく美しいメロディがスケール感たっぷりに響いた「シンクロ」などミディアムテンポのナンバーが続く。派手な演出は一切ないものの、曲に合わせてさまざまな照明が効果的に使われ、視覚的にもオーディエンスを魅了した。

「ええなあ。乗ってきた」とエンジンが本格的にかかってきた様子のホリエの言葉に、ナカヤマは「客席の緊張が解けた気がする」とひと言。さらにホリエが「2回目だけど1回目よりめっちゃ力が入ってる」と続けると、ナカヤマは「なんで緊張してるか教えてやろうか。4年前は若かったから。今はベテラン選手の代打みたいな感じだからねえ」と言い放った。そのままMCが続くも、ステージは徐々に楽屋にいるようなリラックスした雰囲気に。業を煮やした大山が「待て! 音楽やろ」とストップをかけ、それを合図に「The Novemberist」からライブは後半戦へと突入した。

この日のライブは基本的に4人の演奏を中心に展開されていたが、途中でスペシャルゲストも登場。ファンからのリクエストで4位に選ばれた「From Noon Till Dawn」では、SOIL & "PIMP" SESSIONSのタブゾンビ(Tp)と元晴(Sax)、田中邦和(Sax)が加わり、管楽器独特の華やかで艶のあるサウンドでバンドの演奏を盛り上げる。さらになだれ込むように始まった「BERSERKER TUNE」は客のコールも盛大に起こり、大山がギターを置き軽やかにブルースハープを奏でた「YES, SIR」で会場の一体感はさらに強固なものになる。

ホリエは本編最後のブロックに入る前に、「俺らサービス精神があんまりないバンドですが、ホントにファンに恵まれて。スタッフとかチームにも、仲間にも恵まれて、支えられて、ここまで来れたと思います」と会場全体を見渡しながら口にする。その言葉に続くように奏でられたのは「羊の群れは丘を登る」。さらに続けて「REMINDER」のイントロが鳴ると「キャー!」「おおっ!」といった声が沸き、その声はいつしかコールへと変わる。オーディエンスの声援を受けながら4人はお互いに向き合い音を重ね、クライマックスへと突き進んだ。本編ラストに選ばれた曲は「MARCH」。ホリエの包容力のあるボーカルと、楽器隊の3人の丁寧なサウンドが重なり、会場全体を深い世界へと誘っていく。そして感動的な空気の余韻を残して、2時間半におよんだ本編は終了した。

「サービス精神があんまりない」と言いながら、アンコールに入るとさらなるサプライズで観客を驚かせた彼ら。下手から再登場したホリエとナカヤマは、ステージ中央で固く肩を抱き合う。そのまま2人はスタンバイすると、インディーズ時代の「SILVER STAR」をプレイしてみせた。さらにその後、日向が合流して3人体制のストレイテナーに。ここで披露されたのは日向が加入した2004年に発表されたアルバム「LOST WORLD'S ANTHOLOGY」から「MAGIC WORDS」。日向が加わることでサウンドは重さと厚さを増し、現在のストレイテナーの音へと近付いていく。最後にバンドに合流したのは大山で、彼は姿を見せるなり日向、ナカヤマ、ホリエと握手や抱擁を交わす。現メンバーが揃ったところで披露されたのは「ネクサス」だった。4人のシルエットがステージうしろの幕に重なり合うように映し出され、バンドの絶妙なバランスをイメージさせる。「これから10年先も、このバンドを、この音楽を応援してください」とホリエが噛み締めるように口にしたあと「Melodic Storm」がスタート。序盤では観客のコールに大山が思わず笑みをこぼし、曲の終盤では4人が顔を見合わせ楽器を弾く姿も。演奏を終え、一列に並び肩を組んでお辞儀をする4人には大きな拍手と歓声が贈られた。

「できるだけ皆さんの近くで音を鳴らしていきたいと思います。今年もツアーを回ります。俺たちの音楽がみんなの何かの支えになればと思います」とダブルアンコールの冒頭で語ったホリエ。そして「3位の曲を……」という紹介から演奏された「ROCKSTEADY」は、さながらバンドの新たなスタートを祝福するように会場いっぱいに響きわたった。

なおストレイテナーは、5月1日にベストアルバム「21st CENTURY ROCK BAND」をリリースし、5月8日より47都道府県ツアー「21st CENTURY ROCK BAND TOUR」を開催する。

ストレイテナー「ストレイテナー 10th Anniversary 2013.2.17 Live at 日本武道館『21st CENTURY ROCK BAND』」
2013年2月17日@東京都 日本武道館 セットリスト

01. TRAVELING GARGOYLE
02. Ark
03. 星の夢
04. LEAP IN THE DARK
05. Discography
06. Toneless Twilight
07. Man-like Creatures
08. KILLER TUNE
09. GUNSHIPRIDER
10. WHITE ROOM BLACK STAR
11. COLD SLEEP
12. Farewell Dear Deadman
13. Lightning
14. シンクロ
15. The Novemberist
16. Sunny Suicide
17. ETERNAL
18. Dive
19. SAD AND BEAUTIFUL WORLD
20. AGAINST THE WALL
21. From Noon Till Dawn
22. BERSERKER TUNE
23. YES, SIR
24. 羊の群れは丘を登る
25. REMINDER
26. MARCH
<アンコール>
27. SILVER STAR
28. MAGIC WORDS
29. ネクサス
30. Melodic Storm
<ダブルアンコール>
31. ROCKSTEADY

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コマメ @komamekichi620

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2013年2月17日は テナー2度目の武道館だったなぁ。
アンコールの演出が最高すぎた!

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