NICOキャリア史上最長ツアー大阪で“最高”のフィナーレ

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NICO Touches the Wallsの全国ツアー「TOUR 2012 "ALGORHYTMIQUE"」が、昨日12月20日に大阪・オリックス劇場で千秋楽を迎えた。

「THE BUNGY」を熱唱する光村龍哉(Vo, G)。

「THE BUNGY」を熱唱する光村龍哉(Vo, G)。

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「ラッパと娘」でのスティックさばきも堂に入っていた古村大介(G)。

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頼もしいMCでも会場を沸かせた坂倉心悟(B)。

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ツアー中は体のメンテナンスが大変だったと語った対馬祥太郎(Dr)。

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光村龍哉(Vo, G)と古村大介(G)によるギターバトル。

光村龍哉(Vo, G)と古村大介(G)によるギターバトル。

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9月下旬に大阪・なんばHatchでツアー初日公演を行い、約3カ月の旅を経て大阪に戻ってきたNICOの4人。12月17日の東京・NHKホールに続くホール公演となった昨日のライブは、大規模な会場ならではの演出やバンドのタフさを証明する場面が随所で光る2時間半となった。

場内の暗転とともにツアータイトルをフィーチャーした映像がステージ上のLEDディスプレイに映し出され、オーディエンスの熱気を高めていく。続いて古村大介(G)を先頭にメンバーが現れ、最後に光村龍哉(Vo, G)が登場し、4人がそろうと大きな歓声が場内に響いた。その歓声をかき消すように鳴らされたのは、どっしりとしたグルーヴが鍵の「ビッグフット」。メンバーは盤石のアンサンブルで、準備万端であることをアピールする。挨拶代わりの1曲を演奏し終えた光村は「どうもNICO Touches the Wallsです。ただいま大阪!」と叫び、新旧のナンバーを次々と届けていった。

今回のツアーでは本編を2ブロックに分け、ストイックにライブを展開していった彼ら。同じ曲調のものを続けて披露するのではなく、前半のブロックでは疾走感のある「バイシクル」のあとにダンサブルな「カルーセル」を持ってきたり、「風人」のあとに「ほっとした」を熱演したりと緩急あるセットリストが用意された。さらにアレンジも随所に手が加えられ、「恋をしよう」は原曲からテンポを落とし、歌を引き立てるサウンドに。この曲では古村の丁寧で柔らかなギターが彩りを添え、ラストでは光村が情感たっぷりのボーカルを聴かせた。また「レオ」のイントロでは砂嵐のようなノイズを流し、さらにギターの音圧を高くすることで、不穏なサウンドを際立たせていた。

シンプルな照明の下でしっとりと披露された「ほっとした」を経て、最初のMCが始まる。光村は「無事大阪に帰ってくることができました。そのときは何倍も何倍もカッコいいバンドになって帰ってくると宣言しましたが、今日は堂々とカッコいいバンドのカッコいいライブを見せつけたいと思います」と宣言。そして今回のツアーの目玉にもなっていた“未完成”が売りのセルフカバーコーナーへとつなげた。この日同コーナーでピックアップされたのは「ページ1」。対馬祥太郎(Dr)と坂倉心悟(B)が作る陽気なリズムに乗せて、サンバ風のギターや軽やかな歌声が響く。個々のプレイヤーとしての魅力を見せつけたあとはサイケデリックな「ラッパと娘」に。対馬以外の3人が間奏で担当以外の楽器を奏でるこの曲では、光村がキーボードを操り、坂倉と古村がドラムを乱打。対馬、坂倉、古村による豪快なトリプルドラムと、光村の吠えるようなボーカルが観客を圧倒していく。そしてその勢いのまま「衝突」が始まるが、ここで光村のギターにトラブルが発生。しかしメンバーはその異変に気付きながらも、流れを止めることなく演奏を続行した。中でも古村は光村をサポートするように客席に降り観客を煽るなど、臨機応変のパフォーマンスを展開。ツアーで培ったバンドの結束力やタフさを証明してみせた。

ギミックに富んだアレンジが肝の新曲「チェインリアクション」からは、「手をたたけ」「THE BUNGY」「夏の大三角形」というキラーチューンが連続投下される。「手をたたけ」「THE BUNGY」では美しいハンドクラップやコール&レスポンスが響き、広い会場に一体感をもたらしていく。「夏の大三角形」が始まる前に光村は心境を吐露。「今回のツアーではいろんな曲を毎日とっかえひっかえやってて、僕らとしてはすごく楽しいツアーでした。久しぶりにやる曲は緊張するんですよ。でも今日の大阪のみんなの表情を見てたらうれしくなって」「今まで8年間一生懸命やってきたからこそ、欲が出てきて、みんなをもっといい顔させたいと思っちゃうんですよ。これからもっともっと一生懸命やって、あと8年経って自分が想像してるより素晴らしい景色が見られたらと思います。また大阪で会おうぜ」と観客に約束した。

その後、アンコールの1曲目として披露されたのは「夢1号」。暗い場内に光村のファルセットを効かせた歌声が響き、その声を中心に古村、坂倉、対馬の声が重なり、独特のムードが醸し出される。まだライブでは数えるほどしか披露されていない同曲だが、回を重ねるごとにコーラスも演奏も安定感を増し、楽曲の持つ幻想的な雰囲気がより強まっていた。

ここまでは演奏に集中していた4人だが、最後のMCで一気にくだけたムードに。坂倉は「終わっちゃいますね。いややね」とほんのり関西弁をにじませながら、3カ月にわたったツアーを回顧。古村はライブ直前に1人でカラオケに行きコーラスの練習をしたエピソードなどを「すごい」を連発しながら語り、メンバーに「さっきから『すごい』言い過ぎ!」とつっこまれる。対馬は長いツアーの苦労を明かしながら、「ライブやるたびに、人の力を感じて、それでがんばれてるんだなって思った」と吐露。そして光村は「来年は曲をバンバンバンバン乱射していきたいと思います。2012年は僕らのライブイヤーにお付き合いいただきありがとうございました!」と年末らしい言葉を口にした。

ラストナンバーとして届けられた「Broken Youth」でメンバーは広い会場を見渡し、奔放に楽器をかき鳴らす。「マジで最高に楽しかったです。ありがとう」とかすれた声で最後に叫んだ光村。その思いは、ほかのメンバーも観客も同じようで、それぞれの充足感にあふれた表情がツアーの成功を物語っていた。

なおNICO Touches the Wallsはこの後、年末フェス「COUNTDOWN JAPAN 12/13」を経て、大晦日に兵庫・神戸ワールド記念ホールで開催される「『Ready Set Go!!』Count Down Live2012→2013」に出演。ライブ三昧の2012年をライブで締めくくる。

NICO Touches the Walls「TOUR 2012 "ALGORHYTMIQUE"」
2012年12月20日(木)@大阪府 オリックス劇場 セットリスト

01. ビッグフット
02. バイシクル
03. 夕立マーチ
04. カルーセル
05. 恋をしよう
06. レオ
07. バニーガールとダニーボーイ
08. 風人
09. ほっとした
10. ページ1
11. ラッパと娘
12. 衝突
13. ホログラム
14. チェインリアクション
15. 手をたたけ
16. THE BUNGY
17. 夏の大三角形
<アンコール>
18. 夢1号
19. Broken Youth

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