サカナクションツアー千秋楽で宣誓「外に挑戦していく」

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6月19日に東京・Zepp Tokyoにて、サカナクションの全国ツアー「SAKANAQUARIUM 2012 ZEPP ALIVE」の最終公演が行われた。

ニンジャーライトとの共演でもオーディエンスを沸かせたサカナクション。(撮影:石阪大輔【Hatos】)

ニンジャーライトとの共演でもオーディエンスを沸かせたサカナクション。(撮影:石阪大輔【Hatos】)

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ラップトップを駆使しながらパフォーマンスを披露するサカナクション。(撮影:石阪大輔【Hatos】)

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山口一郎(撮影:石阪大輔【Hatos】)

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岩寺基晴(撮影:石阪大輔【Hatos】)

岩寺基晴(撮影:石阪大輔【Hatos】)

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草刈愛美(撮影:石阪大輔【Hatos】)

草刈愛美(撮影:石阪大輔【Hatos】)

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岡崎英美(撮影:石阪大輔【Hatos】)

岡崎英美(撮影:石阪大輔【Hatos】)

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江島啓一(撮影:石阪大輔【Hatos】)

江島啓一(撮影:石阪大輔【Hatos】)

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1年ぶりとなる今回の「ZEPP ALIVE」は、最新シングル「僕と花」を携えて行われ、6会場9公演で約2万人を動員する内容に。最終公演のZepp Tokyo公演には2700人のファンが参加。観客は進化するバンドサウンドと、新たな演出を導入したエンタテインメントショーを全身で堪能した。

ライブは、ステージを覆う白い幕に、ラップトップを前にしたメンバーのシルエットが映し出される演出からスタート。5人は強烈なビートときらびやかなサウンドで会場をクラブモードへと変えると、息つく間もなく「Klee」でバンドモードにチェンジ。このパートでは、草刈愛美(B)と江島啓一(Dr)のリズム隊の低音をより際立たせ、さらに岩寺基晴(G)と岡崎英美(Key)の奏でるフレーズをクリアに響かせることで、立体的なサウンドスケープを紡ぎだす。そのまま「アルクアラウンド」「セントレイ」とシングル曲を連投し、早くもフロアを最初のクライマックスへと導いていく。

会場の熱は序盤の3曲であっという間にピークに達するが、山口一郎(Vo, G)のアンニュイなボーカルがドープな雰囲気を作り出した「モノクロトウキョー」から徐々に変化。森を描いた影絵とオイルアートを融合させた映像をスクリーンに投影した「フクロウ」からステージが暗くなり始め、続く「壁」と「ネプトゥーヌス」の2曲では5人はほぼ暗転したままのステージで楽曲を奏でてみせた。暗い中で曲を演奏することで、音を聴くことに集中させたいという思いから実験的に展開されたこのコーナー。「壁」では山口の穏やかなボーカルが闇の中で静かに広がり、オーディエンスを深い世界へと誘っていた。

観客に新しい音楽の楽しみ方を提示したあとは、サカナクションの真骨頂とも言えるダンスナンバーの数々を、ニンジャーライトをはじめとするさまざまな種類の照明や刺激的なレーザー演出とともにノンストップで投下。音数を削りビートを強調した「『バッハの旋律を夜に聴いたせいです。』」でフロアを盛り上げた山口は、「みんな自由に踊って、最後まで楽しんでくれ!」と叫ぶ。観客もそれに応え気持ち良さそうに体を揺らし、ときにはパーカッションさながらの美しいハンドクラップでステージ上のメンバーとともにパフォーマンスを楽しむ。

特に後半戦で圧巻だったのは「僕と花」から「boku to hana remix」への流れ。山口にスポットが当たる中で、まずは「僕と花」がしっとりと披露される。桜色のライトがフロアとステージを彩り、柔らかな歌声とアンサンブルが広い会場を満たしていく。山口が歌い終えたところで、徐々にビートが強くなり、同時に大量のスモークがステージを覆い隠す。そしてスモークが薄れた瞬間、ステージにはライブのオープニングと同様にラップトップを前にしたメンバーの姿が。メロディを残しつつエッジの効いたリミックスを施したサウンドを紡ぐ5人のプレイに、フロアはレイブパーティを思わせる空間へと変貌。驚きにあふれた演出と大胆なリミックスに、どよめきと大きな拍手が起こった。

ここまで一切休憩もMCも挟まずノンストップでライブ進めてきた5人だが、終盤戦でその勢いは加速。バンドセットに素早く戻って披露した「ネイティブダンサー」を皮切りに、「アイデンティティ」「ルーキー」と続くライブアンセムでオーディエンスを大いに踊らせる。ピアノの調べから始まった「エンドレス」では、シンフォニックな音色とシンプルなリズムの上で、山口が感情を爆発させ叫ぶように歌う。そしてライブ本編は、山口の「サカナクションでした。ありがとうございました」という言葉で終了した。

ドラマチックな「Ame(B)」から突入したアンコールでは、フロントの3人が積極的に前に移動し、観客とのコミュニケーションを楽しむ。さらに「新曲聴きたい?」という山口の言葉から、2012年度のモード学園CMソングとしてオンエア中の「夜の踊り子」をプレゼント。既にCMで聴き込んでいるのか、オーディエンスはイントロから拳を突き上げ、曲の途中でoiコールを巻き起こすほど熱狂していた。

MCでは各メンバーがツアーを無事完走できた感慨を述べる。江島は「今回のツアーは全公演ソールドアウトしてて。でもこれって当たり前じゃないなって……」と言葉を詰まらせる。それを見た山口は「お前泣きそうになってんの?」と茶化しながら、「このZeppツアーで見えたんですよ。バンドを使ってもっと面白いことができるんじゃないかなって」と語り始める。「例えば真っ暗なステージで演奏していたら、違うアーティストになってるとかね(笑)」と冗談めかしながら、「これが当たり前だと思わない、でももっとできるようになりたい。テレビとかラジオって無作為に人に入ってくるじゃん、それをきっかけにたくさんの人に知ってもらえれば、できることが増えるし。どんどん外に挑戦していこうと思います。外に出ていくことで、変わるかもしれないけど、必ず意図があるから。戦略を立てて、音楽好きを増やそうと思います」と攻めの姿勢を崩さないことを宣言した。

その後、アンコールは「ナイトフィッシングイズグッド」で締めくくられたが、フロアの観客はその場でダブルアンコールを求める。オーディエンスの声に応えるべくステージに戻ってきたメンバーは、シンセサイザーの音色を強調した「三日月サンセット」をプレゼントし、6都市を回遊した「ZEPP ALIVE」を大団円に導いた。

サカナクション「SAKANAQUARIUM 2012 ZEPP ALIVE」
2012年6月19日@東京都 Zepp Tokyoセットリスト

01. Klee
02. アルクアラウンド
03. セントレイ
04. モノクロトウキョー
05. フクロウ
06. 壁
07. ネプトゥーヌス
08. 『バッハの旋律を夜に聴いたせいです。』
09. ホーリーダンス
10. インナーワールド
11. サンプル
12. 僕と花
13. boku to hana remix
14. ネイティブダンサー
15. アイデンティティ
16. ルーキー
17. エンドレス
<アンコール>
18. Ame(B)
19. ライトダンス
20. 夜の踊り子
21. ナイトフィッシングイズグッド
<ダブルアンコール>
22. 三日月サンセット

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