ももクロ、360度監視のパノラマ地獄を全力突破で天国に

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ももいろクローバーZが昨日4月22日、神奈川・横浜アリーナにて2DAYSライブ「ももクロ春の一大事2012 横浜アリーナまさかの2DAYS」の2日目公演「見渡せば大パノラマ地獄」を行った。

ユーモアとカッコよさが同居したももクロの新衣装。

ユーモアとカッコよさが同居したももクロの新衣装。

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「行くぜっ!怪盗少女」リリース時の衣装は新たに手を加えてバージョンアップされたが、玉井詩織(左から2番目)はこの2年で急速に身長が伸びたためサイズが小さく「肩が上がらない」とのこと。

「行くぜっ!怪盗少女」リリース時の衣装は新たに手を加えてバージョンアップされたが、玉井詩織(左から2番目)はこの2年で急速に身長が伸びたためサイズが小さく「肩が上がらない」とのこと。

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円形のセンターステージに立つももクロ。

円形のセンターステージに立つももクロ。

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「猛烈宇宙交響曲・第七楽章『無限の愛』」ではメンバーの手首から緑のレーザービームが飛び出した。

「猛烈宇宙交響曲・第七楽章『無限の愛』」ではメンバーの手首から緑のレーザービームが飛び出した。

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21日の初日公演「ももクロ☆オールスターズ 2012」では、松崎しげる、ザ・ワイルドワンズ、デューク・エイセス、在日ファンク、指原莉乃(AKB48)ほか多数のゲストを招き、コラボあり、初披露のソロ&ユニット曲ありのにぎやかなステージを展開したももクロ。一方、2日目は内容もステージ設計も大幅に変更し、メンバー5人のみの濃密なパフォーマンスが繰り広げられた。

2日目のステージ設計は「見渡せば大パノラマ地獄」の名のとおり、会場のド真ん中に設置された円形のメインステージと、そこから左右に伸びた長いキャットウォークという、360度どこからも見渡せる作り。ステージ背面という概念が失われた空間は、どの角度からもごまかしが効かない、メンバーにとっては大きなプレッシャーとなりうる設計となっている。

観客全員の視線が中央に注がれた異様な空間にまず最初に現れたのは、メンバーの5人ではなく、白い大きな旗を掲げた団体のパフォーマー。円形のステージをぐるりと囲む白旗にドクロ、龍、メンバーカラーの光線などの映像が映し出されるという意表をついた演出に、客席からはどよめきが起こる。パフォーマーの旗が一斉に降ろされると、その奥にはいつの間にかももクロの5人がスタンバイ。ライブは戦闘モード全開の「Chai Maxx」で幕を開けた。オープニング時の5人の衣装は、「マジンガーZ」の女性型ロボ・アフロダイA、ダイアナンAを想起させる胸が特徴的なデザイン。ヒジにはサポーター、左目にはスカウターを装着した、まさに戦闘用のコスチュームで登場し、ファンの度肝を抜いた。

続けて「DNA狂詩曲」「ピンキージョーンズ」を歌った後、MCでは玉井詩織が「いいかお前らー! 私たちは逃げも隠れもしないぞー! 360度? 上等だ! 私たちの覚悟をしっかりと受け止めろー!」と観客を煽る。有安杏果は「タイトルに『地獄』ってあるけど、みんながいればすでに天国なんで大丈夫。360度みんなに見守られてるって思えばがんばれるから、みんな応援してね!」とポジティブにとらえており、リーダー百田夏菜子も「今日は前からも後ろからも横からも上(天井のカメラ)からも観られていてホントに手を抜けないんですけど、こうなったら今日はもう、思う存分ももクロを観てけー!」と開き直ってこの状況をエンジョイする構えだ。5人は全方位からこだまする約1万4000人の大声援に笑顔で応えた。

冒頭から勢いのある楽曲を中心としたセットリストで、会場の熱気をどんどんヒートアップさせていく5人。振り付けはいつもの正面から見られることを意識したものから、特殊なステージ形状に合わせてほとんどの楽曲でアレンジが加えられている。また、「ワニとシャンプー」では恒例の扇子を使ったパフォーマンスのみならず、5人がステージの下から飛び出したり、天井から抜き打ち漢字テストの答案用紙がばら撒かれたりと大にぎわい。ステージ全体を日本列島に見立てて動き回る「ももクロのニッポン万歳!」では、横浜アリーナを真っ二つに分断するキャットウォークを存分に利用した、いつも以上に壮大な日本一周旅行が実現した。

ライブ終盤戦の「走れ!」では会場中央のセンター席とアリーナ席の間に、2台のゴンドラが登場。メンバーは二手に分かれてゴンドラに乗り込み、場内を移動しながらステージから遠い観客に笑顔を振りまいた。そして本編のラストナンバーに選ばれたのは、ももクロの代表曲と言える「行くぜっ!怪盗少女」。リーダー百田は大観衆が見守る横浜アリーナのど真ん中で、華麗なえびぞりジャンプを決めた。

アンコールのステージでは、彼女たちがイメージキャラクターを務めるロッテ「爽」のCMタイアップ曲「PUSH」が初披露された。この曲は6月27日に発売されるももクロのメジャー通算8枚目となるニューシングル(タイトル未定)に収録されるとのこと。また、シングルリリース直前の6月17日からは、ホール会場を中心とした全国ツアーが開催決定。百田が住む静岡のアクトシティ浜松大ホールや、リンクステーションホール青森、東京・NHKホールなど、彼女たちにとってワンマン初挑戦となる会場がほとんどで、さらに8月5日には埼玉・西武ドームを舞台にした初のスタジアムライブ「ももクロサマーダイブ2012」が行われる。メンバーにとってもモノノフたちにとっても、熱い夏となりそうだ。

アンコール2曲目の「スターダストセレナーデ」ではふたたびゴンドラが登場し、5人は場内を1周。そして最後は「コノウタ」「あの空へ向かって」の2曲を熱唱し、3時間を超えるステージを締めくくった。結局、スタッフが試練として与えた“地獄”をものともせず、最高のパフォーマンスを披露した5人は、一方的にサブタイトルを「見渡せば大パノラマ“天国”」に変更。メンバー最年少の佐々木彩夏は「今までいろいろ試練を与えられてきたけど、この5人なら絶対にどんな壁も乗り越えられる。私たちには心強い(ファンの)みんながいるし、心強いスタッフさんもいるし、もう怖いもんなしだなって思っちゃいました」とコメント。メンバーそれぞれ涙を浮かべながら感謝の思いを述べ、最後はリーダー百田が「皆さん、これからも私たちと一緒に『Z伝説』を作っていきましょう!」とファンに呼びかけた。メンバーがステージを去ろうとすると、客席からは「あの空へ向かって」のコール「世界のももクロナンバーワン!」がこだまする。2日間におよんだ“春の一大事”は、大きな感動に包まれ幕を下ろした。

ももいろクローバーZ ももクロ春の一大事2012~横浜アリーナまさかの2DAYS~
見渡せば大パノラマ地獄 セットリスト

OPENING FLAG SHOW
01. Chai Maxx
02. DNA狂詩曲
03. ピンキージョーンズ
04. CONTRADICTION
05. LOST CHILD
06. Z伝説~終わりなき革命~
07. キミノアト
08. 天手力男
09. BIONIC CHERRY
10. ワニとシャンプー
11. ココ☆ナツ
12. ミライボウル
13. Believe
14. 労働讃歌
15. ももクロのニッポン万歳!
16. オレンジノート
17. 猛烈宇宙交響曲・第七楽章「無限の愛」
18. 白い風
19. 走れ!
20. ツヨクツヨク
21. 行くぜっ!怪盗少女
<アンコール>
22. PUSH ※新曲
23. スターダストセレナーデ
24. コノウタ
25. あの空へ向かって

ももいろクローバーZ 全国ツアー(タイトル未定)

2012年6月17日(日)東京都 NHKホール
2012年6月23日(土)宮城県 Zepp Sendai
2012年6月24日(日)青森県 リンクステーションホール青森(青森市文化会館)
2012年6月29日(金)広島県 広島ALSOKホール
2012年6月30日(土)鳥取県 米子コンベンションセンター
2012年7月14日(土)兵庫県 神戸ワールド記念ホール
2012年7月16日(月・祝)愛知県 名古屋国際会議場センチュリーホール
2012年7月20日(金)福岡県 福岡サンパレス
2012年7月22日(日)静岡県 アクトシティ浜松 大ホール
2012年8月5日(日)埼玉県 西武ドーム「ももクロサマーダイブ2012」
※詳細は後日発表

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か こ ち ん 📮🐼 ´- @ 12/24 ももクリday2 🎄.* @pastmczsmknwluv

ずっとずっとずっっっっっっっっっと聴きたかったLOST CHILDをLOSTせずに回収しきりました、、、、、、、、、、、
YouTubeのむだんてんのりでたぶん大パノラマ地獄のLOST CHILDなんだけど貪り食うように観てた、、、

https://t.co/KyWORuDImd https://t.co/LsOIRfkvYK

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