「POP YOURS」が5年目にして進化、総勢120組を迎えて日本語ラップの現在と未来を提示

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オルタナティブなアーティストも多数出演

Peterparker69(Photo by Ray Otabe)

Peterparker69(Photo by Ray Otabe) [高画質で見る]

日本語ラップど真ん中ではないオルタナティブなアーティストも迎え続け、ヒップホップの多様性を示してきた「POP YOURS」。今回の初日は、JeterとY ohtrixpointneverによるポップユニットPeterparker69がトップバッターを務め、エレクトロサウンドで会場を温めた。2023年にはニューカマーとして出演していたことを振り返ったJeterは、このステージに立てる喜びを伝え、「新しい音楽をやってるアーティストが少しずつスポットを浴びれるようになったら面白いし、『POP YOURS』も俺らのこと信じてくれてありがとう」と感謝した。

ピーナッツくんのパフォーマンスの様子。(Photo by Jun Yokoyama)

ピーナッツくんのパフォーマンスの様子。(Photo by Jun Yokoyama) [高画質で見る]

3日目には、これで3回目の出演となるVtuberのピーナッツくんが登場。「笑われに来たんじゃなくてカマしに来ました」という宣言からハードな楽曲を繰り出しつつ、チャンチョ、コバルト田中、オレンジ博士という着ぐるみの愉快な仲間たちと踊って観客を楽しませた。

lilbesh ramko(Photo by Jun Yokoyama)

lilbesh ramko(Photo by Jun Yokoyama) [高画質で見る]

そんなピーナッツくんのカオティックなパフォーマンスに続いて登場したのは、昨年ニューカマーだったlilbesh ramko。VJのtsuchifumazuが独特な世界観を作り出す中、ramkoは破壊的なデジコアサウンドにセンチメンタルな歌を乗せた楽曲の数々で暴れ回り、15分で観客を圧倒し尽くしてみせた。

意外なサプライズゲストも続々

ラインナップされていない客演の登場もヒップホップのライブの醍醐味であり、今回の「POP YOURS」にも前述したTee ShyneReichiなど数多くのサプライズゲストが出演した。プロデューサーのKoshyのライブには、未来のスターとして、BABYWOODROSEが迎えられた。BABYWOODROSEは、昨年突如としてシーンに現れたラッパー。かつてない大舞台にもかかわらず、彼らしいラフなスタイルを崩さず、YouTubeチャンネル・03- Performanceで披露した「Koshy Freestyle」でその個性を見せつけた。

Lunv Loyal、YTG、Deechがそろい、Yvngboi Pのステージで披露された「Big Step」。(Photo by Taio Konishi)

Lunv Loyal、YTG、Deechがそろい、Yvngboi Pのステージで披露された「Big Step」。(Photo by Taio Konishi) [高画質で見る]

福岡のラッパーYvngboi Pのライブには地元の仲間であるDABやDNEに加えて、昨年クラブで最もプレイされたLunv Loyalのヒットソング「Big Step」の参加ラッパーが集結。Lunv Loyal、YTG、Deech、Yvngboi Pの全員がそろうのは、今回が初めてであり、大きな盛り上がりとなった。なおDeechは7の楽曲「峰不二子」の客演としても出演。7に「もう1人の峰不二子」と紹介されたこともあり、その意外性で話題を集めた。

STUTS Orchestra、Tohji、PUNPEEによる特別なライブ

STUTS Orchestraの出演者。(Photo by Daiki Miura)

STUTS Orchestraの出演者。(Photo by Daiki Miura) [高画質で見る]

各日の中盤にはSPECIAL LIVE / ACTとして、STUTS Orchestra、TohjiPUNPEEの3組が30分のパフォーマンスを披露。STUTS Orchestraは、トラックメイカー / プロデューサーのSTUTSがお馴染みのバンドメンバーに加えて、ストリングスやホーンを迎えたスペシャル編成だ。前述したSonsiを含め、KaneeetofubeatsKMCBIMKohjiya、亡き友・JJJといった仲間たちをフィーチャーした楽曲が次々に披露され、「Presence」ではオリジナルバージョンのボーカルを務める松たか子の代わりに、なんと中村佳穂が登場。自由奔放かつソウルフルな歌声で楽曲の新たな魅力を引き出した。

Tohji(Photo by Daiki Miura)

Tohji(Photo by Daiki Miura) [高画質で見る]

2024年のヘッドライナーであり、2026年をもって引退することを発表しているTohjiは2日目に登場。彼のファンは全出演アーティストの中で最も熱狂的と言ってよく、出番の20分前から広いフロアのあちこちでコールが巻き起こる。そこへ相棒のgummyboyとともに現れたTohjiは、自身の名を知らしめた「Higher」をはじめとしてMall Boyzのアッパーチューンを連発。さらに「Super Ocean Man」「GOKU VIBES」とバンガーを畳みかけ、同世代の仲間であるBIMとkZmとこれまでの軌跡を歌った「246」、Mall Boyzの新曲「MとBを」でフロアを沸かせ続けた。

PUNPEE(Photo by Yukitaka Amemiya)

PUNPEE(Photo by Yukitaka Amemiya) [高画質で見る]

初回である2022年のヘッドライナーを務めたPUNPEEのライブは、2052年を描いた映像でスタート。26年後には消費税が150%になり、生活はますます苦しくなる一方、「POP YOURS」は途切れることなく続き、30周年を迎えているという。映像後、自転車でステージに現れたPUNPEEは、「タイムマシーンにのって」「Renaissance」などの代表曲や最新曲に加えてフリースタイルを披露。「PUNPEE 40過ぎのB BOY B BOY / 歩きたいGUNSO WALKで1歩2歩 / 笑いたいSieroみたくニコニコ / Watsonみたく言いたいちんこちんこ」と若手ラッパーをネームドロップし、混迷する世界の中でも日本のヒップホップは希望に満ちたシーンであり続けてほしいという願いを言葉にした。

納得のヘッドライナーLANA、千葉雄喜、KEIJU

トリ前のセカンドヘッドライナーとしては、guca owlElle TeresaDaichi YamamotoKvi BabaNENE、Kohjiyaが出演。いずれもとてつもない人気で、来年以降この中からヘッドライナーを務めるアーティストが現れることを予感させた。このうちNENEのステージでは、Daichi Yamamoto、MIKADOとコラボしたオリジナル曲「違う」も披露された。そして今回こうした名だたるアーティストを抑え、ヘッドライナーとして納得のパフォーマンスを繰り広げたのがLANA千葉雄喜KEIJUの3組だ。

LANA(Photo by Masato Yokoyama)

LANA(Photo by Masato Yokoyama) [高画質で見る]

2023年から毎年出演しているLANAは、2024年にヘッドライナーを務めたLEXの妹。兄に負けず劣らず、カリスマ的な支持を得ており、日本武道館や横浜アリーナでの単独公演を成功させている。そんな彼女は自身の22歳の誕生日でもあった4月3日に登場。ステージに設置された物々しい門から現れたLANAは、「今では立ってるココ Makuhari」とイベントオリジナル曲「Makuhari」の一節を歌ってライブを始めると、ステージを一気に華やかに染め上げる。

LANA(Photo by Taio Konishi)

LANA(Photo by Taio Konishi) [高画質で見る]

彼女の大きな魅力は、こぶしを効かせたパワフルな歌声とチャーミングなキャラクター。MaRI、Vingo、¥ellow BucksAwichと数多くのゲストを迎えつつ、LANAはその唯一無二の個性で会場を沸かせてみせる。ライブ終盤に一旦退場した彼女は、自身と同じく同性から圧倒的な支持を集めるElle Teresaとハート形の羽を付けて再登場し、オリジナル曲「こんな日は」を披露。最後に「これが私の信じるヒップホップです」と胸を張り、「L7 Blues」を歌い上げた。

千葉雄喜(Photo by Daiki Miura)

千葉雄喜(Photo by Daiki Miura) [高画質で見る]

2024年に「チーム友達」でシーンにカムバックし、ミーガン・ジー・スタリオンやフェイドとコラボするなど世界的に活動している千葉雄喜は2日目の最後に出演。スクリーンに宇宙のような映像が広がる中、静かに現れた彼は「心臓」を皮切りにアンビエントアルバム「永遠」の楽曲を披露していく。その静謐な空気感は「POP YOURS」3日間の中で完全に異彩を放っており、これまで大騒ぎしていた観客たちをじっと聴き入らせた。「ありがとうございます」と感謝しながらライブを進めた千葉は、ボイスエフェクトを駆使した絶叫でフロアを圧倒。すると、ここでステージに変化が現れる。

「チーム友達」を披露する千葉雄喜。(Photo by Masato Yokoyama)

「チーム友達」を披露する千葉雄喜。(Photo by Masato Yokoyama) [高画質で見る]

バックにスタンバイしていた数十人のオーケストラが姿を見せ、千葉は打って変わってエネルギッシュなトラップチューンを連発。ホーンやストリングスのアレンジにより、楽曲は怪獣映画の劇伴のような重厚な迫力を増しており、千葉はそんな演奏の中でもハッキリと通る声量で観客を揺さぶった。千葉がきらびやかなチェーンを身に付けて歌った「重てえ」などを経て、最後はもちろんあの曲。大量の仲間たちをステージに上げた千葉は「チーム友達」ですさまじい一体感を幕張メッセに生み出した。

お札が降り注ぐKEIJUのライブの様子。(Photo by Ray Otabe)

お札が降り注ぐKEIJUのライブの様子。(Photo by Ray Otabe) [高画質で見る]

そして3日間のフェスを締めくくったのがKEIJU。ヒップホップクルーKANDYTOWN終演後、ソロでますます人気を高め、アリーナ公演を何度も開催しているトップスターだ。ハードボイルドな魅力を持つ彼のライブは、高速道路を走る車の映像で始まり、車が目的地に到着すると、その中からKEIJUが。そんな映像とシームレスにつながる形で、イヤモニを付けたKEIJUがステージに現れ、バンドセットのパフォーマンスがスタートした。1曲目の「Hold You Down」からフロアは大合唱の嵐で、その後もイントロが流れてくるたびにファンは大盛り上がり。スクリーンには「I KNOW WHY POP YOURS CHOOSE ME」という言葉が表示されたが、会場にいる誰もがKEIJUをヘッドライナーにふさわしい存在だと感じただろう。

KEIJU(Photo by Daiki Miura)

KEIJU(Photo by Daiki Miura) [高画質で見る]

爆炎やマネーレインの演出などもライブを華やかに彩る中、スクリーンにはふたたび車の映像が流れ、KANDYTOWNのHolly QとGottzの姿が映る。その匂わせでファンが興奮する中、KANDYTOWNの楽曲「You Came Back」で2人は本当にステージに登場。さらにIORyohuも現れ、会場は爆発的に沸き上がった。その後、Kvi Babaを迎えた「backseat」などを披露したのち、昨年のヘッドライナーである亡きJJJとの楽曲「Wind Rise」を歌ったKEIJUは、最後に「K2」をパフォーマンス。火花が飛び散るド派手な演出で祝祭感を生み出すと、余計な言葉を残すことなくクールにステージを去っていった。

「POP YOURS」のセットリストを再現したプレイリスト

この記事の画像・音声(全161件)

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音楽ナタリー @natalie_mu

【ライブレポート / 写真160枚】

「POP YOURS」が5年目にして進化
総勢120組を迎えて提示した
日本語ラップの現在と未来
https://t.co/qVp6a3OFSl

・最大の変化は新ステージTerminal 6
・Skippa、Kiannaら若手が大活躍
・中村佳穂ら驚きのゲストも
・トリはLANA、千葉雄喜、KEIJU

#popyours https://t.co/dXm4ZJDUrB

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