ホリプロとエイベックスが共催する男性ボーカルオーディション「第47回ホリプロタレントスカウトキャラバン『Horipro Vocal Scout Caravan』」の決選大会が本日12月22日に開催され、厳正な審査を経てデビューメンバー5名が決定。ユニット名が「unløck(アンロック)」となること、2026年4月1日に、レーベル「+WHAX(プラスワックス)」よりメジャーデビューすることも併せて発表された。
最終候補者10名が渾身のパフォーマンスを披露
「さあ、ぜんぶ、声に変えよう」のコンセプトを掲げて行われた本選考は、「ホリプロタレントスカウトキャラバン」史上初となる男性ボーカルユニット結成を目的としたオーディション。クリエイティブサポーターとして
5月に開始された募集には4224名の応募が集まり、7月から約5カ月にわたって書類選考、地方予選、ビデオ審査、3度の合宿審査を実施。これらの審査に視聴者投票を加味して選出された、10名のファイナリストが本日の最終審査に臨んだ。
審査内容は、5人ずつ2チームに分かれての課題曲3曲のパフォーマンス。楽曲ごとにメンバーを入れ替え、歌唱およびyurinasiaが振り付けたダンスの審査、歌唱のみの審査、チームごとに考案したパフォーマンスによる審査が行われた。フロアには審査員陣のほか、これまでのオーディションで惜しくも落選した候補者たちの姿も。最終審査に臨む10名に笑顔で手を振り、エールを贈った。
審査ではいずれの候補者も熱のこもった渾身のパフォーマンスを披露し、見守る審査員たちは一様に「過去の審査とは見違えるよう」と目を丸くする。メイナード(MONKEY MAJIK)に至っては「審査員は大変だと思います」「僕、選べないです」と複雑な心境を口にするほど。3曲×2チームの合計6パフォーマンスがつつがなく、しかし熱っぽく行われたのち、休憩を兼ねた審査タイムへと突入した。
5人グループ・unløck誕生の瞬間
しばらくして審査が終了すると、いよいよ結果発表の段へ。ステージ上に再び10人がずらりと並び、発表を行う松永吉晴実行委員長も舞台端にスタンバイ。松永氏は「10人の実力の差はない。我々が抱く『こういうグループを作りたい』というコンセプトに合うメンバーは誰か、という基準だけで選びました」と、難しい選択であったことを強調した。そしてデビューする人数が5名になることがまず明かされ、続いて選ばれたメンバーの名前が1人ずつドラムロールとともに読み上げられる。名前を呼ばれたのは、岩坪優真、kiichi、髙橋理央、小林真央哉、黒澤洵太の5名。会場は盛大な祝福の拍手で包まれ、5人はうやうやしく深々と頭を下げた。
kiichiが「音楽をやめずにがんばってきてよかった。でも、ここがゴールじゃないことはみんなわかっている」と気を引き締めれば、髙橋は「日本中の老若男女、全世代の人に知ってもらえるアーティストになれるように」と意欲を燃やす。岩坪は「僕を成長させてくれたのは30人のメンバー(候補者)だった。その人たちの思いも背負って、高みを目指していけるように自分に厳しくやっていく」と落選者たちへ思いを馳せ、黒澤は「コツコツと積み重ねていって、音楽の力を100%届けられるようなアーティストになっていきたい」との意向を表明。そんな中、最年少の小林は号泣のあまり言葉に詰まりながらも「いなくなったメンバーの分までがんばらなきゃ絶対にダメだし、このメンバーで日本を、そして世界を獲りに行けるように」との壮大な野望をなんとか絞り出した。
unløckというグループ名に込められた意味
また冒頭で触れたとおり、彼らのユニット名が「unløck」となることも発表された。松永氏によると、「ø(ハーフディミニッシュ)というコードのように、不安定ながらも何かを予感させ、さまざまな方向への変化・成長の可能性を秘めた彼らが、歌・声で聴く人と自分たち自身をアンロック(解放)していくボーカルユニット」との意味が込められているという。ハーフディミニッシュとはm7-5(マイナーセブンスフラットフィフス)コードの俗称で、コード譜などにおいて「Aø」のように表記される慣例がある。マイナーセブンスの柔らかな響きとディミニッシュ(減和音)の不穏な響きの中間的な特性を備え、とくにドミナント(属和音)への進行を強く予感させる使われ方が多い和音だ。
このユニット名については、「始まりの曲である『キセキ』の歌詞にもあるワードだし、このグループにふさわしい」「カッコいい名前でうれしい」などと喜びの声を上げる5人。また、デビュー日が来年4月1日になることもアナウンスされ、黒澤は「桜を見ながらじゃないですけど、新しい雰囲気を感じながら、とてつもない嵐を巻き起こせるように。4月1日からは、もっと進化したunløckの5人でカマせたらなと思います」と熱弁した。
続いて、1週間後の12月29日に東京・タワーレコード渋谷店5Fにて初のファンミーティングを開催すること、さらに1月6日深夜に初の冠番組「unløckのオールナイトニッポンX」がニッポン放送でオンエアされることも明かされ、感情と情報の整理が追いつかない様子のメンバーたち。髙橋は「YouTube撮影のときに『ラジオとかは口が達者になったらやる』とか言ってたのに、こんなすぐ決まると思わなかったから……すぐに達者にならないと(笑)」との方針を明らかにした。
1曲目から「爆発してんな」と思われたい
結果発表イベントを終えた5人は、メディア向けの囲み取材に対応。デビューが決まった率直な心境や将来的な展望などを晴れやかな表情で語った。喜びを伝えたい相手を問われると、岩坪は「福岡で応援してくれているおばあちゃん」と即答。kiichiも「中学1年生の時期からずっと僕のことを1人で支えてくれて、音楽のために高校を辞めると決断したときも背中を押してくれたお母さんに1番に伝えたい」と家族愛をにじませる。小林も両親を挙げつつ、「下校中にスカウトされたことがきっかけでこの場に立てているので、スカウトしてくれた人にも恩返ししたい」と顔をほころばせた。
パフォーマンス審査でヒューマンビートボックスを披露した黒澤や、低音ラップで印象を残した髙橋の話題から、音楽面における各自の役割についても言及される。kiichiが「理央(髙橋)が低音なら、自分は鋭く力強い高音かな」と自信をのぞかせれば、岩坪は「二刀流じゃないですけど、歌とラップの違いを見せられるアーティストでありたい」と宣言。小林は「自分は無限大の可能性があると未歩先生(ボイストレーナーの京田未歩)が言ってくださって。今の段階では未熟なんですけど、これからもっと磨きをかけることができれば、すごいアーティストになれると思ってます」とまっすぐに言い放った。
最後に改めてメジャーデビューへの意気込みを問われると、黒澤が「最初なので、数字とかではなくいい音楽をまずは届けたい。『すごいアーティストが出てきたな』と思わせられるように」と真剣なまなざしを向け、岩坪も「自分も同じ考え」だと同調。「助走はいらないと思っているので、1曲目から『爆発してんな』と思われたい」と声に力を込めた。
unløckメンバー プロフィール
髙橋理央(タカハシ リオ)
北海道出身。2008年2月21日生まれ。17歳(高校3年生)。
kiichi(キイチ)
福岡県出身。2004年9月4日生まれ。21歳。
小林真央哉(コバヤシ マオヤ)
愛知県出身。2010年5月26日生まれ。15歳(中学3年生)。
岩坪優真(イワツボ ユウマ)
福岡県出身。2002年7月3日生まれ。23歳。
黒澤洵太(クロサワ シュンタ)
宮城県出身。2008年6月22日生まれ。17歳(高校2年生)。
Eugene IRADUKUNDA @EugeneIradukund
@natalie_mu 男性ボーカルユニット「unløck」誕生、メジャーデビューが楽しみ!