昨年9月にオリジナルアルバム「MANSTER」「MANTRAL」、今年3月に再録アルバム「BLUE」をリリースしたGalileo Galilei。多作でありながらワンマンライブの機会はあまり多くなかった彼らが、“3兄弟”であるその3作品の世界観を表現したのが「TRITRAL TOUR」だ。このツアーでは、アルバムのリリースツアー「Tour M」や、「BLUE」と紐付いたワンマン「あおにもどる」では披露しなかった楽曲も演奏し、ファンを喜ばせた。また長年サポートを務めてきたDAIKI(G / BBHF)が10月11日に正式加入してから初のツアーに。本稿ではチケット完売となった11月26日の東京・Zepp DiverCity(TOKYO)公演の模様をレポートする。
バンドの両翼を担うツインギター・岩井郁人&DAIKI
“TRITRAL”を象徴する三角形のネオンサインが輝くステージに、Galileo Galileiとサポートメンバーの大久保淳也(Sax)が登場。そして電子音と尾崎雄貴(Vo, G)の優しい歌声が心地よい「5」を皮切りに、まずは「MANTRAL」の収録曲を畳みかけた。DAIKIはステージの下手に立ち、逆サイドの岩井郁人(G)とともにバンドの両翼を担う。これまでもGalileo Galileiのライブにおいて重要な役割を果たしてきた彼だが、一層存在感を放つギタープレイでサウンドを彩った。
岡崎真輝(B)が長回しのイントロで喝采を浴びた「季節の魔物」、駆け出すようなギターフレーズの「四ツ葉さがしの旅人」、野球場のようなアナウンスがユニークな「MATTO LIFE」が次々に演奏され、バンドのグルーヴが高まったところで、最近のライブで起爆剤となっている「SPIN!」がスタート。開演から控えめに揺れていた“すずめちゃんペンライト”がフロアと雄貴の手元で一斉に灯り、観客もメンバーも一体となり飛び跳ねた。
その後も雄貴の透明感のある歌声を軸に置きつつ、大久保によるサックスやフルート、シンセサイザーや同期も駆使してカラフルな音楽性を表現していくGalileo Galilei。尾崎和樹(Dr)が刻むタイトなビートとシンセベースが絡み合った「ロリポップ」では、ポップな中に毒気を孕んだ世界観が観客を魅了した。アコースティックギターやシンセを演奏していた雄貴がエレキギターを手にしてからはロックナンバーが連続。「ヴァルハラ」では荒々しいボーカルとハードなバンドサウンドが渾然一体となり観客を圧倒する。そのクライマックスで岩井とDAIKIが競り合うかのように轟音のギターを響かせ、喝采を巻き起こした。
歌い出すくじらが五匹
“秘密結社”を発足したことを「Tour M」で発表していたGalileo Galileiは、ここで新メンバーであるDAIKIを迎え入れる儀式を執行。ユニフォームである白いパーカーを4人の共同作業でDAIKIに着せる、ほほえましい光景に大きな拍手が送られた。そして彼らは秘密結社の“社歌”である「やさしいせかい.com」をにぎやかに演奏。続く「4匹のくじら」では、雄貴が「歌い出すくじらが四匹」という歌詞を「歌い出すくじらが五匹」と歌い変え、DAIKIの加入を小粋に祝福してみせた。
ライブ終盤、「岩井くんに向けて作った曲だけど、今日はDAIKIくんのために歌います」と雄貴が宣言し、彼のほうを向いて歌い始めたのは「ギターバッグ」。まずはただ座ってじっと聴いていたDAIKIが、やがて立ち上がり、徐々にスケール感が増していくサウンドへ自身のギターを重ねる姿がファンの心に深く刻まれた。そして「BLUE」より「あおにもどる」でライブはフィナーレへ。原点回帰の心で作ったというこの曲が、形を変えながら歩んできたGalileo Galileiの最新の音で奏でられ、会場が深い感動に包まれた。
Galileo Galileiはまた面白く変わっていく
「アマデウス」「とりあえず今は」といった今年のシングルが披露されたアンコールでは、雄貴が「TRITRAL TOUR」に対する思いを語る。「最強になった5人のGalileo Galileiを見せられて感無量です」「去年から頭がパンパンになるほど作曲漬けで。みんなの前でライブしたい!と思っていたので、マジで会いたかったです」と率直な心境を打ち明けた。10年以上前からサポートギターを務めてきたDAIKIは「正式加入しても変わらないと思っていたけど、メンバーだと実感してきて、こうしてお客さんに祝福してもらって、本当に幸せだと改めて思いました。ありがとう」と感謝を口にした。自分のほかにリードギターが加入したことに対し、岩井はプレッシャーを感じるとともにいい刺激を受けていると語る。さらに岡崎が「最強の俺たちで突き進んでいきますので、これからもよろしくお願いします!」、和樹が「DAIKIくんが加入した特別なツアーです。皆さまも思い出に刻んで一緒に生きていきましょう!」と呼びかけた。
「5人になったことでGalileo Galileiはまた面白く変わっていくと思います。追い風を感じるんです。売れるっていう意味じゃなくてごめんだけど、俺らそんな感じなので、よろしくお願いします」。そんな雄貴の言葉を経て、Galileo Galileiはシューゲイザー的なサウンドの「星を落とす」で轟音を会場いっぱいに響かせ、大喝采の中でメモリアルなライブに幕を下ろした。
なお、アンコールでは雄貴の口から新たなツアー「NAKED HERO」の開催が発表された。チケットの先行抽選予約はオフィシャルファンクラブにて12月14日まで受け付けている。一般チケット発売情報は後日発表。
Galileo Galilei "TRITRAL TOUR"
セットリスト
「Galileo Galilei "TRITRAL TOUR"」2025年11月26日 Zepp DiverCity(TOKYO)
01. 5
02. UFO
03. リトライ
04. 季節の魔物
05. 四ツ葉さがしの旅人
06. MATTO LIFE
07. SPIN!
08. あそぼ
09. チャウダー
10. BABY I LOVE YOU
11. ロリポップ
12. クライマー
13. ブルペン
14. ヴァルハラ
15. やさしいせかい.com
16. 4匹のくじら
17. ナンバー
18. タタラ
19. ギターバッグ
20. あおにもどる
<アンコール>
21. アマデウス
22. とりあえず今は
23. 星を落とす
Galileo Galilei Tour 2026 "NAKED HERO"
2026年5月10日(日)北海道 cube garden
2026年5月14日(木)大阪府 BIGCAT
2026年5月17日(日)神奈川県 KT Zepp Yokohama
2026年5月19日(火)福岡県 DRUM Be-1
2026年5月21日(木)広島県 LIVE VANQUISH
2026年5月23日(土)愛知県 名古屋CLUB QUATTRO
2026年5月26日(火)宮城県 darwin
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