清 竜人TOWNの調和なき一体感、混沌パンクバンドの8年ぶり集会

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清竜人のバンドプロジェクト・清 竜人TOWNによる8年ぶりのライブ「清 竜人TOWN 令和七年集会」が、6月30日に神奈川・CLUB CITTA'で開催された。

清竜人とは?

1989年生まれ、大阪府出身のシンガーソングライター。15歳でギターを手にし、作曲を始める。16歳のときには早くも自主制作盤を発表し、そのクオリティの高さが音楽関係者の間で話題となった。映画「僕の彼女はサイボーグ」への挿入歌提供を経て、2009年3月にシングル「Morning Sun」でメジャーデビュー。その後もシングル、アルバムを精力的にリリースし、2014年9月から2017年6月にかけては“一夫多妻制”アイドルユニット・清 竜人25として活動。およそ3年におよぶプロジェクトで6枚のシングルと2枚のアルバム、合計31曲のオリジナルソングを作り上げた。清 竜人25と並行し、2016年12月に立ち上げたプロジェクト・TOWNでは「演者と観客との境界線を取り払う」というコンセプトのもと、公募によるメンバーや観客を巻き込んでのライブを敢行し、合計12回のライブをもって2017年7月に解散。同年12月にピアノ弾き語りツアー「KIYOSHI RYUJIN SOLO TOUR」でソロ活動を再開した。2019年5月、新元号「令和」が施行される1日にニューアルバム「REIWA」をリリース。2021年3月にソニー・ミュージックレーベルズへ移籍し、11月にテレビ東京系ドラマ「スナック キズツキ」のオープニングテーマ「コンサートホール」を配信リリースした。2022年11月に通算8枚目となるオリジナルアルバム「FEMALE」を発表。2023年6月、テレビアニメ「山田くんとLv999の恋をする」のエンディングテーマを収めたシングル「トリック・アート」をリリースした。

「清 竜人TOWN 令和七年集会」の様子。

「清 竜人TOWN 令和七年集会」の様子。

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清 竜人TOWNの赤半被を羽織った清竜人。

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左からSANO、原昌和、小松正宏。

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清 竜人TOWNは観客をも演者として巻き込み、1つのバンドとして音楽を作り上げるプロジェクト。2016年12月から翌年7月までの短期的な活動だったが、このたび8年ぶりに一夜限りのライブが行われることとなった。清が36歳の誕生日を迎えた5月27日、突然のライブ告知とともにバンドメンバーの募集がスタート。6月4日には、SANO(G / COKEHEAD HIPSTERS)、原昌和(B / the band apart)、小松正宏(Dr / bloodthirsty butchers)がレコーディングに参加した新曲「嘔吐く!!!」が配信リリースされた。このレコーディングメンバー3名は当日のライブにも参加。清をデビューに導いたマネージャー中村氏をはじめ、レーベルスタッフや2017年当時のディレクター、当日のPAといった各種関係者も演奏に加わり、音楽ナタリー編集部もバンドメンバーとして現場に潜入した。

舞台裏で気合いを入れる清 竜人TOWN。

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清 竜人TOWN

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複数台のドラムセットとギター、ベース、シンセサイザー、ユーフォニアムが円形に置かれたフロア。さらにその周りをボーカルやダンサー、暗黒舞踏その他のパフォーマーが囲む。リハーサルの段階からおびただしい数のメンバーが集い、場内は混沌としながらも謎の祝祭感に満ちていた。観客は楽器群をさらに囲むように集まり、フロアから1段上がった通常のステージも客席として開放された。19時55分、大勢のバンドメンバーがそれぞれ楽器の前にスタンバイ。異様な熱気の中、赤い半被に鉢巻姿の清が現れ、その渦の中心へと歩み寄る。そして清が「TOWN!!」と雄叫び一閃。バンドメンバーが一斉に轟音を鳴らし、熱く短い祭りの幕を開けた。

清竜人

清竜人[拡大]

清 竜人TOWN

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TOWNのレパートリーはアルバム「TOWN」の12曲に新曲「嘔吐く!!!」を加えた13曲のみで合計わずか30分ほど。セットリストは事前に公開されており、ノイズまみれの「TOWN」に始まり「嘔吐く!!!」「それでいい!それがいい!」「俺の街まで来いよ!」と演奏はどんどん進んでいく。楽器奏者のほとんどにはモニタもなく、自分の出音も聞こえない状態だがお構いなし。調和などとれたものではないが、演奏するメンバーも観客も、清 竜人TOWNという奇怪な集団が生み出すパンクスピリッツにより不思議なほどの一体感に包まれていた。

フロアを練り歩く清竜人。

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清 竜人TOWN

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清竜人流の青春パンク「青春」では完全にバンドと観客の垣根が取り払われ、場内一斉にシンガロング。「I Don't Know! I Don't Care!」では清が中央の高台から飛び出してフロアを練り歩く。清は「楽しいなあ」と満足げな笑顔で自由闊達に歌い、踊り、暴れ、転がり、存分に暴れ回った。全13曲の演奏は瞬く間に過ぎ、清が登場してからわずか36分でライブは終了。ほどなくアンコールの声が上がり、再度登場した清は「もう曲ないぞ!」とぼやきながらも「最後にもう1回だけ、嘔吐いて終わるぞ!」とバンドメンバーに呼びかける。TOWNは再び「嘔吐く!!!」を演奏し、CLUB CITTA'に轟音を響かせた。

TOWN(初回限定盤)

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セットリスト

「清 竜人TOWN 令和七年集会」2025年6月30日 CLUB CITTA'

清 竜人TOWN

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清竜人

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01. TOWN
02. 嘔吐く!!!
03. それでいい!それがいい!
04. 俺の街まで来いよ!
05. やりたくないぜ!
06. 青春
07. I Don't Know!I Don't Care!
08. 縮んでどこにもありゃしない!
09. 糞小便の歌
10. おい!ハゲ!ボケ!カス!
11. 大丈夫!大丈夫さ!
12. ケツの穴ちっちゃいね!
13. ほどほどに生きましょう!
<アンコール>
14. 嘔吐く!!!

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はせぴょん @pyonkichi_hase

ほんとにさいこーすぎた https://t.co/G4RIKGUcKx

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