Sakurashimeji、初のビルボードツアーで歌った11年分の感謝「“つながり”があの頃を肯定してくれる」

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Sakurashimejiのビルボードツアー「Sakurashimeji Classics Premium Live “Shimetan” at Billboard Live」の最終公演が、昨日6月19日に神奈川・Billboard Live YOKOHAMAで実施された。

Sakurashimeji(撮影:鈴木友莉)

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初のビルボードツアー

田中雅功(撮影:鈴木友莉)

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Sakurashimejiにとって初のビルボードツアー「Sakurashimeji Classics Premium Live “Shimetan” at Billboard Live」は、結成記念日のタイミングで毎年行われている恒例ライブ「しめたん」の特別企画として行われた。昨年迎えた結成10周年を機に実施されている初期楽曲のリテイク企画「Sakurashimeji Classics」の楽曲群が、ストリングスも交えた特別編成で披露されたこのツアー。Billboard Live OSAKA、Billboard Live YOKOHAMAを舞台に行われた全6ステージのうち、この記事では最終日の2ndセットの様子をレポートする。

高田彪我(撮影:鈴木友莉)

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ドレスコードとしてアナウンスされていた“赤”のファッションに身を包んだきのこりあん(Sakurashimejiファンの呼称)たちの活気ににぎわうビルボード。ドアが開いてからの1時間は、食事や本公演限定のオリジナルカクテル「11 CherryBerry」を味わい会話を楽しむ観客たちの姿が、いつものライブとは異なる空気感を形成していた。そんな中で照明がゆっくりと暗転すると、田中雅功と高田彪我は客席通路を進み、ステージに上がる。スーツスタイルに前髪を上げたヘアセットでドレスアップした2人は、「靴底メモリー」をオープニングナンバーとして届けた。カホンが刻む軽やかなリズムを背に、アコースティックギターを奏でながら笑顔をこぼす雅功と彪我。2人が放つ清涼感たっぷりのユニゾンは、一瞬にして会場に華やいだムードをもたらす。

11年分の感謝を歌で

Sakurashimeji(撮影:鈴木友莉)

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夏の始まりの季節にぴったりな「ふうせんはなび」では彪我がピュアな歌声で甘酸っぱい恋心を歌い上げる。福岡たかし(Per)による彩り豊かなパーカッションの音色が楽曲の新たな表情を引き出した「かぜだより」では、雅功の深みのあるボーカル、巧みなコーラスワークがオーディエンスの耳を奪った。そのバンドアンサンブルの仕上がりに、これまでのツアーの充実ぶりが伺えた序盤。3曲を終えると2人は自己紹介をし、6月14日に結成11周年を迎えたことをファンに伝えた雅功は「皆さんにお祝いしてもらいつつ、11年分の感謝を歌として届けたいなと思います」と約束した。

Sakurashimeji(撮影:鈴木友莉)

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リリースされたばかりのEP「Sakurashimeji Classics vol.2」から贈られた「朝が来る前に」では、スポットライトに照らされた雅功が頭サビをアカペラで歌い上げる。スタンドマイクからあえて体を離し声を張り上げる彼の歌声がスピーカーを介さずともダイレクトに聴衆に響く、ライブレストランならではの贅沢な距離感を生かしたパフォーマンス。1つひとつのフレーズに魂を込める2人の歌声に、きのこりあんも真剣に耳を傾けた。続く「きのうのゆめ」の冒頭では、神佐澄人(Piano)の柔らかなピアノ伴奏に乗せて雅功が「夢」をテーマに言葉を紡ぎ「僕は今も夢を見ています。この場所であなたと。あなたとしかできない音楽を歌っている。そんな夢を、今この瞬間も見ています」とまっすぐに口にする。そのまま「まよなかぴくにっく」へと展開すると、満点の星空を想起させる光に照らされた雅功と彪我が優しいタッチの声色でハーモニーを作り出し、聴き手をドリーミーな世界へと誘った。

人とのつながりがあるから

Sakurashimeji(撮影:鈴木友莉)

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優しい夜の情景を描き出したセクションを終え、2度目のMCタイムをリードしたのは彪我。食事を楽しみながらライブを鑑賞するきのこりあんたちのテーブルを見渡しつつ、彼は「食事もおいしく、そして音楽も楽しんでいただけたらと思います」と語りかけた。そして、続く「ゆめがさめたら」からは雨宮麻未子(Violin)と関口将史(Cello)を加えた6人編成で楽曲を披露していったSakurashimeji。「ただ君が」は雅功がボーカル、彪我がギターボーカルを務める形で届けられ、壮大なアンサブルに身を委ねた雅功は、力強く雄弁な歌声を響かせてオーディエンスの心をドラマチックに震わせた。

Sakurashimeji(撮影:鈴木友莉)

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6人の軽やかな演奏にきのこりあんが自然と拍手を重ねた「simple」が届けられるとライブも佳境。ここでマイクを握った雅功は、自分たちの11年の歩みを振り返りつつ、今の心境をきのこりあんに吐露した。「あのとき、こうすればよかった」という後悔をずっと繰り返してきたと語った彼は「でも11年やってると『あのときはあれでよかったんだ』って、本当に心から思います」と、11周年を迎えたSakurashimejiが行き着いた境地を明かす。そして「きっとそれは、ずっと2人で歌ってきたから。こうしてライブに来てくれる人がいるから。支えてくれる人がいるから。人とのつながりがあの頃を肯定してくれるんだと、心から思います」と、Sakurashimejiを取り巻く人々への感謝を表明。「キツいこともあるけど、歌で乗り越えていきたいと思います。おんなじ目線で、これからもがんばっていきましょう」と、きのこりあんとの絆を確かめるように語りかけた。

これからも、たくさん

田中雅功(撮影:鈴木友莉)

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そんな雅功の言葉を経て2人がプレイしたのは、3rdシングルの表題曲である「はじまるきせつ」。2015年の雅功と彪我があどけない歌声で弾き語っていたピュアなラブソングには2人の9年分の経験が乗り、そのギターの音色と歌声はより色鮮やかな広がりとなって聴衆の心を弾ませる。「ひだりむね」で彪我が見せた歌心あふれるギターソロと楽しそうな笑顔にも、ストイックにギターと向き合ってきた彼のひたむきな音楽愛が垣間見え、客席は優しい高揚感で満たされていった。

高田彪我(撮影:鈴木友莉)

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「次で最後の曲です!」。そう雅功が告げたのは「あやまリズム」。マイクスタンドを取り去った雅功はステージの端から端までを行き来し、客席全体を演奏に巻き込んでいく。朗らかなカントリー調のアレンジが施されたこの曲で晴れやかな歌声を重ね、楽しそうに目と目を合わせる雅功と彪我。この瞬間を楽しみ尽くすような彼らの姿に、きのこりあんも軽やかなクラップで呼応し、最後には「ごめーん!」という息ぴったりのかけ声が会場に響いた。大きな一体感の中で全12曲のパフォーマンスを終え、彪我は「本当に幸せな11年を迎えられたと思っています。積み重ねといいますか、本当に皆さんのおかげです、ありがとうございます!」とあふれる思いそのままに挨拶。そして雅功は「これからも、たくさん曲を作って、たくさん歌っていきますので、今後ともよろしくお願いします!」と未来を見据え、ライブの幕を下ろした。

セットリスト

「Sakurashimeji Classics Premium Live “Shimetan” at Billboard Live」2025年6月19日 Billboard Live YOKOHAMA

01. 靴底メモリー
02. ふうせんはなび
03. かぜだより
04. 朝が来る前に
05. きのうのゆめ
06. まよなかぴくにっく
07. ゆめがさめたら
08. ただ君が
09. simple
10. はじまるきせつ
11. ひだりむね
12. あやまリズム
※高田彪我の高は、はしごだかが正式表記。

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^_^♡ @rikutamakawaii

神セトリで行けば良かったかもしれない https://t.co/BxSxlUevng

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