.ENDRECHERI./堂本剛、懐かしのナンバー&提供曲を“REBORN”して届けた温故知新のツアー

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堂本剛のクリエイティブプロジェクト.ENDRECHERI.の全国ツアー「REBORN」が昨日6月8日に東京・東京国際フォーラム ホールAにてフィナーレを迎えた。

.ENDRECHERI.(撮影:冨田味我)

.ENDRECHERI.(撮影:冨田味我)

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今年の2月にリリースされたミニアルバム「END RE」を携えて、46歳の誕生日を迎えた直後の4月12日より全国各地のホール会場を巡っていた堂本。約2カ月にわたるツアー中にはセットリストをアップデートしたり、MCの内容を変えるなど、毎回一期一会のライブを行うことを通して“最旬の.ENDRECHERI.”を届けてきた。この記事ではツアーのセミファイナルとなった6月7日の東京国際フォーラム ホールA公演の模様とともに堂本のコメントを紹介する。

何度も何度も生まれ変わって

.ENDRECHERI.「REBORN」東京・東京国際フォーラム ホールA公演の様子。(撮影:冨田味我)

.ENDRECHERI.「REBORN」東京・東京国際フォーラム ホールA公演の様子。(撮影:冨田味我)[拡大]

定刻を迎え暗闇に包まれたステージに、バンドメンバーたちが姿を見せると、オーディエンスの温かな拍手がホールにこだまする。この日のライブの口火を切ったのは、竹内朋康(G)の弾く鮮烈なギター。その音色に導かれるように姿を見せた堂本は、自らもギターを抱えると「Higher」と繰り返す「Chance Comes Knocking.」でまずは会場のテンションをグッと引き上げる。ラストフレーズが鳴り響くと、ステージにはツアータイトルの「REBORN」が堂々と浮かび上がり、ゴールドを基調としたセットアップに身を包んだ堂本の姿が観客の目に映し出された。

.ENDRECHERI.(撮影:冨田味我)

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ギターバトルを繰り広げる竹内朋康(G)と.ENDRECHERI.。(撮影:冨田味我)

ギターバトルを繰り広げる竹内朋康(G)と.ENDRECHERI.。(撮影:冨田味我)[拡大]

「人生は一度きりですが、人は何度でも生まれ変わることができます。このライブで何度も何度も生まれ変わってください」。ツアーのテーマである「REBORN」について言葉にした堂本は、コーラスの悠歩とChicaが織りなす絶妙なハーモニーに目を細め、「Let's Get FUNKASY!!!」を皮切りに、1960年代から80年代にかけてのファンクミュージックのエッセンスを盛り込んだブロックへつなげる。竹内とのギターセッションを繰り広げる「White DRAGON」、いけだゆうた(Key / BREIMEN)によるきらびやかなシンセサウンドが印象的な「愛 get 暴動 世界!!!」、タイトル通りカラフルで壮大なサウンドスケープが広がる「The Rainbow Star」と、堂本が20代の頃に世に放ってきたナンバーが、楽曲の世界観を具現化した映像演出や円熟したバンドサウンドとともに奏でられる。「REBORN」というツアーのテーマに沿って、過去の楽曲に新たな息吹を吹き込み、生き生きと届ける堂本の姿をオーディエンスは愛おしそうに見つめた。温故知新ともいえるブロックに続いたのは、「ENDRECHERI_Brother」「Dr. Ancient Funkish」「REborn」という最新作「END RE」からのナンバーで構成したセクション。堂本は20年近く前に作った楽曲と最新の.ENDRECHERI.のナンバーを自然に共存させることで、.ENDRECHERI.の音楽に宿る普遍のメッセージを歌、ラップ、ギタープレイなどを通して表現していく。

セルフカバーで見せた多彩な“愛”

.ENDRECHERI.「REBORN」東京・東京国際フォーラム ホールA公演の様子。(撮影:冨田味我)

.ENDRECHERI.「REBORN」東京・東京国際フォーラム ホールA公演の様子。(撮影:冨田味我)[拡大]

今の.ENDRECHERI.だからこそ形にできる試みが多数取り入れられた今回のツアー。中でもファンを驚かせたのは、提供曲を含めさまざまな「LOVE(愛)」を歌ったブロックだ。ここで堂本はSixTONESのジェシーのために書き下ろした「Never Ending Love」について触れつつ、「僕のことがとにかく大好きなジェシーさん」と言った直後には、「キョンシーさんは、僕のこと大好きって言いすぎてるから、嘘なんじゃないかと思うんですよね。しかも背が高いからお札が貼りづらいんですよ」とボケ続けるMCを展開。かと思えば、「Crazy in Love」を提供した木村拓哉について、共演後に「剛、ありがとな」とひと言だけ残し男前に去っていったエピソードを明かして会場を沸かせる。

「Never Ending Love」を歌う.ENDRECHERI.。(撮影:冨田味我)

「Never Ending Love」を歌う.ENDRECHERI.。(撮影:冨田味我)[拡大]

.ENDRECHERI.「REBORN」東京・東京国際フォーラム ホールA公演の様子。(撮影:冨田味我)

.ENDRECHERI.「REBORN」東京・東京国際フォーラム ホールA公演の様子。(撮影:冨田味我)[拡大]

さらに2024年に新しいフィールドに進んでからも、旧知の先輩や後輩たちとの交流が続いているエピソードを柔らかな表情で語る場面も。ところどころでボケ倒す関西人らしいトークと、バンドメンバーのツッコミを受けながらのMCでひとしきり観客を和ませたあと、堂本はまずは「END RE」の中でも艶やかな存在感を放つラブソング「super special love」を甘やかな声で歌唱。オーディエンスを骨抜きにしたのち、壮大で切実な愛を歌い上げる「Never Ending Love」、グルーヴ感たっぷりのサウンドにクールな声を溶け合わせる「Crazy in Love」を熱唱し、その豊かな表現力で会場をノックアウトした。さらに堂本はラストスパートをかけるように、「命の匂いをさせろ」「今を生きろ」というポジティブなメッセージを繰り返す「Super funk market」を畳みかけ、レーザーが飛び交い、美しいクリスタルの映像がスクリーンに浮かび上がる中で「Crystal light」を情熱的に披露。ダイナミックなアウトロが響く中、最後にはオープニングと同様にスクリーンには「REBORN」の文字が燦然と輝いた。

“REBORN”をテーマに懐かしい曲も

.ENDRECHERI.(撮影:冨田味我)

.ENDRECHERI.(撮影:冨田味我)[拡大]

.ENDRECHERI.「REBORN」東京・東京国際フォーラム ホールA公演の様子。(撮影:冨田味我)

.ENDRECHERI.「REBORN」東京・東京国際フォーラム ホールA公演の様子。(撮影:冨田味我)[拡大]

これでもかというほどトピックが連なった本編を経て、「Machi....」でしっとりと始まったアンコール。薄明かりの中、自身の楽曲のタイトルを大胆にあしらった衣装に身を包んだ堂本は、過去の自分に思いを馳せるように優しさをたたえた声で歌詞の1つひとつを噛み締めるように歌う。その声に共鳴するように、フロアから天井に向かって光が1つまた1つとゆっくり差していく。曲が幕を下ろす頃、彼の背には、月明かりに包まれたビル群が。深い余韻を残しつつ次の曲へ……と思われたが、バンドメンバーに段取りの変更が共有されていなかったようで、コントさながらに演奏がストップ。堂本は張本人の竹内に「コミックバンドじゃないんですから!」と笑いながらツッこみつつ、「これもまたライブ」とハプニングも楽しんでしまう。そして、「今歌う曲は相当懐かしい。珍しい曲を歌いますので」と予告すると、今回のツアーでは初披露となる「故意」を歌い出し観客を驚かせた。

.ENDRECHERI.(撮影:冨田味我)

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客席から立ちのぼる興奮した空気を浴びながら、堂本は「相当懐かしいですね。嫌って歌っていなかったわけではなく、タイミングが合わなかったんです。今回は『REBORN』というテーマでアレンジを変えて歌ってみました」と説明。さらに「これもまた懐かしい曲です。ひさしぶりすぎて誰の曲?ってなった」と口にし、今度は真紅の照明がステージを染める中、「傷の上には赤いBLOOD」へ。「終わりと云う 始まりを進んでしまおう」というフレーズは「REBORN」と名付けられたツアーで披露されるにはまさにうってつけ。この曲では観客の撮影が許可され、ファンは洗練されたアレンジに身を委ねるように蠱惑的にパフォーマンスする堂本の姿をそれぞれのスマホに収めた。

意味を求めるなというのがファンク

.ENDRECHERI.(撮影:冨田味我)

.ENDRECHERI.(撮影:冨田味我)[拡大]

ここまでで約2時間半が経過していたが、.ENDRECHERI.のライブはこれからが本番。自らの人生を救ってくれた敬愛するジョージ・クリントンとのコラボ曲「雑味」で再びファンクモードに突入。堂本は「ファンクはしつこいし意味不明です。意味を求めるなというのがファンク!」「しつこくしつこくミュージシャンたちが命の匂いをぷんぷんさせます」と宣言すると、自らのギターソロを口火に、バンドメンバーやコーラスといったステージ上の演者たちだけでなく、照明や映像演出のスタッフ、5000人の観客も巻き込んだ約40分におよぶフリーセッションの“旅”へと乗り出した。竹内が軽快にフリースタイルラップを繰り広げたり、岸田容男(Dr)がドラムを叩きながら観客とコール&レスポンスを楽しんだり、いけだがショルダーキーボードでステージを練り歩いたりと、それぞれが個性を発揮しながらステージで躍動。その後ろではバンドメンバーの奏でる音に合わせてさまざまなエフェクトが投影され、視覚的にもオーディエンスを楽しませる。

.ENDRECHERI.「REBORN」東京・東京国際フォーラム ホールA公演の様子。(撮影:冨田味我)

.ENDRECHERI.「REBORN」東京・東京国際フォーラム ホールA公演の様子。(撮影:冨田味我)[拡大]

そしてセッションの興が乗ってきたところで、観客が主役となるパートに。ここで堂本が観客に歌うようリクエストしたのは、本編のMCでもたびたび話題にしていた吉幾三の代表曲「俺ら東京さ行ぐだ」のワンフレーズ。「俺らこんな村いやだ」を時には大声で、時には暗闇の中で密やかに歌う5000人のオーディエンスたち。あまりにシュールな光景に堂本が「何やってんすか……」とボソリとつぶやき、「人生つらいとき、大変なときこの時間を思い出してください」と謎のエールを送る一幕も。さらに、いよいよセッションも終盤という頃、ギターを抱えた堂本は客席へと降り立ち、ファンと笑顔を交わしながらライブのクライマックスを盛り上げた。最後に、ファンに寄り添い、チアアップする言葉の数々を贈った堂本。「今日はたくさんの愛をありがとうございました」と慈しむような表情で口にした彼は名残惜しそうにステージをあとにした。

なお、ツアー千秋楽の模様はOPENREC.tvにて7月6日23:59までアーカイブ配信が行われている。また千秋楽にて昨年は台風接近のために中止となった、京都・平安神宮での「奉納演奏」が9月19日から21日を実施することがアナウンスされた。

堂本剛コメント

ツアーファイナルを迎えた感想

.ENDRECHERI.「REBORN」東京・東京国際フォーラム ホールA公演の様子。(撮影:冨田味我)

.ENDRECHERI.「REBORN」東京・東京国際フォーラム ホールA公演の様子。(撮影:冨田味我)[拡大]

あっという間にファイナルを迎えた気持ちに毎年なってしまうのは、それだけ笑顔の絶えない幸せの連続だからなんです。歌うことは自分との闘いでもあるなかで、たくさん笑顔を作ることができたのも、みなさんがいて下さったからです。支えて下さるファンのみなさんやバンドメンバー、スタッフのみなさんの愛が煌めく会場でステージに立ち、その温もりを生きられるわけですから、幸せで胸がいっぱいです。ありがとうございました。

ファンへのメッセージ

今年も色んな場所へと会いに来て下さってありがとうございました! みなさんとたくさんの想い出を作れたこと、とても嬉しく思います。この一度きりの人生をみんなで繋いで笑顔をいっぱい咲かせられたこと幸せです。
ツアーはファイナルとなりました。ここから先も色んな待ち合わせ場所を作って行きますので、そのときはまた遊びに来て下さい。大好きです。ありがとう。

平安神宮公演に向けての思い

今年もご縁をいただけたこと嬉しく思います。
歴史が移りゆく中で「とき」を刻むことの意味や感謝を両手の平で綴じて、平和を祈り奉納演奏をさせていただきたく思っております。
頭上に広がる空と心が繋がる場所へと、神秘的な空間へと是非お立ち寄り下さい。

セットリスト

.ENDRECHERI.「REBORN」2025年6月7日 東京国際フォーラム ホールA

01. Chance Comes Knocking.
02. cho.main session
03. Let's Get FUNKASY!!!
04. White DRAGON
05. 愛 get 暴動 世界!!!
06. The Rainbow Star
07. ENDRECHERI_Brother
08. Dr. Ancient Funkish
09. REborn
10. super special love
11. Never Ending Love
12. Crazy in Love
13. Super funk market
14. Crystal light
<アンコール>
15. Machi....
16. 故意
17. 傷の上には赤いBLOOD
18. 雑味
19. 4 10 cake

公演情報

平安神宮 奉納演奏2025

2025年9月19日(金)京都府 平安神宮
2025年9月20日(土)京都府 平安神宮
2025年9月21日(日)京都府 平安神宮

ライブレポート

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める🌈🐰 @melowhn

ジェシーちゃんについて話してる所も載っている つよしくんいつもありがとうございます🥞🎶 https://t.co/9CBkL8oAyE

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