音楽と、それをひたすら楽しむGalileo Galilei
再録アルバム「BLUE」をリリースしたばかりのGalileo Galilei。本作には2009~2016年の、バンドが一度活動を終了する前の楽曲の再録音源が収められている。「あおにもどる」は彼らの“軌跡と未来を総括する”公演で、レア曲を含む過去の楽曲を中心に演奏された。なお東京ガーデンシアターはGalileo Galileiにとって2016年に東京・日本武道館で行った活動終了前ラストライブに次ぐ規模の会場。再始動後のワンマンライブとしては最大キャパシティであった。
定刻を過ぎた頃、Galileo GalileiとサポートメンバーのDAIKI(G /
楽曲の世界観を引き立てるライティングと環境音。それ以外の過度な演出は削ぎ落とされ、純度の高い音楽と、それをひたすら楽しむGalileo Galileiの姿だけが、観る者にダイレクトに届けられる。彼らは「サークルゲーム」「管制塔」「僕から君へ」などの代表曲から、「ブルース」「kite」「山賊と渡り鳥のうた」といったひさびさに披露するレア曲まで、次々と畳みかけた。岡崎真輝(B)が弓でベースを鳴らした「ブルース」ではメンバーたちの破壊的な演奏と轟音が観客を圧倒。「kite」では岩井郁人(G)がブルージーなギターソロで会場中の視線を独占した。
テンションがブチ上がっています
BBHF「ホームラン」の披露がファンを喜ばせたライブ中盤、「嵐のあとで」の途中でドラムのトラブルシューティングのため演奏が中断。ここまで13曲をノンストップで披露してきたGalileo Galileiは急遽MCタイムへ。雄貴は「そう見えなかったかもしれないけど、この(会場の)光景にテンションがブチ上がっています。ありがとうございます」と観客へ思いを伝えた。無事に演奏を再開したGalileo Galileiは、その後も音楽に没頭。岩井がアコースティックギターを弾いた「くそったれども」「ありがとう、ごめんね」、オリエンタルなムードの「カンフーボーイ」と、振り幅のある楽曲で観客の心身を揺さぶった。
「Blue River Side Alone」から「青い栞」へとつながり、ライブは終盤に突入。レア曲「汐」では雄貴のソウルフルな歌声がサックスの豊かな調べと見事に調和する。ハンズアップで会場がひとつになった「星を落とす」を経て、尾崎和樹(Dr)の力強いドラミングで始まったのは「Sea and The Darkness II(Totally Black)」。スケール感のあるサウンドがホールいっぱいに響き渡り、会場が感動的なムードに包まれた。
ぐるぐる回りながらまっすぐ進むことはできる
全24曲の演奏を終え、雄貴は「『BLUE』のような再録アルバムをあと2枚くらい作るなら?と考えて組みました。いかがでしたか?」と、「BLUE」収録曲以外も多く披露されたセットリストの狙いを明かし、観客から大きな拍手を浴びる。さらに「『サークルゲーム』でも歌っているように、ぐるぐる回りながらまっすぐ進むことはできると思ってて。再録アルバムを出して、こういうライブをやったけど、古い曲をやっているとは感じなかったんです。中には中学生の頃に書いた曲もあって、書いたときのことはおぼろげだったりもしたけど、演奏したときにすべては地続きだと思った。だから、『みんな、変わってないよね?』と今日は言いにきました」と語った彼は「変わってるようで、誰もが変われないんじゃないかと思う。そんな曲を聴いてください」と、公演タイトルにもなった最新曲「あおにもどる」へとつなぐ。決して懐古的ではなく、ありのままを受け入れるような包容力のあるこの曲を熱く届け、Galileo Galileiはステージをあとにした。
きらびやかなサウンドのアッパーチューン「SPIN!」で派手に幕を開けたアンコールでは、岩井が新たなライブツアー「TRITRAL TOUR」を発表しファンを歓喜させる。岩井は「(2016年の東京・日本武道館公演に出演していない)僕と岡崎くんにとっては、この東京ガーデンシアターが音楽人生史上最大キャパでのライブでした。本当に眺めがサイコーです。Galileo Galileiは止まりません。これからもよろしくお願いします」と意思表明をした。そして「あそぼ」「恋の寿命」の演奏で観客を楽しませたGalileo Galileiは、最後に「稚内」をにぎにぎしく届けてライブに幕を下ろした。
本公演の模様は4月30日にスペースシャワーTVでオンエアされる。
セットリスト
Galileo Galilei「あおにもどる」2025年3月15日 東京ガーデンシアター
01. スワン
02. ロンリーボーイ
03. Jonathan
04. バナナフィッシュの浜辺と黒い虹
05. 老人と海
06. サークルゲーム
07. 管制塔
08. ウェンズデイ
09. ブルース
10. kite
11. 山賊と渡り鳥のうた
12. 僕から君へ
13. ホームラン(BBHF)
14. 嵐のあとで
15. くそったれども(アコースティック)
16. ありがとう、ごめんね
17. カンフーボーイ
18. Blue River Side Alone
19. 青い栞
20. オフィーリア
21. 汐
22. 青い血
23. 星を落とす
24. Sea and The Darkness II(Totally Black)
25. あおにもどる
<アンコール>
26. SPIN!
27. あそぼ
28. 恋の寿命
29. 稚内
公演情報
Galileo Galilei "TRITRAL TOUR"
2025年11月23日(日・祝)大阪府 BIGCAT
2025年11月26日(水)東京都 Zepp DiverCity(TOKYO)
2025年11月28日(金)福岡県 DRUM LOGOS
オンエア情報
スペースシャワーTV「Galileo Galilei “あおにもどる”」
2025年4月30日(水)23:00~24:00
Galileo Galilei @galileo_news
⋱ ライブレポート🔵 ⋰
音楽ナタリーにて、
Galileo Galilei Live 2025 "あおにもどる"
東京ガーデンシアター公演のライブレポートが公開されました!
▼ Galileo Galilei、“あの頃と地続きの今”を見せた「あおにもどる」
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