S.A.R.がLil Summer＆寺久保伶矢とのコラボ含む18曲を熱演、満員の観客を踊らせた2ndワンマン

S.A.R.のワンマンライブ「Return of Kool Theory」が1月10日に東京・WWW Xで開催された。

S.A.R.はsanta（Vo）、Imu Sam（G, MC）、Attie（G）、Eno（B）、Taro（Key）、may_chang（Dr）の6名からなるオルタナティブクルー。音源のみならず映像やアートワークなどあらゆる制作物を自身で手がけており、昨年3月発表の1stアルバム「Verse of the Kool」は耳の早いリスナーを中心に注目を浴びた。彼らにとって2度目のワンマンとなる「Return of Kool Theory」のチケットはソールドアウトとなり、バンドの勢いを感じさせる中での開催となった。

定刻を少し過ぎた頃、薄暗いステージに現れたS.A.R.はお互いの感触を確かめるように静かに音を重ねて「Skate」の演奏をスタート。酩酊感のあるメロウなサウンドに、santaの美しいボーカルを溶かして場内をドリーミーな空気で満たしていった。S.A.R.はその後、「CAP」「Clouds」などグルーヴィな楽曲を次々とプレイ。Imu Samのキレのあるラップが光る「Kawasaki」や、静かな立ち上がりから徐々に熱を帯びていく「3AMBLACKCAT」では、6人のテクニカルな演奏を浴びたオーディエンスが歓声を上げたり、体を揺らしたりと思い思いに楽曲を楽しんでいた。

Imu Samは満員のフロアを眺めながら「こんなにたくさんの歓声を浴びたり、こんなにたくさんの人と会うなんてなかなかないことですから。本当にありがとうございます！」と感慨深そうに語った。そして、この日のライブを全力で駆け抜けるためにアンコールはしないと宣言し、「You be Kool」でライブを再開。10曲目には1月29日に配信リリースされる新曲「Side by Side」を初パフォーマンスしてファンを喜ばせた。フロアからハンドクラップとコール＆レスポンスが沸き起こった「Uptown」を経て披露されたのは、シンガーソングライターのLil Summerをゲストに迎えた「New Dawn」。santaとLil Summerという異なる魅力を持ったボーカルの重なりが美しい調和を生み、会場はどこか神秘的なムードに包まれていった。

ライブはS.A.R.のルーツにある90'sのヒップホップやネオソウルの要素が色濃く垣間見える「guano」で後半戦へと突入。続くグルーヴィなバラードナンバー「pool」の後半には、Attieが感情を爆発させるようなギターソロを披露した。S.A.R.はその後、may_changのタイトなドラムを起点に音を紡いで観客を惹きつけ、「Kaminari」「Strawberry fields」を演奏。最後は気鋭のトランペッター・寺久保伶矢をステージに呼び込み、コラボ「Cannonball」で壮大なサウンドスケープを描いた。すべての演奏を終えたあと、Imu Samはメンバーを代表し、春にポニーキャニオン内のレーベル・IRORI Recordsからメジャーデビュー作となる1st EP（タイトル未定）を発表することや、5月に東京と大阪でツアーを行うことを発表。場内が温かな拍手に包まれる中、ファンに改めて感謝の思いを伝えてこの日の公演を締めくくった。

チケットぴあでは、ツアーのチケットの先行予約を4月17日まで先着で受付中。