「生まれ変わっても超特急でいたい」9人が豊かな個性で描いた超特急の12年「T.I.M.E」最終公演レポ

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ユーキの作るライブで踊るのが、すごく幸せで楽しいです

超特急と8号車。

超特急と8号車。[拡大]

8号車の大きな「超特急!」コールを受けて始まったアンコールでは、ステージを飛び出して客席のあちこちに登場し、「走れ!!!!超特急」を届けた9人。スタンド席で合流したカイ、リョウガ、タクヤが8号車の目の前で“電車ごっこ”をしたり、タカシとシューヤがファンと目線を合わせて歌ったり、あちこちで巻き起こるコミュニケーションに会場が再び温まったところでメンバーは改めてステージに上り、続けて「Rail to Dream」を披露した。「Rail to Dream」は、リョウガのセンター曲「激おこスティックファイナリアリティぷんぷんドリームわ~るど」の“兄弟曲”として制作された、超特急の魅力を歌詞に詰め込んだ新曲。海産物が苦手なリョウガの「大阪と言ったらたこ焼きだよね。でも俺、毎回こう頼むんです。たこ焼きひとつ……たこ抜きで」というアドリブのセリフから曲が始まると、8号車は巧みなペンライトさばきと勢いあふれるコールで9人のパフォーマンスに参加する。8月8日の“8号車の日”にライブの中でリョウガがファンに伝えた感謝をそのまま歌詞にした「僕らを僕らでいさせてくれてありがとう」というフレーズをボーカルは高らかに歌い上げ、これを聴いた8号車もまた、大きな「ありがとうー!」を返していた。

シューヤ

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そして、最後の楽曲を前に、9人はツアーを終えようとしている今の心境を8号車に伝えていく。先陣を切ったハルが「たとえいつか死んでも、生まれ変わったらまた自分になりたいなって思いました」と、自身に笑顔を向けてくれた8号車への感謝を伝えると、シューヤは“相棒”への思いを赤裸々に口にする。シューヤのことを思うタカシの言葉を聞いて涙したことを明かした彼は「こうやって超特急を守って、歌い続けてきてくれたタカシくんと、俺は死ぬまで歌い続けていきたいと思っているので!」と宣言し、タカシと肩を組んで「これからもよろしく!」と思いを伝えた。

タカシ

タカシ[拡大]

シューヤの言葉を笑顔で受け止めたタカシが語ったのは「今年は本当にいろんなことが……これまでにはなかなかできなかったことも、動き出しているような気がしていて」という実感。確かな“変化”と“進化”の手応えに、彼は「来年はもっといろんな景色を見せられたらいいなって思います」と言葉を続けた。タカシのあとに挨拶を担ったのは、ライブの演出を手がけたユーキ。すでに涙声の彼は開口一番「今回のツアー、ホントによかったよね! 自分でもそうやって自信が持てるライブができたんじゃないかなと思います」と表情をほころばせ「この一瞬を大切に、皆さんに本当に笑顔で楽しんでもらえる時間になっていてくれたなら、僕はうれしいです」と思いを伝えた。

ユーキ

ユーキ[拡大]

タクヤとカイが伝えたのは、そんなユーキに対する感謝と尊敬の思い。「1桁の5人なんて10年以上の付き合いだし、こういう場所じゃないとなかなか言えないこともあるから」と切り出したタクヤは「今回のライブ、すごくよかったなと思ってます。ユーキの作るライブで踊るのが、すごく幸せで楽しいです」とまっすぐに言葉を紡ぐ。カイは、リハーサルで見せたユーキのダンスに心が震えたことを明かし「声がなくてもこれだけ心を震わせられるメンバーがいる。超特急、いいグループだなって思いました。なので2023年、いい年だったなって思います」と語った。

超特急

超特急[拡大]

最後に8号車と向き合ったリョウガは「時間というものは進んでいくもので、生があれば死があるわけです。もし僕が……“終わった”としましょう。で、もし生まれ変わったとしても、超特急のリョウガになりたいし、このメンバーにもっかい会いたいし、過去、今、未来に会うであろう8号車に会いたい。『まったく同じ人生を歩みたい』と思えるほどの、幸せで貴重な体験をしているとつくづく感じました」と、超特急というグループへ向けるまっすぐな愛情を言葉にして8号車へと伝えた。

最後に待っていた衝撃の“狂乱”

「Party Maker」の超特急。(撮影:寺本篤史)

「Party Maker」の超特急。(撮影:寺本篤史)[拡大]

9人から8号車へ、「大好きー!」という思いが伝えられた「Synchronism」を終えても客席の興奮は止まず、大阪城ホールには大きな「超特急!」のコールが響き続けた。すると、これに応えた超特急の9人はダブルアンコールのステージへ。9人体制では未だ披露されていなかったキラーチューン「Party Maker」で、驚きと興奮の渦を巻き起こす。「オイそんなもんか!? 8号車声出せや! 待たせたな、いくぞ!」と1人気勢を上げるタカシは、ステージのあちこちに散らばり“無気力状態”で揺れているメンバーを次々と覚醒させていく。タカシの喝を浴びたダンサーたちは雄叫びを上げながらTシャツを破って大暴れ。シューヤもまた、これまではタカシ1人が見せていた“逆さ吊り腹筋歌唱”をタカシとともに披露し、ポテンシャルの高さを見せつけた。9人体制で見せる“狂乱”は8号車のボルテージを最大限まで引き上げ、センターステージでペットボトルの水を自分たちにぶちまけたメンバーは、持ちうる力をすべて出し切るような鬼気迫るダンスでオーディエンスを圧倒。そして、曲の最後に横1列に並んだ9人が後ろを向くと、彼らのタンクトップには「13年目もよろしく!」のメッセージが。威勢よく今年最後のワンマンを終え、メンバーは高揚感に満ちた表情のままステージを去っていく。ユーキが「来年もいい年にしようぜ!」と呼びかけたのち、1人ステージに残ったタカシは「みんなありがとう!」と再び水を浴び、最後の瞬間まで8号車を釘付けにしていた。

メンバーコメント全文

ハル

4日間ライブをやってみて、めちゃくちゃに楽しくて。「僕って幸せ者なんだな」と思うと同時に、みんなそれぞれ、好きな物がいろいろあると思うけど、僕たちに時間を使ってくれている事実がすごくうれしくて。たとえいつか死んでも、生まれ変わったらまた自分になりたいなって思いました。みんなの笑顔を見るために僕らがんばっていますので、またご乗車いただける日を楽しみにしています。

アロハ

ちょうど1年前ですね、ライブをやった大阪城ホールに戻ってきました。この1年、いろんな経験をさせてもらって、自分の中で「変わったな」と感じることがたくさんあったんですけど、唯一1年前から変わっていないものがあって。それが1桁号車、そして今いるメンバーへのリスペクトでした。メンバーには引っ張ってもらっているし、成長させてもらえるし。まだまだを上を目指せるなと感じさせてもらえるツアーでした。

マサヒロ

無事に4公演を完走できたのは、8号車の皆さんと支えてくださっている9号車(スタッフ)とメンバーのおかげであって。今日ライブの前に9号車の皆さんと記念撮影をしたんですけど、200人近くのスタッフさんがいるんです。皆さんの力を借りてライブができあがっているので、感謝の気持ちがより強くなりました。僕らだけでライブができることは絶対にないですし、9号車の皆さんも含め、これからも走り続けていきたいと思います。

シューヤ

僕は超特急に加入する前、歌って踊ることを人前でするのを生涯やめようとしていたので、改めてこのような大きいステージに立てることを本当にうれしく思います。この場があるのは8号車のおかげですし、12年間この場を守ってくれた人がいるからこそ立てるステージだと思っています。……少し前にいろいろあってさ。タカシくんと話す機会があったんだけど、そのあとに「シューくんがいなくなったらどうしよう」と(シューヤがいないところで)言ってくれていたって聞いたのよ。俺、それ聞いて泣いちゃってさ。こうやって超特急を守って、歌い続けてきてくれたタカシくんと、俺は死ぬまで歌い続けていきたいと思っているので! (タカシと肩を組んで)これからもよろしく!

タカシ

ツアー自体が終わる寂しさもあるんですが、13年目に突入するということで……。これまで、この場では語りきれないほどの経験や挑戦をして、「どうやって乗り越えていこうか」と思うようなこともその中にはありました。でも、それを乗り越えられたのは8号車とメンバーがいるからです。今年は本当にいろんなことが……これまでにはなかなかできなかったことも、動き出しているような気がしてて。来年はもっといろんな景色を見せられたらいいなって思います。だからもう、今は来年がすごく楽しみです。これからもずっと、ご乗車お待ちしてます!

ユーキ

(涙を流しながら)今回のツアー、ホントによかったよね! 自分でもそうやって自信が持てるライブができたんじゃないかなと思います。いつも僕はライブを通してメッセージを伝えたいと思いながら(演出を)作っているんですけど……今日もね、徳島からおばあちゃんが観に来てくれてて。「いつまでちゃんと輝いてる姿を見せられるかな?」なんて思うし、いつまでもこういう時間があるわけじゃないと思うんです。だからこれからはもっと笑顔で、悔いなくこの世を去っていけるように……(話が)デカすぎかな?(笑) でも本当に、この一瞬を大切に、皆さんに本当に笑顔で楽しんでもらえる時間になっていてくれたなら、僕はうれしいです。

タクヤ

メンバーがメンバーに思いを伝えるコメントが続いちゃったので、今ヤバいなと思ってたんですけど(笑)。……でも、1桁の5人なんて10年以上の付き合いだし、こういう場所じゃないとなかなか言えないこともあるから、この場を借りてユーキに言いますね。今回のライブ、すごくよかったなと思ってます。ユーキの作るライブで踊るのが、すごく幸せで楽しいです。ここ数カ月、いろんなものと戦っている姿を見てきました。今8号車の前でライブを無事終えて、本当にユーキにはお疲れ様と伝えたいと思います。そして何より、8号車のおかげで「T.I.M.E」というツアーは成り立っております。ということで、まだ終わらないけど来年もよろしくー!

カイ

2023年、いい年だったなと思っています。「B9」ツアーで待ち望んでいた皆さんの声が聞けたのも幸せですし。「B9」初日「Burn!」でみんなの声が聞けて感情があふれ出してしまったんですけど、ホントは(序盤の)「MORA MORA」でもうヤバかったです(笑)。そのときにね、人の心が動くときって、曲調は関係ないなと思ったんです。それを今回のツアーのリハでも感じた出来事があったんですけど……ユーキのソロのダンスパート。俺、あれ見て泣きそうになっちゃって。ダンサーさんも一緒に踊っているし、同じ振付をしてるんだけど、「あ、これがメインダンサーなんだな」っていうのをすごく感じました。(結成から)12年も経つのに、メンバーに感動することがあるんだなって驚きもあったんですけど、声がなくてもこれだけ心を震わせられるメンバーがいる。超特急、いいグループだなって思いました。なので2023年、いい年だったなって思います。2024年も、8号車の皆さんと手を取り合って進んでいきたいと思います。

リョウガ

伝えたいことはいろいろあるんですけど、2つだけ抜粋して伝えたいと思うんですがね。まず1つ。もし僕がタイムマシーンを手に入れたとしましょう。だとしても使わないと思います。過去を振り返ったとき、反省はあったとしても後悔はしていないですし、過去があったから今と未来があり続けると思っているので絶対に乗らないよ!っていうのと、時間というものは進んでいくもので、生があれば死があるわけです。もし僕が……“終わった”としましょう。で、もし生まれ変わったとしても、超特急のリョウガになりたいし、このメンバーにもっかい会いたいし、過去、今、未来に会うであろう8号車に会いたい。「まったく同じ人生を歩みたい」と思えるほどの、幸せで貴重な体験をしているとつくづく感じました。だけど、1つだけ、生まれ変わったときにお願いしたいことがあります。ええ、タコアレルギーだけはないようにと。本当に俺、人生損してるんですよ。あと、8号車にメッセージいいっすか? 会場に入ってくるときは花粉を振り払ってください。

セットリスト

「BULLET TRAIN ARENA TOUR 2023『T.I.M.E -Truth Identity Making Era-』」2023年12月24日 大阪城ホール

01. Countdown
02. Secret Express
03. Time Wave
04. KNOCK U DOWN
05. MORA MORA
06. DJ Dominator
07. We Can Do It!
08. Chill out @JP
09. refrain
10. 小さな光
11. Starlight
12. Billion Beats
13. Lesson II
14. バッタマン
15. My Buddy
16. Believe×Believe
17. 超えてアバンチュール
18. SURVIVOR
<アンコール>
19. 走れ!!!!超特急
20. Rail to Dream
21. Synchronism
<ダブルアンコール>
22. Party Maker

この記事の画像(全25件)

撮影:米山三郎、小坂茂雄

読者の反応

つな @shupoppopo

ナタリー、メンバー全員の最後の挨拶を全文書き出してくれてる…!と読み返して再度号泣してる
ユーキさんは自分から努力したことを全然話さない人だから、周りがこうして言葉を尽くしてくれるのが本当に誇らしくて5推しでよかったって心から思う
https://t.co/osYU8Npfso https://t.co/o4tBmkDVBF

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