KEN THE 390主催フェスでZeebraと般若が握手、SKRYUは独特な“ジャケット捌き”

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ヒップホップフェスティバル「CITY GARDEN 2023」が10月28日に東京・豊洲PITで行われた。この記事では当日の模様をレポートする。

左から般若、Zeebra。

左から般若、Zeebra。

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Maison B、電波少女、リリスク、ELIONEがオーディエンスをロック

KEN THE 390

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「CITY GARDEN」は、KEN THE 390が昨年立ち上げた都市型ヒップホップフェス。大人から子供までが楽しめる“都会の中のオアシス”をコンセプトに、多彩なラッパーやアーティストが出演する。

まず最初にステージに姿を現したオーガナイザーのKEN THE 390は「ほかにはない濃度のヒップホップイベントなので、最後までしっかり楽しんでいってください!」とオーディエンスに呼びかけ、「去年はコロナ期間で声出しNGでしたが、今日は声出しOK! 最高のテンションでいきましょう!」と挨拶した。

Maison B

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トップバッターを務めたのは、KEN THE 390がプロデュースするラップ主体のボーイズグループ・Maison B。昨年結成されたばかりの彼らだが、息の合ったパフォーマンスで「Boom Boom Boom」「Bringing Out」「Get Loud」「Where is The Party」を立て続けに披露し、会場にフレッシュな風を吹き込んだ。

電波少女

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続いては電波少女が登場。ハシシは「若いイケメン(Maison B)と、かわいい子たち(lyrical school)にはさまれて、おじさん3人は大変なんですけど、がんばります!」と意気込み、「簒奪者」「笑えるように」「Earphone」「Munchii Bear Cookiis」の4曲を披露。ハシシとNIHA-Cの軽快なラップに加え、nicecreamがギター演奏やブレイクダンスでライブを華やかに彩った。

lyrical school

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今年2月に男性メンバーを含む新メンバー7名を加えて活動再開したlyrical schoolは「シャープペンシル」を皮切りに、「House Party」「mada mada da!」「DRIVE ME CRAZY」といった楽曲で会場を沸かせる。新曲「moonlight」もお披露目し、ラストは“新生リリスク”を象徴するエモーショナルなナンバー「NEW WORLD」で観客をしっかりロックした。

ELIONE

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「日本語ラップ、最後まで楽しむつもりで来てますか?」と来場者に問いかけたELIONEは「99%」「Oh My Friend」「One Wish」などを披露。クールなライミングとフロウで魅せる。「友達が出したソロアルバムに客演で1曲参加してます。彼のワンマイライブの前にここで初めて歌っちゃおうっていう、俺のいたずら。みんな聴きたいっしょ?」と、梅田サイファー所属のテークエムを呼び込み「One More」を披露するELIONE。最後は自身の口癖から着想を得たという楽曲「別にいいんじゃん?」で大きな歓声を集めた。

Charisma.com、SKRYU、CHICO CARLITOがフロアを沸かせる

Charisma.com

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「ごきげんようCharisma.comです。よろしくどうぞ!」と、颯爽とステージに現れたのは、今年、本格的に活動を再開したCharisma.com。「HATE」「カンブリアダンス」「マメマメBOYがさつGIRL」などで個性あふれる毒舌気味なラップで盛り上げ、「そうこうしてるうちに次の曲が流れるわけ、そこにみんながついてこられるかわかりませんけど、やりますから私!」とMCで笑いを誘うと、「スーパーガール」「Like it」「りぼん」と怒涛のパフォーマンスを届けた。

SKRYU

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独特な“ジャケット捌き”を見せつけるSKRYU。

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独特な“ジャケット捌き”を見せつけるSKRYU。

独特な“ジャケット捌き”を見せつけるSKRYU。[拡大]

続くSKRYUは「豊洲PIT『CITY GARDEN 2023』調子は? イエアーーー!」とシャウトし、摩訶不思議なダンスで存在感をアピール。「One shot」「Real my house」「How Many Boogie」を歌うと「めちゃくちゃ楽しーーー!」と、さわやかな笑顔をのぞかせる。MCでは「日本のスーパースターと言えば“郷ひろみ”」と言いながら、独特な“ジャケット捌き”を見せつけ、キラーチューン「超 Super Star」や「Mountain View」でオーディエンスを魅了した。

CHICO CARLITO

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左からT-STONE、CHICO CARLITO、SKRYU。

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CHICO CARLITOは「History」「Invitation」「The best kid」を間髪入れずに披露。「ここからフューチャリング祭り、やらせてもらいます!」と宣言すると、テークエムとの「奇襲作戦!!!」、T-STONE、SKRYUとの「SUDACHI」、ELIONEとの「Keep going」、柊人との「Let Go」を畳みかけ、フロアを沸かせる。

また「俺にもマイク渡してくれよ!」という、おなじみの掛け声で「RASEN in OKINAWA」の自身のパートを展開。さらにはSugLawd FamiliarとAwichとのコラボ曲「LONGINESS REMIX」をしっかりと聞かせ、ラップスキルの高さを見せつけながら、興奮冷めやらぬ歓声に応えるように「1曲、追加します!」と、等身大のリリックをつづった「Day by Day」をエネルギッシュに歌唱した。

SUSHIBOYS、Zeebra、TOC、KEN THE 390が畳みかける

SUSHIBOYS

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アヒルのバルーンを客席に投げ入れるSUSHIBOYS。

アヒルのバルーンを客席に投げ入れるSUSHIBOYS。[拡大]

SUSHIBOYSは「死んだら骨」を歌いながら元気よく登場。「みんなの“気にしてる木”を伐採しにきたぜ!」と「木にしない」を届けると、「軽自動車」「高速道路」「OMG」とアップテンポなナンバーを繰り広げ、「アヒルボート」では2体のアヒルのバルーンを客席に舞わせた。Farmhouseは「次はZeebraさんが出てくるわけだけど、俺、高校のときに電車の中で『Grateful Days』聴いててさ。『俺は東京生まれHIP HOP育ち』ってやべぇこと言ってんじゃん!ってめちゃくちゃくらって、ヒップホップにハマって。それからなんだかんだあって……で、俺らの次がジブさんって! わかるこの感じ?」と興奮を口にする。最後は「音楽が好き」というポジティブなメッセージをリリックに詰め込んだ「DRUG」で豊洲PITをハッピーな空気に包んだ。

Zeebra

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重鎮・Zeebraのステージは「Let’s Get It Started」で幕開け。「SUPATECH (what's my name?)」「Touch the sky」「FIRE」をメドレーで矢継ぎ早に繰り出すと、Zeebraは「多彩なメンツの中の“レジェンド枠 a.k.a. おじさん枠”つうわけで、“52ちゃい”にもなってぴょんぴょん飛び跳ねてます! ガッツリ盛り上がって、楽しんでいきましょう!」とユーモラスなMCで会場を笑いに包む。

Zeebra

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中盤は「今年でヒップホップ50周年! 日本では40周年!」とシャウトして「TOKYO KIDS REMIX」を披露。長年、日本のヒップホップシーンを牽引してきた圧巻のパフォーマンスで貫禄を見せつけた。「クラシックいこうかな」とつぶやくと「JACKIN 4 BEATS」「MR.DYNAMITE」「Neva Enuff」「Shinin' Like A Diamond」をバイブス全開で披露し、コール&レスポンスで観客とコミュニケーションしながら「My People」「Street Dreams」で締めくくった。

TOC

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ステージ上に女性を“エスコート”したTOC。

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登場するなり「FOOLISH」「DISOBEY」をクールにラップしたTOC。「ヒップホップフェスに呼ばれのるは初めてじゃないかな」と語るTOCは「今日はTOCで出て、明日はHilcrhymeとして、とあるイベントに出て、土日で500万ぐらい稼ぎます!」とオーディエンスを沸かせ、「あっかんべー」を披露。「TOCのライブでは必ず1人、女性をステージに“エスコート”するというのを決めていまして、今日はフェスなのでKEN THE 390のファンの女性を……」と、“エスコート”を希望した観客の女性をステージに上げると「一緒に踊ろう!」と「HATE」を歌い上げた。最後には「KENくんありがとう! すべての出演者の皆さんにビガップ!」と謝辞を述べ、自身のソロメジャーデビューシングル「過呼吸」を歌唱した。

KEN THE 390

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左からテークエム、KEN THE 390、KennyDoes。

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続いて登場したKEN THE 390はT-Pablow、SKY-HIとの楽曲「Turn Up」をソロで披露。「Nobody else」では高速ラップのアカペラで観客を惹きつける。手拍子で客席が一体となる「Clap」のあとは、「Break All (Remix) 」でテークエムとKennyDoes、「Anything Goes」でMaison BよりRICK、REIJIとコラボした。

左からKEN THE 390、Zeebra。

左からKEN THE 390、Zeebra。[拡大]

KEN THE 390は「11月8日に配信される新しいEPから1曲! 今日来てるお客さんは、YouTubeの再生回数が回ってる曲しか盛り上がれないような人ではないですよね?」と煽りつつ、新曲「MY TIME」を披露。さらにZeebraを呼び込むと、それぞれのキャリアを踏まえた説得力あるリリックが飛び出す「衝突」でタイトにセッションした。

KEN THE 390は「高校生のときにヒップホップを好きになって、進学校に通ってた俺がいる世界とヒップホップの世界は全然違ったけど、違うからこそ憧れた。ヒップホップの世界に飛び込んでみると、憧れと現実は違うことがわかって。背伸びしたり、自分じゃない自分でやるのがヒップホップ的にはカッコ悪いんだなってのがわかったりして。だんだん自分を受け入れて。自分にできることをやろうって、いろいろやってきた結果、こうやってジブさんと一緒に曲ができたり、カッコいい後輩がイベントに出てくれたり、ヒップホップのおかげで最高に人生を楽しめています! 来てくれている皆さんに支えてもらっています。本当にありがとうございます」と熱いメッセージを送り「Teenage Dream」「Lego」で締めくくった。

一夜限りの「OPEN MIC by JIM BEAM Special Session」

「OPEN MIC by JIM BEAM Special Session」より、「Booyaka!!」の様子。

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イベント終盤戦は「OPEN MIC by JIM BEAM Special Session」でスタート。まずはKEN THE 390、餓鬼レンジャーよりポチョムキンとYOSHI、そしてTARO SOULがロングバースを蹴り合う「Booyaka!!」で会場のボルテージは最高潮に。KEN THE 390は「今の『Booyaka!!』はオリジナルメンバーでしたが、ここからは『この曲をこの組み合わせでやるの?』というスペシャルなオープンマイクです!」と期待を煽った。

「OPEN MIC by JIM BEAM Special Session」より、「インファイト」の様子。

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「OPEN MIC by JIM BEAM Special Session」より、「真っ向勝負」の様子。

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「OPEN MIC by JIM BEAM Special Session」より、「Tokyo Zoo」の様子。

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roomRのRICKとREIJI、OCTPATHのKAIHOとSHUによる「インファイト」、KEN THE 390、SKRYU、KOPERU、CHICO CARLITO、pekoによる「真っ向勝負」と、華やかなマイクリレーが展開し、オーディエンスを圧倒。ステージに残ったSKRYUは「ラップクレイジーアニマルたちを呼んでるぜ!」と、テークエム、IKEを呼び込み、3人はエネルギッシュな楽曲「Tokyo Zoo」でステージを縦横無尽に駆け回った。

「OPEN MIC by JIM BEAM Special Session」より、「MR.DYNAMITE」の様子。

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「『Tokyo Zoo』! 動物園にはやっぱりシマウマが必要なんじゃないの?」と、ラストはZeebraが登場。Zeebraは、テークエム、ELIONEを引き連れて自身のアンセム「MR.DYNAMITE」を繰り出すと、「『MR.DYNAMITE』リリースから23年経って、こんなやばいバースが乗っかるなんて最高です!」と感慨を語る。最後には「OPEN MIC by JIM BEAM Special Session」の出演者全員が壇上に並び、一夜限りのオープンマイクは大団円を迎えた。

般若の気迫、トリは梅田サイファー

般若

般若[拡大]

静かにゆっくりとステージに現れた般若は「最ッ低のMC」「理由」を1バースずつ披露。「30分くらい、このステージを汚します」とポツリとつぶやき、続けて「土砂降りでも」「大丈夫」を熱く歌い上げる。気迫のこもったステージングに観客は手を挙げてレスポンスした。

左からZeebra、般若。

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握手を交わすZeebraと般若。

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般若に「じゃあ先輩、手伝ってください!」と呼び込まれたZeebraは「自分、今日出てくるの4回目なんですけど!」と茶目っ気たっぷりにアンサー。2人は「TOKYO KIDS(Remix) 」でオーディエンスの心を鷲掴みしに、固い握手を交わす。パフォーマンスを終えたZeebraは「もう出てこないからな! うぇいよー!」とステージをあとにした。

その後、般若は「じんせいさいこおお」「その男、東京につき」「レクイエム」「路上の唄」「関係あんの?」「はいしんだ」をメドレーで披露。「サイン」では、アカペラでラップを届けた。般若が「KEN THE 390は我々の王様なんだよ!」とKEN THE 390とR-指定を呼び込み、ロック調のビートに3人の力強いラップが乗る「Overall」で締めくくった。

梅田サイファー

梅田サイファー[拡大]

梅田サイファー

梅田サイファー[拡大]

梅田サイファー

梅田サイファー[拡大]

7時間におよぶフェスのトリを務めたのは梅田サイファー。彼らは広いステージをいっぱいに使い、「KING」「かまへん」「PARTY」を連続で披露。KZは「『CITY GARDEN』もとい『超・ライブへの道』、梅田サイファーです!」と、KEN THE 390がかつて主催していた「超・ライブへの道」の名を持ち出す。メンバーたちも「『超・ライブ』調子どう?」「俺たちはrepしていく『超・ライブ』!」「感想をつぶやく際は“『CITY GARDEN 超・ライブへの道』楽しかった”でお願いします!」と投げかけ、会場の笑いを誘った。

「どいつがBoss? 決められやしない yo 全員がHeadだろ」の歌い出しが印象的な「アマタノオロチ」を披露したのち、R-指定は「KENさんには俺らが10代のころからライブに出させてもらってたわけだけど、大事な『CITY GARDEN』のトリとして選んでくれて。その懐のデカさ……王様は民からしぼるだけじゃない。民に与えて成長させて、一番おいしいところを民に渡す! これこそが王様!」とKEN THE 390に敬意を表す。

さらに疾走感あふれる「トメラレランナイ」、メロウな「環状線」をパフォーマンス。KZは「日本のヒップホップシーンはまだまだ大きくなると思うので、各自好きなラッパーを追いかけ続けて、来年もまたここで集まりましょう!」と呼びかけ、pekoは「今日すべてのエネルギーを出し切って帰ってください!」、 R-指定は「皆さん“マジでハイ”になってもらいましょう!」と、 パワフルな代表曲「マジでハイ!」を披露。最後にはYouTubeチャンネル「THE FIRST TAKE」でも注目を集めた「トラボルタカスタム」と「梅田ナイトフィーバー’19」で締めくくった。

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CHICO CARLITO @unten1993

SKRYUは独特なジャケット捌き https://t.co/6KAxM9eHtM

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