ハナレグミ、そよ風とストリングスに乗せて弾き語り「やっぱり野音は格別ですね」

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ハナレグミが弾き語り形式の野外ワンマンライブ「Faraway so close」を9月18日に大阪・服部緑地野外音楽堂、10月1日に東京・日比谷公園大音楽堂(日比谷野音)で開催した。この記事では東京公演の模様をレポートする。

ハナレグミ「Faraway so close」東京・日比谷公園大音楽堂(日比谷野音)公演の様子。(Photo by RYO MITAMURA)

ハナレグミ「Faraway so close」東京・日比谷公園大音楽堂(日比谷野音)公演の様子。(Photo by RYO MITAMURA)

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弾き語りに最適な秋の野音

永積崇(Photo by RYO MITAMURA)

永積崇(Photo by RYO MITAMURA)[拡大]

ハナレグミ「Faraway so close」東京・日比谷公園大音楽堂(日比谷野音)公演の様子。(Photo by RYO MITAMURA)

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昨年2月にスタートした弾き語りツアー「Faraway so close」と同タイトルを冠したこのライブ。東京公演の開催日は雨が心配される空模様だったが、いざ開演時刻になるとほどよい曇天が日比谷野音の頭上に広がり、野外で弾き語りを聴くのに最適な環境が観客を迎えた。ステージ上のレコードプレーヤーから流れる軽快な音楽に合わせ、ステップを踏みながら登場した永積崇は、そのレコードを止めるとさっそくアコースティックギターを手にして椅子へスタンバイ。「ブルーベリーガム」を1曲目に披露し、柔らかいアコギの音と歌声をそよ風に乗せて響かせた。

曲を歌い終えるたびに「くぅ~!」と声を上げ、野外ライブの心地よさをファンと分かち合う永積。その後も緩やかな空気が場内に流れていたが、途中からテンポアップする「あいまいにあまい愛のまにまに」では客席から一斉にクラップが響く。続く「明日天気になれ」では次々に立ち上がる観客を相手に永積が息の合ったコール&レスポンスを繰り広げ、「やっぱり野音は格別ですね」とはにかんだ。

夜空に響いた「どんとー!」

ハナレグミ「Faraway so close」東京・日比谷公園大音楽堂(日比谷野音)公演の様子。(Photo by RYO MITAMURA)

ハナレグミ「Faraway so close」東京・日比谷公園大音楽堂(日比谷野音)公演の様子。(Photo by RYO MITAMURA)[拡大]

リリー・フランキーから贈られたという1963年製のマーチンのニューヨーカーにギターを持ち替えた永積は、続いて「祝福」を弾き語り。マーチンのギターならではの繊細な音色、周辺の緑地からうっすらと響くすず虫の鳴き声が観客の情緒を豊かにすると同時に、日比谷野音に再び穏やかな時間が訪れた。その後のMCでは今年で開設100周年を迎え、来年以降に改修工事が予定されている日比谷野音にまつわる思い出が語られる。永積はフィッシュマンズのオープニングアクトとして初めて日比谷野音のステージに立った日のこと、BO GUMBOSのライブを観るために初めてこの会場に足を運んだ日のことを感慨深げに回想した。そして「僕はどんと(2000年に死去したBO GUMBOSのギターボーカル)が大好きで。悲しいことも楽しいことも空に向かって歌う、そういう音楽の力を教わったのはBO GUMBOSでした」という言葉を経て披露されたのは、BO GUMBOSの名曲「夢の中」。この曲をじっくりと歌い上げた永積は「どんとー!」と、すっかり暗くなった夜空に向かって叫んだ。

ストリングスが生み出す神秘的なムード

ハナレグミ「Faraway so close」東京・日比谷公園大音楽堂(日比谷野音)公演の様子。(Photo by RYO MITAMURA)

ハナレグミ「Faraway so close」東京・日比谷公園大音楽堂(日比谷野音)公演の様子。(Photo by RYO MITAMURA)[拡大]

ライブ中盤からは、徳澤青弦カルテットがゲストとして演奏に参加。「⾳タイム」の曲中、永積がオーディエンスにコーラスを歌うように促すと、客席から一体感のあるハーモニーが生まれ、その上にストリングスの壮麗な音色が重なる。曲の世界観に寄り添った照明の演出も相まって、場内が神秘的なムードで包まれた。

さらに「アコースティックだけど踊れないことなんてないから!」という言葉とともに始まった「独⾃のLIFE」、SUPER BUTTER DOG時代の楽曲「サヨナラCOLOR」が披露されたところで、ライブは再び永積1人の弾き語りへ。高校生のときに初めてカバーした英語曲だというBob Marley & The Wailers「No Woman, No Cry」、カルロス・トシキ&オメガトライブ「アクアマリンのままでいて」とカバー曲が連続で届けられた。「アクアマリンのままでいて」はもともとライブのセットリストに組み込まれていなかったが、永積はこの曲が主題歌として使われた1988年放送のドラマ「抱きしめたい!」を最近配信で観たことを受けて急遽演奏することに。「思いが入りすぎて……この曲を歌いたい気持ちが(笑)。数日前に、このライブに(「抱きしめたい!」に出演した)岩城滉一さんが来る夢を見たんです」と明かして観客を笑わせた。

夏を愛おしむ新曲「ビッグスマイルズ」

ハナレグミ「Faraway so close」東京・日比谷公園大音楽堂(日比谷野音)公演の様子。(Photo by RYO MITAMURA)

ハナレグミ「Faraway so close」東京・日比谷公園大音楽堂(日比谷野音)公演の様子。(Photo by RYO MITAMURA)[拡大]

永積崇(Photo by RYO MITAMURA)

永積崇(Photo by RYO MITAMURA)[拡大]

ライブ終盤はハナレグミとしてのデビュー曲「家族の風景」、コロナ禍に発表されたアルバムの表題曲「発光帯」と続く。アンコールでは、今回のライブ会場で500円のワンコインCDとして販売された約2年半ぶりの新曲「ビッグスマイルズ」が披露された。この曲は作曲を永積、作詞を永積と詩人・御徒町凧が手がけ、編曲に初のタッグとなる気鋭のギタリスト西田修大を迎えて制作されたミディアムナンバー。過ぎていく夏を愛おしむ歌が秋空に優しく吸い込まれていった。そしてライブのラストには、チャールズ・チャップリンが作曲した楽曲として知られる「Smile」が日本語詞を乗せたバージョンで届けられる。再びステージに登場した徳澤青弦カルテットがストリングスを奏でる中、永積は椅子をパートナーに見立ててしなやかにダンス。拍手喝采を浴びながら日比谷野音ワンマンを締めくくった。

なお、ハナレグミは2024年3月に東京と大阪でワンマンツアー「THE MOMENT 2024」を開催。カルテットとホーンを迎えたスペシャル編成でライブが披露される。

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セットリスト

ハナレグミ「Faraway so close」2023年10月1日 東京・日比谷公園大音楽堂(日比谷野音)

01. ブルーベリーガム
02. マドベーゼ
03. ハンキーパンキー
04. あいまいにあまい愛のまにまに
05. 明日天気になれ
06. 祝福
07. 男の⼦と⼥の⼦
08. 夢の中
09. ⾳タイム
10. 独⾃のLIFE
11. サヨナラCOLOR
12. No Woman, No Cry
13. アクアマリンのままでいて
14. 家族の⾵景
15. 発光帯
<アンコール>
16. ビッグスマイルズ
17. 光と影
18. Smile

ライブ情報

THE MOMENT 2024

2024年3月21日(木)大阪府 フェスティバルホール
2024年3月27日(水)東京都 LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)

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ハナレグミ official @hanareOffcial

10/1(日)に東京・日比谷野外大音楽堂で開催された「Faraway so close」のライブレポートが「音楽ナタリー」にて公開されました!
ぜひ、ご覧ください♪
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■WEB「音楽ナタリー」
https://t.co/ETf9so5xeX
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Photo by ryo mitamura https://t.co/8thBqQqiBn

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このページは株式会社ナターシャの音楽ナタリー編集部が作成・配信しています。 ハナレグミ の最新情報はリンク先をご覧ください。

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