そらる、ファンに15年分の感謝伝えたツアー最終公演「皆さんこれからも付いてきてください」

そらるのワンマンライブツアー「SORARU LIVE TOUR 2023 クリスタリアルスカイ -ORCHESTRA-」の最終公演が、8月12日に東京・東京ガーデンシアターで開催された。

「SORARU LIVE TOUR 2023 クリスタリアルスカイ -ORCHESTRA-」は、そらるの活動15周年を記念して企画されたもの。そらるが2019年11月に行ったワンマン以来およそ4年ぶりとなるオーケストラ編成での公演で、会場には彼の15周年を祝うべく多くのファンが詰めかけた。

青色のペンライトの灯りが会場を埋め尽くす中、ライブはステージにずらりと並んだオーケストラメンバーによる壮大な演奏で幕開け。大きな拍手を浴びて登場したそらるは、オープニングナンバー「she」でその透き通った歌声をじっくり聴かせたかと思うと、そのまま疾走感あふれる「敗北の少年」を繰り出して序盤からオーディエンスの心をグッとつかんだ。そらるは満員の客席を眺めながら「皆さんに支えられながらここまで歩いてくることができました。今日は最後まで一緒に楽しんで、最高の1日にしましょう！ よろしく！」と勢いよく呼びかけると、さわやかなポップナンバー「ユーリカ」で演奏を再開。ファンタジックな世界観の「嘘つき魔女と灰色の虹」や、繊細なボーカル表現が光るミディアムバラード「愛言葉」に、激しいロックナンバー「アノニマス御中」を続けてオーディエンスを魅了した。

そらるがMCで「花火大会や海水浴、バーベキューなど夏らしいイベントを何もしてないという人いますか？」とファンに尋ねると、客席からたくさんの手が上がる。その様子を見たそらるが思わず「嘘だろ……いいのかそれで？」とつぶやくと、場内は和やかな笑いで包まれた。そらるはリラックスした表情でファンとのコミュニケーションを楽しんだのち、「夏のイベントを何もやってない人もいるけど、今日が夏祭りみたいなもの。一緒に夏の思い出を作っていきましょうか」と語ると、「夢のまた夢」「怪獣の花唄」「Fire◎Flower」とテイストの異なるサマーチューンを熱唱。ボーカリストとしての表現力の豊かさを感じさせるステージで観客を圧倒した。そらるは「Fire◎Flower」を歌い終えたところで一旦ステージから退場。このパートでは、腕利きのバックバンドとオーケストラメンバーが「キルクス」を抜群のコンビネーションで奏でて会場を大いに盛り上げた。

ライブ終盤、そらるとこの日のバンドメンバーでもある事務員Gが15年の活動を振り返る。そらるが客席に広がる光景を眺めながら「15年前はこうなるとは思ってなかった」と感慨深げにつぶやくと、事務員Gは「そらるくんと出会ったのは14年くらい前なんですけど、そのときの俺に言いたい。『この人すごくなるよ！』って」とうれしそうに語った。そらるは事務員Gとのトークでファンをひとしきり楽しませると、「少女レイ」「文学少年の憂鬱」「それがあなたの幸せとしても」などの楽曲を、バンドサウンドとストリングスが絡み合う、本公演ならではの特別なライブアレンジでパフォーマンスして会場全体に高揚感をもたらした。そして、ここまでライブを見守ってきたファンに改めて感謝を伝えると、「彗星列車のベルが鳴る」「テレストリアル」をまっすぐに歌い上げてステージを去った。

そらるは強烈なアンコールに応えて再び観客の前に現れると、7月開催のファンミーティングでリベンジを誓ったというYOASOBI「アイドル」のカバーを披露。複雑な曲構成の「アイドル」をそらるが軽やかに歌い上げると、観客は楽しそうに体を揺らして演奏に耳を傾けた。そらるは最後に「いつか活動が止まってしまうかもしれないけど……まだその予定はないので、行けるところまで皆さんこれからも付いてきてください。皆さん、今日はありがとうございました！」と告げると、キラーチューン「ワンダー」で会場のテンションを最高潮に導き、大盛況の中で15周年ライブを締めくくった。