全国5都市で8公演が実施された「CHECKMATE」のツアータイトルには、「目標はドームツアー開催」と公言しているM!LKが、夢を本気で叶えるためにさらなるステップへ“勝負を仕掛ける”という思いが込められた。ツアーファイナルが行われた東京ガーデンシアターは、M!LKのキャリアの中で最大規模の会場。チケットはソールドアウトという盛況の中、公演はCSテレ朝チャンネル1で生中継も行われた。
5人が力強い眼差しでチェス盤の上を進むオープニング映像がライブの始まりを告げたのち、一瞬の強い光に包まれた東京ガーデンシアター。光の瞬きが消えた瞬間、それまでステージ奥に置かれていた5つのポーンの駒と入れ替わるように、5脚の玉座に腰掛ける5人の姿がみ!るきーず(M!LKファンの呼称)の眼前に飛び込んでくる。魔法のような登場方法に驚きの歓声が響く中、5人は「自らの手で未来の光をつかみ取る」という強い決意を歌う「HIKARI」を1曲目に届けた。
パワフルなデジタルサウンドが聴く者をテンションを引き上げる2曲目の「INFINITY TRY」では、彼らが力強く拳を掲げながら叫ぶ「TRY!」の声に合わせてみ!るきーずのペンライトも勢いよく上がり、会場の一体感はぐんぐんと高まっていく。元気印の最年少・曽野舜太の「東京! 盛り上がっていくぞー!」という呼びかけから「ボクラなりレボリューション」になだれ込むと、間奏の自己紹介パートでそれぞれファンに挨拶したメンバー。山中柔太朗の「俺らに愛される覚悟できてんの? 世界一幸せにしてあげるからどうぞよろしく!」という宣言にファンのみならずメンバーからも「キャー!」という声が上がると、鹿児島出身のリーダー・吉田仁人はおなじみの「チェスト!」コールをみ!るきーずと往復して「最高!」と満足げに笑みを浮かべる。佐野勇斗も「元気そ?」といつもの挨拶で客席のテンションを確かめたのち「最後まで、声ブチ上げていこうぜ!」と、声出しが解禁された聴衆を鼓舞した。
念入りなコールと振付のレクチャーののちに始まった「シアワシェイク」ではメンバーの指導の甲斐もあって、み!るきーずの息ぴったりのコールと手振りが5人のハイテンションなパフォーマンスを彩った。バックダンサーを務めたM!LKの後輩グループ・ICExの面々もめいっぱいにステージを盛り上げる中、ステージ中央で顔を合わせた勇斗と塩崎太智は「だいてぃん(太智)がいて、大好きなはやちゃん(勇斗)がいて、音楽があれば」と歌詞を言い換えて笑顔を交わし、会場に渦巻くハッピーなムードを加速させていく。そして、今ツアーが初披露となったキュートなラブソング「テレパシー」では、ステージ奥のビジョンに5人のキュートなキメ顔が抜かれるたび、悲鳴のような歓声が上がる。メンバーは顔を寄せ合ったり、アイコンタクトを取り合いながらみ!るきーずに笑顔を届け、勇斗は歌声を響かせる柔太朗の頬にキス。柔太朗と聴衆の驚きを誘い、客席の視線を一身に集めていた。
立ちはだかるチェスの駒に5人が立ち向かっていく姿を描いたシリアスなインタールード映像に観客が見入っている間、ステージから姿を消していた5人はポップアップで勢いよくみ!るきーずの前に姿を見せた。フューシャピンクの色鮮やかな衣装に着替えた彼らは、音玉の爆音を合図に「May」をドロップし、エネルギーに満ちた力強い歌とダンスでこれまでの空気を一気に塗り替えてみせる。ハートウォーミングなミドルテンポのラブソング「君とスクロール」を、光る傘を使ったパフォーマンスでストーリー性豊かに表現すると、続く「energy」では無数のレーザー光線がうごめく中でテクニカルな表現を見せたM!LKの5人。続く「かすかに、君だった。」は、このツアーのために壮大なバラードアレンジが施され、メンバーは儚さや切なさをにじませる普段の歌唱とは色をがらりと変えた力強いボーカルワークを披露して人気曲の新たな側面を提示してみせる。仁人はオリジナルではファルセットを使っていた落ちサビを地声で豊かに歌い上げ、確かな進化を見せて聴衆を魅了していた。
柔太朗の「一旦結婚しようか?」という驚きの決めゼリフにみ!るきーずの悲鳴が響いた「テルネロファイター」を経て、5人が多彩な表情と確かなパフォーマンス力を示したこのセクションは、スタンドマイクでじっくり曲を歌い上げる「It's only LOVE」で締めくくられた。2度目のMCでは、この日が荒天だったという話題から、勇斗が「今日車でここに来るときね、柔太朗が窓の外の天気を見ながら『うわー、ファンの子ごめんね……』ってつぶやいてて!」と、柔太朗の“イケメンエピソード”が明かされる場面も。5人の仲のよさが表れたにぎやかなやりとりの中では仁人が改めて客席を見つめ「ガーデンシアターでライブができると知らされたとき『すごっ!』と思ったんですけど、本当にすごいね。パンパンじゃない!」「この『CHECKMATE』で、M!LKが成長できた気がするわ」と、噛み締めるように自身の感慨を明かしていた。
仁人と同じように客席を見上げた柔太朗は「ここまで付いてきてくれて本当にありがとうございます。僕らには夢見た景色があって、それをみんなと見たいです」と思いを語る。「次の曲は、このツアーを通して大切に歌ってきた曲です。僕たちと一緒に先に進んでいきましょう」という彼の言葉からみ!るきーずに送られたのは「何処へ」。広いステージの各所に広がった5人は、まっすぐな歌声をつないでオーディエンスへと思いを届ける。思い切り力を込め、勇斗が「行くんだよ」と最後のフレーズを歌い上げて曲を締めくくると、客席からは温かな拍手の音が沸き上がった。
チェス盤の上に花が咲き乱れた光景に5人が柔らかな笑みを浮かべる、という希望にあふれたインタールード映像を経て、「CHECKMATE」はクライマックスへ。ベージュとグレーのツートーンカラーにゴールドの装飾がきらめく衣装でファンの前に戻ったメンバーは、カラフルな花咲く映像をバックにメジャーデビュー曲「Ribbon」を披露し、み!るきーずを温かく包み込むような悠然としたパフォーマンスを見せる。勇斗の「やっと出会えたね」というセリフとウィンクに悲鳴のような歓声が上がった「奇跡が空に恋を響かせた」で会場にさわやかな風を運んだのち、「Brave Saga」でギアを切り替えた5人。間奏にはともにステージを作り上げたICExのメンバーの紹介も行いながら、全力の呼びかけでコールを求めてこの日一番の一体感を作り上げた。桜吹雪舞うドラマティックな映像を背に、5人が肩を組んで歌声を響かせた「桜咲く頃には」では、勇斗が自分のパートの歌詞を変えて「み!るきーずがいたから!」と感謝の思いを叫ぶ場面も。満員の客席から送られる大きな声援を受けながら作り上げた熱狂のステージに、仁人は最後のMCで「本当にすごいです。3年ぶりに声援を聞けたというのもそうなんですけど、ツアーを通して成長できたって、メンバーみんな感じていると思う。自分たちの決意を込めて『CHECKMATE』というタイトルを付けたこのツアー、何かがつかめたんじゃないかなと思えるツアーでした」と実感を語り「こういうグループにいられることも、パフォーマンスする場所があることも本当に幸せなことだなって、今めちゃくちゃ幸せを感じています。どんどん成長した姿を見せて、皆さんにもらった分の幸せを5000倍くらいにして返していきたいと思うので、これからもよろしくお願いします!」と誓う。そして5人は、「僕らが君を照らす“星”になる」という思いを歌うバラード「STARS」を本編のラストナンバーとして披露。曲を終えると、勇斗は万感の思いを込めて「M!LKでいられて幸せです。ありがとう!」と声を上げる。彼らが5脚の玉座に座ってファンの前から姿を消すと、代わって現れたポーンの駒の上には王冠が輝き、“チェックメイト”が完了したことを観る者に伝えた。
み!るきーずの大きな「もう1杯!」の声を受けて始まったアンコールでは、「恋がはじまる」に乗せて5人が客席通路へ。アリーナフロアや上層階に突如姿を見せたメンバーの姿に会場全体が沸き立ち、ガーデンシアターは大きな熱狂に包まれた。メンバーの自己紹介が盛り込まれた歌詞が楽しげなムードを加速させた「フレ!フレ!オレ!」が続けて披露されると、M!LKの5人はここで6月14日にリリースされるメジャー1stアルバム「Jewel」から、新曲「topaz」を初披露。楽曲について、柔太朗は「トパーズは、M!LKが結成された11月の誕生石で『誠実』や『希望』という石言葉があるんです。大切な人を守りたい、そんな思いを込めた曲になっています」と語り、仁人も「本当にお気に入りの曲です。いろんなことを乗り越えてきたからこそ、この曲を歌えるなと思います。歌うことができて光栄です」と思いを伝えた。
「寂しいです、終わるのが嫌です」と名残惜しさを全開にする仁人の言葉を受け止めつつラストナンバーへと進んだ5人は、勇斗の曲紹介から「Winding Road」でこの日のライブを締めくくった。円陣を組んだメンバーが笑顔を交わすシーンから始まるこの曲で、この先の“Winding Road”もまっすぐに、自分たちらしく進んでいくことを誓ったM!LK。彼らは曲を終えるとツアーを駆け抜けた今の心境をみ!るきーずに伝えてゆく。「皆さんと楽しい時間を過ごすために、日々努力してきました。みんなに届きましたか?」と伝えた太智に続き、勇斗は「みんなの声が聞けて顔を見ることができて、肌で感じられるこの空間が好きです。また会えるときまでみんな元気で。自分を強く持ってがんばっていきましょう」と呼びかける。柔太朗は「『コンサートってこんなに楽しいんだ』と思ったし、みんなが気持ちを伝えてくれることが俺の幸せだなって思います」と笑顔でみ!るきーずに語りかけた。
「この5人で、M!LKでライブできることが本当に幸せなことだなって思いました」と伝えた舜太に続き、仁人は最後に「この『CHECKMATE』で声援のすごさを実感して、『あ、ライブってこれだな』と感じました。(コロナ禍の)3年間でいろんな経験値を得たし、試行錯誤を繰り返した先でみんなに会えたのが幸せです。この5人で歌い続けていきたいと思うし、『M!LKがいるからがんばろう』と思ってもらえるように輝いていたいです。めちゃくちゃリハーサルを重ねて、めちゃくちゃトレーニングして、めちゃくちゃいいライブを届けられるように、これからもがんばっていきたいと思います!」と誓った。
5人がオフマイクで「今日は本当にありがとうございました!」と叫んでステージから姿を消すと、場内のビジョンにはM!LKの初のアリーナワンマンである「M!LK 1st ARENA “HAPPY! HAPPY! HAPPY!”」が10月22日に神奈川・横浜アリーナで開催されることが告知された。歓喜の声が客席全体から上がる中、勢いよくステージに戻った5人はみ!るきーずと興奮を共有。仁人は「『皆さんを幸せにしたいと』いう気持ちでタイトルを決めました。来てくれた人は絶対に幸せにします!」と、力強く約束した。
M!LK CONCERT TOUR 2023「CHECKMATE」2023年5月7日 東京ガーデンシアター セットリスト
01. HIKARI
02. INFINITY TRY
03. ボクラなりレボリューション
04. めちゃモル
05. シアワシェイク
06. テレパシー
07. May
08. 君とスクロール
09. energy
10. かすかに、君だった。
11. テルネロファイター
12. It's only LOVE
13. 何処へ
14. Ribbon
15. 奇跡が空に恋を響かせた
16. Brave Saga
17. 桜咲く頃には
18. STARS
<アンコール>
19. 恋がはじまる
20. フレ!フレ!オレ!
21. topaz
22. Winding Road
※塩崎太智の崎は、たつさきが正式表記。
※記事初出時、本文に一部誤りがありました。お詫びして訂正いたします。
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