indigo la Endとゲスの極み乙女、春の野音で多彩な楽曲届けた約1年半ぶりの「馳せ合い」

indigo la Endとゲスの極み乙女によるツーマンライブ「馳せ合い vol.3」が、4月1日に東京・日比谷公園大音楽堂（日比谷野音）で開催された。

2組のツーマンライブが行われるのは、2021年12月開催の「馳せ合い vol.2」以来およそ1年半ぶり。当日は開演前から佐藤栄太郎（Dr / indigo la End）のDJパフォーマンスが披露されたほか、ステージには2組のネームロゴが配置されたりと特別な雰囲気の中での開催となった。先攻のゲスの極み乙女は「星降る夜に花束を」でライブの口火を切る。川谷絵音（Vo, G）が「今日声出せるって！」と呼びかけると、客席からは大歓声が起こった。ゲスの極み乙女はその後、ほな・いこか（Dr / ゲスの極み乙女）の「東京、行くぞー！」の言葉を合図に「だけど僕は」「某東京」をパフォーマンス。川谷はステージを動き回りながらオーディエンスを煽り、そのリアクションを楽しんだ。

ゲスの極み乙女は日比谷公園大音楽堂が施設の老朽化により2024年度以降に建て替えられることについて触れ、川谷の「今の野音に課長のベースソロがすごかったっていう記憶を残したい」という振りから休日課長（B / ゲスの極み乙女）が、「さらにそれを超えるちゃんMARIのキーボードソロが聴きたくないですか？」という振りからちゃんMARI（Key / ゲスの極み乙女）がそれぞれソロ演奏を披露。「最近ドラマーよりも女優として見ることのほうが多いけど、女優をやってる間もドラマーの魂がどんどん大きくなってるんでしょ？」という問いかけに、ほな・いこか（Dr / ゲスの極み乙女）は「そうよ！ 楽しい！」と答えてパワフルなドラムソロを披露した。ゲスの極み乙女はその後、川谷がアコースティックギターを弾く「人生の針」や、艶やかなエレピの音色で始まる「はしゃぎすぎた街の中で僕は一人遠回りした」を披露。「キラーボール」では、ちゃんMARIが間奏の「幻想即興曲」をやり直す場面も見られた。4人は最後に「いけないダンス」を届けてステージをあとにした。

続いて登場したindigo la Endは四つ打ちのイントロダクションを経て、華やかなコーラスで幕を開ける「想いきり」からライブをスタート。サビで一斉に手が上がると、多くのオーディエンスが身に着けている藍色のバンドルライトが浮かび上がり夜の野音を埋め尽くした。その後は長田カーティス（G / indigo la End）がアコギを弾いて届けた「華にブルー」、繰り返される転調が印象的なジャジーヒップホップ「ラッパーの涙」など、indigo la Endならではの繊細さとポップさを兼ね備えた楽曲を披露。「夜明けの街でサヨナラ」では客席からハンドクラップが湧き起こり、長田と後鳥亮介（B / indigo la End）もステージ前方に出て演奏を届けるなど、一体感のあるステージが繰り広げられた。

川谷が「この曲を野音でしばらくやれないと思うと寂しいですけど、今日の景色を覚えて帰るので、皆さんもいい思い出として目に焼き付けてくれたら」と告げて歌唱した「夏夜のマジック」では、再びバンドルライトが幻想的な光景を作り出し、ラストナンバー「夜光虫」は曲の後半に歌詞に合わせて照明が赤から青へと鮮やかに切り替わるなど、野外のシチュエーションと相まって場内には美しい光景が広がった。indigo la Endは会場が大きな拍手に包まれる中、アンコールに突入して未発表曲「瞳のアドリブ」をプレイ。そして「最後は野音でロックなindigo la Endを見せて終わりたいと思います」と話して「晩生」をパフォーマンスし、サイケデリックな音の渦の中でライブを終えた。2バンドのステージが終了すると、ゲスの極み乙女のメンバーも姿を現し、3月30日が誕生日だった長田をみんなで祝福。1年半ぶりの「馳せ合い」は和やかなムードで幕を閉じた。

なお「馳せ合い」は6月29日に大阪・大阪城音楽堂、7月1日と2日に宮城・SENDAI GIGSで開催される。