櫻坂46菅井友香、念願の東京ドームで晴れやかに卒業！“がんばりき”アーチを駆け抜け新たな道へ

櫻坂46の全国ツアー「2nd TOUR 2022 "As you know?"」の最終公演が昨日11月9日に東京・東京ドームにて行われ、この公演をもってキャプテンの菅井友香がグループを卒業した。

全国6都市で計12公演が実施された今回のツアー。ファイナル2DAYSの会場となった東京ドームでの公演は彼女たちがまだ欅坂46だった2019年のアリーナツアー以来で、櫻坂46としてはこれが初めて。キャプテン菅井の念願だった「櫻坂46としてもう一度このステージに立ちたい」という思いは、彼女のラストコンサートとして実現した。

開演時間が近付いたところで、土生瑞穂、増本綺良、そして菅井の3人による影ナレでコンサートの諸注意事項が伝えられ、菅井は「まもなく開演します。みんなのことが大好きです。100万馬力でがんばりきー」と自身の決めゼリフで満員の東京ドームを煽った。Buddies（櫻坂46ファンの呼称）のテンションを高める「Overture」が鳴り響いたかと思うと、場内は暗転。英語によるナレーションに合わせて巨大なビジョンに「As you know?」という文字が浮かび、ニヤリと笑う菅井の表情が浮かぶ。ハードなトラックに乗せて次々と展開するダンスパフォーマンスを披露し、1stアルバム「As you know?」収録曲「条件反射で泣けて来る」でライブの幕を開けた。冒頭の影ナレではライブ序盤のペンライト点灯を制限するアナウンスがなされており、Buddiesたちは映像や照明とシンクロするメンバーのパフォーマンスを食い入るように見つめる。東京ドームを一直線に貫く花道の上を、山崎天はグランドピアノを演奏しながら高速移動。頭上には満月を思わせる黄色いミラーボールがきらめき、ドーム全体が幻想的なムードに包まれた。さらに「BAN」「Dead end」「断絶」「流れ弾」と続けざまにパフォーマンスを繰り広げる櫻坂46。楽曲ごとに異なる演出で楽曲の世界観を鮮烈に表現し、刺激的なライブ空間を作り上げた。

開幕から約30分、ノンストップでパフォーマンスを展開した櫻坂46はようやく笑顔を見せて挨拶。菅井は2019年の東京ドーム公演で「いつかまたここに戻ってくる」と話していたことを振り返り、「あれから3年経って、こうして新しい仲間とこの場所に帰ってくることができて本当にうれしいです」と満員の東京ドームを見渡しながら、Buddiesへの感謝を伝えた。そして「ここからは皆さんお手持ちのペンライトをぜひキラキラと灯していただけたら」と菅井が告げると、ドーム内は一斉に明るさを増す。その後の進行を委ねられた2期生の武元唯衣は「約2年前に私たちは櫻坂46として活動を始めて。葛藤を抱えながらのスタートだったんですけど、まっすぐがんばっていたら櫻坂46らしさを見つけられるかな、そんなことをただひたすら信じて、誰1人後ろを振り向かずにがむしゃらにやってきて……その結果がこのツアーだと思います。1から作ってきたものを堂々と胸を張って皆さんにお届けしたいという、そんな覚悟が詰まったツアーです」とツアーファイナルに懸ける意気込みを伝える。そして同じ2期生たちとキャプテン菅井との最後のステージへの思いを語り合い、「最高の思い出作る準備できてるかー？」とBuddiesたちを焚き付けた。

すると「みんなー、こっちだよー！」という菅井の声が響き、菅井、上村莉菜、小池美波、小林由依、齋藤冬優花、土生の1期生6人によるナンバー「タイムマシーンでYeah!」へ。6人は私服風の衣装でトロッコに乗り込むと、アリーナを移動しながら笑顔を振りまき、最後は6人で「がんばりき」ポーズを決めた。入れ替わるように登場した2期生の藤吉夏鈴と森田ひかるは、ユニット曲「One-way stairs」を黒い衣装でクールにパフォーマンス。続いて井上梨名、大園玲、田村保乃が桜の木をバックに「ずっと 春だったらなあ」を歌うと、会場はBuddiesが照らすペンライトで一面桜色に。武元、森田、山崎、守屋麗奈がガラスケースのようなトロッコで花道を移動しながらラップナンバー「制服の人魚」を歌うと、シャボン玉とカラフルなペンライトの灯りがポップな楽曲を華やかに演出した。

暗転ののち、巨大なビジョンに夜景が広がり、やがてスタンドライトの下で読書をする大園玲にスポットが当たる。夜景はやがて森の中を思わせる緑へと切り替わり、山崎の歌い出しから4thシングル曲「五月雨よ」へ。サロペットスカートに着替えた櫻坂46は立体的なステージ上で演じるように「五月雨よ」を歌い、うっとりとした笑顔を浮かべた。間髪いれずに始まった「なぜ 恋をして来なかったんだろう？」では曲中に藤吉がフライングを披露。軽やかに宙を舞う演出でBuddiesを驚かせた。一転、激しいレーザー光線を放ちながらせり上がるステージの上で森田が鋭い視線で不敵な表情を浮かべると、「Nobody's fault」のイントロが流れ出す。欅坂46から櫻坂46へと転生した「欅坂46 THE LAST LIVE」で新たな一歩として披露されたこの曲を、約2年の成長を見せつけるようにパワフルにパフォーマンスした。その後センターステージに集まったのは、4thシングル曲「五月雨よ」のバックメンバー。土生をセンターに据えた「I'm in」を明るく歌い上げた。Buddiesの由来となった楽曲「Buddies」ではメンバー全員がステージいっぱいに広がり、Buddiesを見つめるように歌声を届ける。間奏では菅井が「櫻坂46になって2年、私たちにはこんなに心強いBuddiesという仲間ができました。私たちの目標であった東京ドーム、こうしてツアーファイナルとして立つことができて本当に幸せです！ 今日皆さんが見せてくださったこのキラキラの景色は一生忘れません！ これからもBuddiesの皆さんと櫻坂46がたくさんの幸せな思い出を重ねていけますように。これからもBuddiesでいてくださいね。約束ー！」と胸の内をあふれさせた。

ライブ終盤を控えたMCのコーナーでは、次期キャプテンに任命された2期生の松田里奈が進行を担当。1期生の菅井、小池、小林に今回のツアーへの思いを聞き、菅井からは「よろしくね、キャプテーン！」と背中を押された。「ラストだぞー！もっとー！ ラストスパート盛り上がっていくぞー！」という松田の煽りから、ライブはいよいよクライマックスへ。ものものしいブザー音が鳴り響く中、黒いレザーの衣装にチェンジした櫻坂46は、さまざまな楽曲をマッシュアップしたBGMに乗せて激しいダンスを披露。レーザー光線がまっすぐに照らす花道をトロッコで移動しながら「車間距離」を歌い、「恋が絶滅する日」では抜群のチームワークで息の合ったパフォーマンスを見せる。壮大なレーザー演出ののち、巨大ビジョンに「LAST SONG」の文字が浮かび上がると、とうとうラストナンバーへ。白い衣装へと早着替えした櫻坂46はアルバム「As you know?」のリード曲「摩擦係数」をパワフルに熱唱し、巨大な爆発音とともにライブを終えた。

アンコールを求めるBuddiesの拍手を止めたのは、懐かしいSEの音。欅坂46時代の「Overture」が流れ出すと、場内はペンライトで一気に緑に染め上げられる。欅坂46のロゴがビジョンに浮かび、ステージに現れたのは欅坂46の衣装を着た櫻坂46メンバー。菅井がセンターに立ち、歌い始めたのは「不協和音」だ。菅井は2018年に行われた欅坂46のデビュー2周年ライブ「欅坂46 2nd YEAR ANNIVERSARY LIVE」でもこの曲のセンターを務めており、不安を抱えながらパフォーマンスした思い出をたびたび口にしている。ラストステージで再びセンターに立った「不協和音」では振り絞るように「僕は嫌だ！」と叫び、最後は充実した笑顔で締めくくった。鳴り止まない拍手を激しいギターの音がさえぎり、続いても菅井がセンターを務める「砂塵」へ。この曲では菅井が豪快なフライングを披露。笑顔で肩を組んだり抱き合ったりと、菅井との最後のステージを楽しむメンバーの微笑ましい姿がビジョンに大映しとなった。

会場の興奮冷めやらぬ中、ビジョンには「昔の写真を見返してて……」と菅井がスマートフォンに収められた約7年分の思い出の写真を愛おしそうに眺める姿が映し出される。「変わりたいのに、変われない。そんな私に自信をくれたのは、私のありのままを受け入れてくれたメンバーだった。何度も逃げ出したくなった。押し潰されそうにもなった。でも、みんなのおかげで前を向けた。ありがとう。ありがとう。私はこのグループでキャプテンを務めたことを誇りに思います」という菅井のメッセージが過去の映像とともに流れ、壮大な音楽に乗せてドレス姿の菅井が1人でステージに現れると、ドームは再び大きな拍手に包まれる。姿勢よく深々とお辞儀をした菅井は、櫻坂46として最後の言葉をBuddiesたちに伝えていく。

「2015年、メンバーとして加入して、2016年に『サイレントマジョリティー』で欅坂46としてデビューさせていただきました。思い返すと波瀾万丈なアイドル人生でした。キャプテンに任命されたのは人生の転機だったなと思います。すごく複雑でアンバランスな部分のあるグループをまとめることは、すごくすごく難しかったです。思うようにいかない日もありました。心から笑うことが難しくなってしまった時期もありました。そんなとき、応援してくださる皆さんがいてくれたことが本当に本当に心の救いでした。まだまだ未熟な自分を受け入れて期待してくださることが本当にうれしかったです」と過去の苦悩を語った菅井。「櫻坂46になってからメンバーのみんなの笑顔がたくさん増えた、といろんなところでお話させていただきましたけど、私も自然と心が明るくなって、たくさん笑えることが増えました。一緒に戦ってきたかけがえのない1期生のみんな、ありのままの私を受け入れてくれるかわいいかわいい後輩もできました」とメンバーへの思いを口にするうちに涙があふれ、「今、お別れするのがすごくさびしいです」と思わず本音を漏らしてしまう。そして「この2年で成長して、たくましい桜になったと思います。みんな一生懸命で前を向いて、頼もしいメンバーです。そんな櫻坂46の魅力が、もっともっといろんな方に伝わってほしいと心から思っています。そんな自慢のグループにこれから3期生のみんなも入ってきてくれるので、どんな子が来てくれるのかなと私もわくわくしています。これからの櫻坂46も応援していただけたらうれしいです。大好きな欅坂46も、大好きな櫻坂46も、それぞれにしかない魅力がたくさんあります。どっちがいい悪いじゃなく、それぞれを尊重しながら愛してくれたらうれしいなと思っています」とグループへの愛情を語った。

そこへ櫻坂46メンバーが合流し、1人ずつ菅井に宛てた手紙と花を手渡していく。菅井は1人ひとりの言葉に耳を傾け、しっかりと愛情を込めて抱き合った。「感謝の気持ちであふれています。みんな本当にありがとう。愛にあふれたこんな素敵なメンバーのことをよろしくお願いします」と改めてBuddiesたちに思いを告げると、「私の卒業に際し、秋元康先生が書き下ろしてくださいました。みんなとのお別れはさびしいんですが、次の道に進むために、踏み出すために、今日ここで大切に歌わせていただけたらと思います」と、櫻坂46として最後に歌う1曲をコールする。11月8日に配信リリースされた新曲「その日まで」だ。菅井は1人ひとりと手をつなぎ、抱き合いながら花道を歩く。上昇するステージで「今日、私菅井友香は櫻坂46を卒業します。たくさんの方々に支えていただき、大好きなメンバーに支えてもらい、ここまで走り抜けることができました。また大好きな皆さんにお会いできるように、明日からは新しい道を走り出したいと思います。またお会いできるまで待っていてもらえたらうれしいです。今日までグループを守るために戦ってきました。悲しいこともあったけど、最っ高に楽しかったです！ 7年間の応援ありがとうございました！」と叫ぶと、最後はメンバーが作った「がんばりき」ポーズのアーチをくぐって全力疾走。桜吹雪の舞う中で深々とお辞儀をし、ステージを去る間際、振り向くと「がんばりき」ポーズで満面の笑顔を見せた。

菅井の去ったステージには、新たな道を行く19人の櫻坂46メンバーが。松田がメンバーを代表して「これからも櫻坂46は坂を上り続けていくので、Buddiesの皆さんに『これからも櫻坂46と歩んでいきたい』と思っていただけるようなグループになります」と宣言し、全員晴れ晴れとした表情でステージをあとにした。

なお、この日のセットリストは櫻坂46の公式プレイリストとして各サブスクリプションサービスで公開されている。

※山崎天の「崎」はたつさきが正式表記。