26時のマスカレイドが6年間の歴史に幕、ラストライブ「curtain call」に込めたグループとファンへの愛

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26時のマスカレイドのラストライブ「26時のマスカレイド LAST LIVE『curtain call』」が本日10月30日に東京・東京国際フォーラム ホールAで開催された。

「26時のマスカレイド LAST LIVE『curtain call』」の様子。(Photo by Yuto Fukada)

「26時のマスカレイド LAST LIVE『curtain call』」の様子。(Photo by Yuto Fukada)

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26時のマスカレイド(Photo by Yuto Fukada)

26時のマスカレイド(Photo by Yuto Fukada)[拡大]

「読モBOYS&GIRLS×Zipperアイドルオーディション」から誕生し、ちょうど6年前の2016年10月30日にお披露目された26時のマスカレイド、通称ニジマス。「FASHION & EMOTION」を活動のテーマに掲げる彼女たちは、ハイレベルなビジュアル、愛嬌あふれるキャラクター、バリエーション豊かな楽曲でファンを増やしてきたが、今年4月に「決して後ろ向きな決断ではなく自分たちの未来のためにこのタイミングが一番」というコメントとともに、10月30日をもって解散することを発表した。今年9月に実現した念願の東京・日本武道館公演に引き続き本日のラストライブには大勢のファンが集まり、会場は満員に。観客はニジマスの最後の勇姿をしっかりと見届けた。

「26時のマスカレイド LAST LIVE『curtain call』」の様子。(Photo by Yuto Fukada)

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江嶋綾恵梨(Photo by Yuto Fukada)

江嶋綾恵梨(Photo by Yuto Fukada)[拡大]

開演時刻を迎え場内が暗転し、オープニング映像が流れ始めると同時に客席が青のペンライトの光で染まる。そしてエレガントな青の衣装に身を包んだメンバーの「ニジマスラストライブ、みんな素敵な瞬間を一緒に過ごしていこうね」という言葉とともに、アイドルフェスを幾度も沸かせてきたキラーチューン「ハートサングラス」でライブの幕が開けると、会場全体のテンションが一気に上昇。城をイメージしたセットや鮮やかなライトの装飾が目を引くステージから、5人は「ずっとニジマス好きな人ー!?」と笑顔で呼びかけた。続いてちょうど1年前に5周年を記念してリリースされた「トルマリン」、初期曲のアッパーチューン「ニジマスエモーション」、ステージ上ではないちもんめを繰り広げる和ロックナンバー「ハナイチモンメ」を披露したニジマスは、いつものようにメンバー1人ひとり自己紹介。リーダーの江嶋綾恵梨は「リハーサルや楽屋の雰囲気は、本当に解散するの?っていう感じで。でも、ダンスの先生とハイタッチした瞬間に実感が湧いて、先生に『近付かないでください』って言ってました(笑)」とラストライブを迎えた心境を口にした。

中村果蓮(Photo by Yuto Fukada)

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来栖りん(Photo by Yuto Fukada)

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自己紹介を終えたニジマスは、きれいなハーモニーが聴く者を惹きつける「二人だけの初めてをもっと」、切なさに満ちた「ゼンキンセン」を情感たっぷりに歌唱。ミュージカルのような世界観とビッグバンド風の軽快なサウンドが特徴の「仮面に隠れたセレナーデ」の曲中にはメンバーの頭上でミラーボールが回り、場内を華やかに彩った。続くブロックでは「マスカレイドは眠らない」「チャプチャパ」「トゥインクル・ディバディ・ドゥ」など、種々様々な楽曲10曲を詰め込んだ“ニジマスメドレー”がスタート。5人はニジマスのライブに欠かせない魚型のグッズ“ニジマスくん”を振り回したり、トロッコで客席近くを回って笑顔を振りまいたりと、会場を高揚感と一体感で満たしていった。

吉井美優(Photo by Yuto Fukada)

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ここに至るまでのグループの歴史をたどるVTRの上映後、ニジマスはステージ上で円になって向かい合い、「アイリス」を歌い始める。歌い出しは息の合ったアカペラで届けられ、「ありったけ 歌って 笑って 叫んで」という歌詞がいつも以上にエモーショナルに観客の胸に響いた。さらに5人は「それは素敵な、ノヴェレッテでした。」「君は青のままで」を立て続けにパフォーマンスし、センチメンタルな空気をより一層強調。しかし「ダンデライオンに恋を」が始まると、一面黄色のペンライトの光に染まり“たんぽぽ畑”と化した客席を前に、メンバーは晴れやかな笑顔を弾けさせた。

森みはる(Photo by Yuto Fukada)

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その後、「あんまりやっぱり実感がないかもしれない」「実感しないまま帰るの?(笑)」と明るく話したり、ファンへの感謝の印としてニジマスの未配信楽曲が各音楽ストリーミングサービスで解禁されたことを告知したりと、ライブが終盤に近付くのを惜しむように和気あいあいとトークを続ける5人。ラストスパートでは「ちゅるサマ!」「GoWay」を経て切ないムードの楽曲「オレンジデイズ」が披露され、曲の途中にはメンバーが目から涙をあふれさせて声を詰まらせる場面も。観客はステージに向かってオレンジのペンライトを振りつつ、彼女たちが歌い踊る姿を目に焼き付ける。ライブ本編の最後には未来への前向きな思いを描いた「未来へのハーモニー」が感動的に響き渡った。

アンコールは、6年前のデビューライブで初披露された記念すべき初オリジナル曲「B dash!」で勢いよくスタート。この曲をはつらつと歌った5人は、ここで1人ずつ順番に自身の思いをファンに伝えていく。森みはるは懸命に涙をこらえながら「6年間お仕事でも、それ以外でもメンバーと過ごす時間が本当に楽しくて。楽しかっただけでずっとやってこれました。ファンの皆さんとお話するときに思ったようにアイドルっぽいことが言えなかったり、みんなが求めているようなことをなかなか返せなくてがっかりさせてしまったこともあったと思います。それでも好きでいてくれたり、応援してくれたりする方がたくさんいることがずっと私の支えでした」と胸の内を吐露し、「明日から『私は26時のマスカレイドの森みはるです』と言うことができなくなるのが正直今でも怖いし、6年前の何もなかった頃に戻ってしまうんじゃないかと心配なところはいっぱいあるんですけど、6年間たくさんの景色を見せてもらって、みんなといろんな経験をさせてもらったので、明日から26時のマスカレイドじゃなくなってもがんばっていけると思います」と力強く言い切る。吉井美優は「6年前はただの高校3年生の芋みたいな女の子だったんですけど、アイドルの道に進んでくれてありがとうとそのときの自分に言いたいです。そしてほかにもアイドルの方やかわいい子はたくさんいるのに、見つけてくれて、好きになってくれて、いつも私たちのことを一番に考えてくれて、こんなにもたくさんの愛をくれて……そんなみんなに出会えたことは本当に宝物です」とファンへの思いを口にしつつ、メンバーに対しては「何かあったら駆けつけるのでいつでも連絡してください」と柔らかい笑顔で語りかけた。

来栖りんは「6年前、ニジマスのオーディションとも聞いてなくて、『ダンス&ボーカルグループを作るんですけど、やりますか?』と言われて、当時15歳だった私は何か経験になればと思ってオーディションを受けました。でも、『人の前でしゃべるのダメなんで止めます』とオーディションの途中で泣きわめいたりして、そんな子供な私をニジマスのセンターに迎えてくださって」と6年前のことを回顧し、「徐々に活動していく中で自我が芽生えたというか、アイドルとしてこうありたい、こうあるべきだという自分の中の夢がふつふつと湧き出てくるものがたくさんあって。そんな夢を同じようにメンバーが追いかけてくれて、友達でも家族でもないファンのみんなが泣いたり喜んでくれたりすることにすごくびっくりして」と続ける。そして彼女は頬を涙で濡らしながら、「理由がないと会えなくなるのがすごく寂しい」「ニジマスでいたという事実が私の誇りです。いつまで経っても私はニジマスを思い出して、ニジマスに支えられてこの先も生きていくと思います」とメンバーやグループへの愛をあふれさせた。

2020年6月にニジマスに途中加入した中村果蓮は、「アイドルって寿命が短いものですけど、短かった分、アイドルを楽しめたし、悔いがなくやりきれたという達成感がすごくあって。今日みんなで最後の日を迎えるのがちょっと怖かったんですけど、自分がニジマスであったということは変わらないですし、自分が心の中でニジマスを消さなかったらいつまでもニジマスはずっとあり続けると思っています。1つの区切りとしてニジマスはなくなっちゃうけど、毎日が楽しくてファンの方には感謝でいっぱいです」と晴れ晴れとした表情で挨拶。江嶋は「6年間、いろんな別れを経験してきて。メンバーもそうですし、スタッフさんとの別れもあって、そのたびに悲しいなと思いながらもこのメンバーで26時のマスカレイドを一生懸命守ってこれたんじゃないかなと思います。守ってきたおかげで果蓮が入ってきてくれて、ニジマスのピースを埋めてくれて。今のニジマス、本当に最強だと思いません?」と問いかけて拍手を浴び、「個人的には今年でアイドルを始めて11年で、中学生の頃からステージに立たせていただいて。最初は楽しいという気持ちだけでやってました。それが武道館にも立てて、いろんなファンの方に出会えてたことで、心が成長できたと思います。アイドルをやりきったと思える日が来るとは思ってなかったけど、このメンバーと一緒にニジマスに区切りを付けられたこと、自分のアイドルというお仕事に区切りを付けられたこと、寂しいけどうれしくもあります」と充実感を顔ににじませた。

「26時のマスカレイド LAST LIVE『curtain call』」の様子。(Photo by Yuto Fukada)

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観客と記念撮影する26時のマスカレイド。(Photo by Yuto Fukada)

観客と記念撮影する26時のマスカレイド。(Photo by Yuto Fukada)[拡大]

思い残すことがないよう、しっかりと言葉を紡いだ彼女たちは、ファンに対する目いっぱいの愛を込めて「心から…」を歌唱する。歌いながら手を左右に振るメンバーに合わせ、観客はペンライトを一斉に揺らした。そして、5人がニジマスとして最後に歌う楽曲に選んだのは「COLORS」。「あの時笑った顔 ずっと忘れない だから 君と どこまでも行けるから」という歌詞が観客の涙を誘い、ラストのサビでは彼女たちの旅の終わりを祝福するようにカラフルなテープが客席に舞った。記念撮影を終え、客席に向けてマイクを通さずに「ありがとうございます!」と声を張ったあと、メンバーはステージ上で涙ながらに円陣を組んでハグ。温かく、盛大な拍手が5人を包み込んだ。

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26時のマスカレイド「26時のマスカレイド LAST LIVE『curtain call』」2022年10月30日 東京国際フォーラム ホールA セットリスト

01. ハートサングラス
02. トルマリン
03. ニジマスエモーション
04. ハナイチモンメ
05. 二人だけの初めてをもっと
06. ゼンキンセン
07. 仮面に隠れたセレナーデ
08. メドレー(マスカレイドは眠らない / ワスレナグサ / トワイライト / ビタースイート / チャプチャパ / ハローハロー / 妄想シンドローム / アイスティーラブ / メロサマ / トゥインクル・ディバディ・ドゥ)
09. アイリス
10. それは素敵な、ノヴェレッテでした。
11. 君は青のままで
12. ダンデライオンに恋を
13. ちゅるサマ!
14. GoWay
15. オレンジデイズ
16. 未来へのハーモニー
<アンコール>
17. B dash!
18. 心から…
19. COLORS

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