9月17~19日の3日間にわたって行われている「YOSHIKI CLASSICAL」は、2018年の東京国際フォーラム公演以来約4年ぶりとなるYOSHIKIのソロコンサート。1時間ほど遅れて始まった初日公演では、まずオーケストラのみでオープニング曲として「I'll Be Your Love」が演奏された。続けて、スクリーンにはYOSHIKIのこれまでの国内外での功績を伝えるビデオが映し出される。最近のYOSHIKIが世界各地を飛び回っていることを示す映像に続き、「I AM HERE NOW」と、“YOSHIKIが今ここにいる”ということを強く印象づける短いメッセージで締めくくられた。開演から30分が経ち、いよいよオーケストラがX JAPANの名曲バラード「Tears」を演奏し始めると、途中からYOSHIKIが登場。会場は大きな拍手に包まれた。
「Tears」はYOSHIKIの幼少期に亡くなった父に捧ぐ曲。YOSHIKIはアウトロで「Try to live with love, dreams, and forever tears(愛、夢、そして永遠の涙とともに生きていく)」と語り、同曲の演奏を締めくくった。MCでは「今年、母を亡くしてしまって。このコンサートや先日までのディナーショーが決まっていたんだけど、どうしよう、できるかな」と、母を亡くした喪失感ゆえにコンサートを行えるか不安だったことを話しつつ、「Tears」を公演の冒頭に演奏することで「ステージに立つ覚悟を決めた」のだと明かした。
またYOSHIKIの故人を悼む気持ちは、第2部の「Without You」を披露した際にも表れていた。「Without You」は1997年のX JAPAN解散後、1998年5月にメンバーの
多くの悲しみを抱え、涙の枯れないYOSHIKIだが、2020年にSixTONESのデビュー曲として書き下ろした「Imitation Rain」をオーケストラアレンジで披露したほか、X JAPANのオープニングSEに採用されている自身の作曲によるオーケストラ曲「Miracle」を演奏したあとには「この曲は100年先も聴かれそうだね」と話すなど、明るい話題も数多くあった。また動画配信サービス・Disney+(ディズニープラス)におけるYOSHIKIの音楽ドキュメンタリー番組「Disney マイ・ミュージック・ストーリー - YOSHIKI」について語った際には、番組タイトルを失念してしまい、「なんだっけ」と頭をひねったYOSHIKI。ステージ後方のスクリーンに番組タイトルを含む情報が表示されるも、YOSHIKIがそれに気付かず、観客が思わず「YOSHIKIうしろ!」と言いたくなるような状態に。観客の声出しが禁止で我慢して声を出さないというシチュエーションに自然と笑いが起こっていた。
さらにこの日のコンサートではショパンの「Prelude in E Minor, Op. 28, No. 4」や、チャイコフスキーの「Swan Lake」などYOSHIKIの愛するクラシックの名曲も演奏された。牧阿佐美バレヱ団のバレエダンサーとのコラボレーションによる「Forever Love」や、天皇陛下の即位10年奉祝曲「Anniversary」なども演目として用意され、会場ではYOSHIKIの気持ちのこもった演奏に涙するファンの姿も多く見られた。なお最終日となる明日9月19日公演の模様は、YOSHIKIのニコニコチャンネルおよびYouTube公式チャンネルの「YOSHIKI CHANNEL」、WOWOWプライム、WOWOWオンデマンドで生中継される。
「YOSHIKI CLASSICAL with Orchestra 2022 in JAPAN」2022年9月17日 東京国際フォーラム ホールA セットリスト
ACT 1
01. I'll Be Your Love
02. Tears
03. Hero
04. Imitation Rain
05. River of the Light
06. Chopin-Prelude in E Minor, Op. 28, No. 4
07. ROSA
08. Forever Love
09. Anniversary
ACT 2
01. Amethyst
02. Moonlight Sonata
03. Miracle
04. Swan Lake
05. Red Swan
06. Without You
07. 紅
08. ART OF LIFE
09. ENDLESS RAIN
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YOSHIKIが4年ぶりクラシックコンサートで天国の両親、hide、TAIJIに楽曲を捧げる https://t.co/VZPaKYgRSD