シンガーソングライター / ボカロPとして数々のヒット曲を世に送り出してきたsyudou。今年5月には初のオンラインライブ「狼煙」を開催したが、有観客ライブを行うのはこれが初めて。彼は2000人超の観客が見守る中、初の有観客ライブとは思えないほどのエネルギッシュで迫力に満ちたパフォーマンスを繰り広げた。
国内外のヒップホップナンバーからセレクトされたBGMが流れる中、観客の期待感は徐々に高まる。開演時刻を少し過ぎた頃に、イラストレーター・sakiyamaによるオープニングムービーでライブはスタート。1曲目はリリースされたばかりの新曲「いらないよ」だ。ホリエマム(Dr)、長島涼平(B /
「はじめまして、syudouです!」と挨拶し、「モテたいと思って音楽を始めたのが10年前なんですけれど、間違いなくモテ始めました」と笑顔を見せるsyudou。「ライブ自体が初めての人?」とお客さんに問いかけると、かなりの数の手が挙がる。続いて披露されたのは「幼馴染のK君への嫉妬を込めて作った曲」とMCで語られた「邪魔」。syudouが今の作風とアーティスト性を確立したターニングポイントになった曲だ。さらに彼は「馬鹿」「アンチテーゼ貴様」とボーカロイドを用いて発表した初期のナンバーを畳みかける。その後syudouが「最初のライブはせっかくやるなら思い入れのある場所にしたいと思って」と中野サンプラザへの思いを語ると、会場は大きな拍手の音に包まれた。
ライブ中盤にsyudouは、「一緒に手拍子をやってください」とオーディエンスを煽りながら「ビターチョコデコレーション」「孤独の宗教」を披露。その後もギターを抱えながら歌った「フラミンゴ」、優しいメロディを持つミドルバラード「灯火」が立て続けにパフォーマンスされる。MCでは1人で活動を始めた頃を振り返りつつ「ボカロだろうと自分で歌う曲だろうと、内容はすべて地続きで、自分が思ったこと、気持ちの体重が乗ることを曲にしているので、ずっとつながっているんです。その流れをよりよくしていきたい」と、今回のライブのタイトル「加速」に込めた思いが明かされた。
ライブ後半は5月のオンラインライブで初披露された「狼煙」でスタート。真っ赤な光に包まれ、ステージ中央のお立ち台で手を大きく広げながら歌う姿は不思議なカリスマ性を感じさせる。続けてsyudouは「へべれけジャンキー」「コールボーイ」とお酒をテーマにした楽曲を歌唱し、「取扱注意」では高速ラップとファルセットのボーカルを披露。本編ラストの「ギャンブル」ではマネーガンを片手に紙幣を模した“syudouマネー”を客席にばら撒き、全力を出し切ってステージをあとにした。
大きな拍手の音に迎えられ、ギターを抱えて再びステージに登場したsyudouは、アンコールに応えて「笑え」を披露。音楽活動に専念するべく会社を辞めるかどうか迷っている時期に書いた曲だという。そのときに友人との何気ない会話の中で立てた目標が、キャパ1000~2000人の会場でワンマンライブをすること。syudouはそれが叶ったことへの感謝を告げ「もし皆さんも打ち込んでることがあったら、自分のペースで続けてください。楽しい人生になると思います」とファンに語りかけた。「最後は笑って終わろうぜ!」と、ラストにsyudouは「爆笑」をパフォーマンス。喉をからして叫び、ステージ中央のお立ち台に駆け上がり、寝転がり、のたうち回る。すべてのパフォーマンスを終えたsyudouは、マイクを使わず生声で「ありがとうございました!」と声を張り上げ、初の有観客ライブの幕を閉じた。
「syudou Live 2022『加速』」2022年8月8日 中野サンプラザホール セットリスト
01. いらないよ
02. たりねぇ
03. 邪魔
04. 馬鹿
05. アンチテーゼ貴様
06. ビターチョコデコレーション
07. 孤独の宗教
08. フラミンゴ
09. 灯火
10. 狼煙
11. へべれけジャンキー
12. コールボーイ
13. 取扱注意
14. ギャンブル
<アンコール>
15. 笑え
16. 爆笑
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syudouが初の有観客ライブ完遂、満員の中野サンプラザで見せた大迫力のパフォーマンス https://t.co/G8wxi8JjQn