羊文学が初の全国ツアー完走、バンドの現在のモードを提示したZepp DiverCityワンマン

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羊文学が6月28日に東京・Zepp DiverCity(TOKYO)で全国ツアー「羊文学 TOUR 2022 "OOPARTS"」の最終公演を開催した。

羊文学「羊文学 TOUR 2022 "OOPARTS"」最終公演の様子。(Photo by Yuki Kawashima)

羊文学「羊文学 TOUR 2022 "OOPARTS"」最終公演の様子。(Photo by Yuki Kawashima)

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「羊文学 Tour 2022 "OOPARTS"」は、羊文学が4月にメジャー2ndアルバム「our hope」をリリースしたことを記念して行った初の全国ツアー。3人は宮城、福岡、大阪、愛知、北海道、東京の6都市を回り、計7公演を行った。ツアーは全公演のチケットが早々にソールドアウトする盛況ぶりで、最終公演ではPIA LIVE STREAMでのライブ配信も実施。会場に集まった観客だけでなく、全国のファンが羊文学のパフォーマンスを楽しんだ。

羊文学(Photo by Yuki Kawashima)

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定刻を少し過ぎた頃、ステージを囲むように天井から吊るされた紗幕の奥にぼんやりと光が灯ると、塩塚モエカ(Vo, G)、河西ゆりか(B)、フクダヒロア(Dr)のシルエットが映し出される。3人はゆっくりと点滅する照明を背中に受けながら「our hope」のオープニングナンバー「hopi」で演奏を開始。フクダの手数を抑えたドラム、河西の包容力のあるベース、塩塚の憂いを帯びたボーカルをじっくりと聴かせ、オーディエンスをバンドの世界観に引き込んでいった。初期の人気曲「雨」では冒頭でステージを囲む紗幕が落ち、塩塚が「こんばんは! ようこそ! 『OOPARTS』へ」と勢いよく挨拶すると、フロアから一斉にたくさんの拳が上がる。そして羊文学はアニメ「平家物語」のオープニング主題歌「光るとき」をプレイ。序盤のメランコリックな雰囲気から一転、力強く開けたサウンドを届けてオーディエンスを圧倒した。

羊文学(Photo by Yuki Kawashima)

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MCでは塩塚が「ヤバイよ……ついに最後ですよ。私たちは全国6カ所7公演という長いツアーは初めてだったんですけど、こうして皆さんと最後の日を迎えることができてうれしいです」、河西が「私は会場に向かう車の中で『今日で終わっちゃうのか』と思いながら来た」と、ライブ序盤からツアーがこの日で終わってしまうことを名残惜しそうにひと言。そして塩塚の「去年の8月に『you love』というEPを出して、その中に夏の曲が入っているのでやってみたいと思います」という言葉を合図にどこか涼し気なサマーチューン「なつのせいです」でライブを再開すると、同じく「you love」から「あの街に風吹けば」を届けて場内をさわやかな空気で満たした。

フクダヒロア(Dr)(Photo by Yuki Kawashima)

フクダヒロア(Dr)(Photo by Yuki Kawashima)[拡大]

中盤からはステージ後方のカーテンが開き、「our hope」のアートワークを担当した中野道が手がけた映像がスクリーンに映し出される演出も。羊文学が「キャロル」「くだらない」「予感」などを演奏すると、楽曲の持つ雰囲気と映像、照明が相まって、会場は神秘的なムードに包まれた。この演出のラストとしてスクリーンに砂嵐の映像が映し出され、会場に2000年代の空気感をまとった電子音が鳴り響くと、羊文学が初めてシンセサイザーを取り入れて制作した「OOPARTS」がスタート。3人は16面の枠の中で目まぐるしく切り替わる映像を背に、ノスタルジーと近未来感が同居するこの曲を激しいセッションを交えながらエモーショナルにパフォーマンスした。

塩塚モエカ(Vo, G)(Photo by Yuki Kawashima)

塩塚モエカ(Vo, G)(Photo by Yuki Kawashima)[拡大]

ライブが終盤に差しかかると、塩塚が本番前にバンドのライブ撮影を担うカメラマン・Yuki Kawashimaから2017年当時のセットリストを見せてもらったと語り始める。「それで初めてのMV撮影の写真とかも見ちゃって、こんなにたくさんの人が私たち音楽を聴いてくれて、今ライブを観てくれているのが信じられない。本当にうれしいです。ありがとうございます」と、ここまでライブを見守ってきたファンに向けて感謝の気持ちを伝えた。そして多くの人々に聴いてもらうことを目標に制作したという「our hope」の話題に触れ、「次にやる曲ができたことで『思いっきりポップにアレンジしてもやれるんじゃないか』と、自分で作って勇気をもらいました。どうか皆さん楽しんで聴いてください」と語り、ポップチューン「パーティーはすぐそこ」を軽やかに演奏。最後は壮大なミディアムナンバー「ワンダー」をまっすぐに届けてステージをあとにした。

河西ゆりか(B)(Photo by Yuki Kawashima)

河西ゆりか(B)(Photo by Yuki Kawashima)[拡大]

羊文学は鳴り止まないアンコールに応えて再びステージに現れると、まず2019年発表の「人間だった」をプレイ。演奏を終えると羊文学のワンマンでは恒例の河西によるツアーグッズの紹介が行われ、彼女のコミカルな商品説明に場内は穏やかな雰囲気に包まれた。ちなみにフクダのこの日初めての発言は、グッズのうちウォーターボトル・地球ボトルに何を入れる?という質問に対しての回答「僕はカルピスです」だった。また今夏にオフィシャルファンクラブ「月刊 羊文学」が開設されることや、年内に東京での単独公演の開催が予定されていることがアナウンスされると、オーディエンスからは大きな拍手が沸き起こった。そして最後は塩塚が今回のツアーに携わったスタッフや、「our hope」の制作チーム、会場に集まった観客、画面越しの視聴者に感謝を述べつつ、「これからも自分たちのできることを積み重ねてやっていこうと思います」と告げて「powers」「夜を越えて」を届け、大盛況の中、初の全国ツアーの幕を降ろした。

羊文学(Photo by Yuki Kawashima)

羊文学(Photo by Yuki Kawashima)[拡大]

なお配信ライブのチケットは7月3日20:00までチケットぴあで販売されており、購入者は同日23:59までアーカイブを視聴できる。またApple Music、Spotify、LINE MUSIC、AWAといったサブスクリプションサービスでは、本公演のセットリストで構成されたプレイリストを公開中。

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羊文学 TOUR 2022 "OOPARTS" 2022年6月28日 Zepp DiverCity(TOKYO) セットリスト

01. hopi
02. mother
03. 雨
04. 光るとき
05. 砂漠のきみへ
06. なつのせいです
07. あの街に風吹けば
08. 電波の街
09. 金色
10. キャロル
11. くだらない
12. 予感
13. OOPARTS
14. パーティーはすぐそこ
15. マヨイガ
16. あいまいでいいよ
17. ワンダー
<アンコール>
18. 人間だった
19. powers
20. 夜を越えて

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読者の反応

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クワタナオノリ/// @zoffy

川島さんの写真が切り取った一瞬からライブのシーンが思い起こされて最高な… また『ワンダー』観よ。:)
>【ライブレポート】羊文学が初の全国ツアー完走、バンドの現在のモードを提示したZepp DiverCityワンマン(写真14枚)
https://t.co/Ao5lZVkJs3

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