祝デビュー25周年イヤー突入、ゆずがFUTARIだけで2時間半の武道館ライブ

ゆずのデビュー記念日にあたる昨日10月25日に東京・日本武道館でワンマンライブ「YUZU TOUR 2021 謳おう×FUTARI in 日本武道館」が開催された。

1997年10月25日に1stミニアルバム「ゆずの素」でCDデビューしたゆず。今回のワンマンはデビュー25周年イヤーに突入することを記念し、一夜限りの特別公演として行われた。また本公演は8月から9月にかけて実施されたホールツアー「YUZU TOUR 2021 謳おう」の延長線上にありながら、バンドメンバーやパフォーマーは一切出演せず、北川悠仁と岩沢厚治による“FUTARI”の弾き語りライブが約2時間半繰り広げられた。

Rakuten TVでの生配信も行われた今回の公演。武道館に集まった観客と配信を見守る全国のファンが恒例のラジオ体操で準備を整えたあと、場内が暗転する。ある客席ブロックのみライトが点くと、そこにはこぢんまりと座る北川と岩沢の姿が。ステージに降り、アコースティックギターを手にした2人は「わだち」で公演の幕を開けた。会場をぐるりと見渡した北川はライブグッズのタンバリンと、その名の通り「ブーブー」と鳴る「Boo Boo ゆず太郎」を持ちながら「こんばんは。ゆずです！ 今日は25周年突入のお祝いです。思いっきり楽しんでいってください」と挨拶。岩沢とともにライブアンセムの1つ「少年」で場内を一気に盛り上げた。パフォーマンス後、大勢のゆずっこ（ゆずファンの呼称）を前に北川は「うれしいねー」と目尻を下げ、隣りの岩沢もガッツポーズで喜びをあらわにした。続いて、サビの掛け合いやハーモニーが印象的な「旅立ちのナンバー」のあとに披露されたのは、ライブではひさびさとなる「シャララン」。彼らはオーディエンスに心の中でのシンガロングをリクエストし、豊かなボーカル表現とカズーの音色でファンを惹き付けた。

岩沢のアルペジオが涼やかなムードを演出した「ウソっぱち」のあと、舞台上には2人のライブをサポートする“タンバゆず太郎”が登場。「朝もやけ」「友達の唄」では北川と岩沢の伸びやかな歌声に合わせて“タンバゆず太郎”と観客がタンバリンを鳴らし、場内に一体感が生まれた。にぎやかな余韻が残る中、北川と岩沢は無数の光の粒が映し出されたスクリーンを背に「虹」をパフォーマンス。2人の歌唱後にはこのスクリーンに虹がかかり、感動的なムードが広がった。さらに、3分間の換気タイムを経たライブ中盤には「始発列車」「サヨナラバス」といった感傷的なラブソングも披露された。

ここで、ゆずは横浜・伊勢佐木町での路上ライブを振り返り、地元が近く、ライブを観に来てくれていた芸人・あべこうじとの交流を明かす。そんなあべが当時制作したという貴重なミュージックビデオをバックに、北川と岩沢は「ゆずの素」の収録曲「地下街」を歌唱。懐かしい思い出に浸りながらも気持ちを切り替え、「時代は変われど、この世界が美しくあることを願います」という北川の言葉をきっかけに、「ワンダフルワールド」をひと際熱量を込めて歌い上げた。全力の演奏に大きな拍手が送られる中、照れくさそうに笑う2人。北川はデビュー25年目に突入したことをきっかけにTikTokを始めることを宣言し、1回目の投稿を武道館のステージで撮影したいと言う。自撮り棒を片手にステージ上を歩く北川のカメラには、「Boo Boo ゆず太郎」を鳴らすファンやダブルピースをする岩沢の姿が記録された。TikTokの撮影を終えた2人は、ゆず王道の応援ソング「タッタ」でパフォーマンスを再開。続いて「弾き語りの限界に挑戦したいと思います」という北川の宣言のもと、「イマサラ」で武道館をインドの世界に染め上げた。残すところ2曲となったところで、北川がステージに運び込まれたくす玉を割ると、「祝 25周年突入」という垂れ幕が顔を出す。一気に祝福ムードで満たされた武道館で、2人は「夏色」をはつらつと歌い、「次に会うときまでにみんなが元気でいられるように」という願いを込めて「栄光の架橋」を真摯に届け、ライブを締めくくった。

この公演の模様は10月30日（土）21:00よりRakuten TVにてリピート配信される。また2022年春にはゆずのニューアルバム（タイトル未定）がリリースされ、3月から8月にかけて全国アリーナツアーが開催される。