「ストリップ歌小屋 2021」はクリープハイプが全国5都市のZepp会場を舞台にMom、トム・ブラウン、崎山蒼志、女王蜂、My Hair is Bad、どぶろっく、
深紅の幕と華やかなライトで彩られたステージ。iriはバンドメンバーとともに姿を現し、「ナイトグルーヴ」でアコースティックギターを弾いて観客を歓迎した。アコギを置き、ハンドマイクを手にしたiriが続いて披露したのは「半疑じゃない」。舞台上を自由に移動しながら、アグレッシブなラップを繰り出した。「知らない方もほとんどかと思いますがiriです。こんばんは」と控えめに自己紹介した彼女は「クリープハイプさんが私を呼んでくださるなんて思ってもみなかったのでうれしかったです」と喜びをあらわに。短いMCを終えると、ライブアンセムである「Wonderland」、センチメンタルな「会いたいわ」と異なるムードの楽曲を続けた。場内が感傷的な空気に包まれる中、iriは心地よさそうに音に身を任せながら、「24-25」「渦」とアッパーチューンを連発。オーディエンスから大きな拍手を送られながら、スペイシーなサウンドが印象的な「Sparkle」でメロウな歌声を披露し、さっそうとステージを去った。
転換が終わり、持ち場についた尾崎世界観(Vo, G)、小川幸慈(G)、長谷川カオナシ(B, Key)、小泉拓(Dr)はライブの定番曲になりつつある「キケンナアソビ」で演奏を開始。リフレインするフレーズが強烈なインパクトを与えた。カオナシがメインボーカルを担う「月の逆襲」「ベランダの外」を畳みかけたあと、切なさのにじむ「バブル、弾ける」「クリープ」を届けたメンバー。尾崎は「1曲目でツバが器官に入って死にかけた。“キケン”な状態になっちゃった」と明かし、「歌い直していい?」とファンに問いかける。拍手で応じる観客の前で尾崎は「ほら火を付けて」と歌ってリベンジし、満足そうな表情を浮かべた。
ライブ中盤、メンバーは「リグレット」でダイナミックなアンサンブルを響かせてオーディエンスを圧倒。「寝癖」ではハンドクラップが自然発生し、彼らの演奏を称えるように大きな拍手が沸き起こった。会場を見渡した尾崎は何やら考え込むような表情を浮かべ、「嫉妬してるんだけど、今」とひと言。「この対バンツアーをやるたびにゲストの方がライブしてるのを舞台袖で観ていました。これがお客さんに初めて出会える場かもしれないと思うと、うらやましくて。最初に観たときの衝撃は越えられないと思うけど、初めてのときのインパクトを残せるようなライブにしたいと思います」と改めて気合いを入れ直した。そしてクリープハイプの楽曲の中でも挑発的な「社会の窓」や「テレビサイズ(TV Size 2’30)」を続けざまにパフォーマンス。明滅するライティングの中、切れ味の鋭いアンサンブルが場内に轟いた。
8月に配信リリースした「しょうもな」を軽快にプレイしたのち、尾崎のアカペラで始まったのは、新曲「ナイトオンザプラネット」。12月8日にリリースするニューアルバム「夜にしがみついて、朝で溶かして」に収録されるこの曲では、尾崎の軽やかなラップや、小川のワウギターが鮮烈な印象を残した。さらにメンバーは、温もりあふれる「二十九、三十」を演奏。残すところあと1曲となり、1人ひとりが対バンツアーが開催できた喜びや感謝の言葉を述べていく。最後に尾崎はTwitterで目にしたクリープハイプファンに対する心ない投稿について言及し、「隙だらけで弱点の多いバンドだけど聴いてくれてありがとう」と観客に改めて感謝を伝えた。そして最後に4人は1stシングルの表題曲「ねがいり」を届け、深々と頭を下げてステージをあとにした。
クリープハイプ「ストリップ歌小屋 2021」2021年10月22日 Zepp Tokyo セットリスト
iri
01. ナイトグルーヴ
02. 半疑じゃない
03. Wonderland
04. 会いたいわ
05. 24-25
06. 渦
07. Sparkle
クリープハイプ
01. キケンナアソビ
02. 月の逆襲
03. ベランダの外
04. バブル、弾ける
05. クリープ
06. バイト バイト バイト
07. リグレット
08. 寝癖
09. 社会の窓
10. 身も蓋もない水槽
11. テレビサイズ(TV Size 2’30)
12. しょうもな
13. ナイトオンザプラネット
14. 二十九、三十
15. ねがいり
リンク
音楽ナタリー @natalie_mu
【ライブレポート】クリープハイプが対バンツアー最終日にiriと競演、尾崎は嫉妬を原動力にパフォーマンス(写真13枚)
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