今年の1月に1stアルバム「ONE」でメジャーデビューし、東京・日本武道館と大阪・オリックス劇場でワンマンライブ「7ORDER LIVE TOUR 2021 “WE ARE ONE”」を行った7ORDER。初の全国規模となる今回のツアーでは、あえてモニタを設置せず、シンプルな照明とセットでバンド演奏やダンスパフォーマンスにフィーチャーしたライブを繰り広げた。ツアー後半には、バンド曲の際にペンライトを置いて両手を挙げるというグループにとって新たなライブの楽しみ方もオーディエンスに提案。ツアーを通して7ORDERのライブのスタイルを模索し、変化を恐れずに新たな試みを取り入れていくような、まさに“武者修行”のツアーとなった。
まずはバンドスタイルでライブがスタート。それぞれの楽器の位置に付いた7人は「Break it」で勢いよくライブの口火を切り、ステージからすさまじいエネルギーを放っていった。真田佑馬(G, Vo)と森田美勇人(B, Vo)は楽器を持ったまま前後左右に移動し、アグレッシブなプレイを展開。阿部顕嵐(Vo)のラップも炸裂し、ライブ序盤から会場の空気はヒートアップした。そして諸星翔希(Sax, Vo)の「俺たち7人で7ORDERだ! 俺たちとここにいるみんなで最高に熱い瞬間を作っていきましょう!」という言葉とともに彼らは「タイムトラベラー」へ突入。ライブならではの大胆なアレンジが加わり、メンバーのソロプレイが楽曲をエモーショナルに彩る。「Break it」「タイムトラベラー」と同様に7ORDER始動時から披露され続けてきた「LIFE」では、磨き上げられた一枚岩のバンドサウンドが力強く会場に響きわたった。
メンバーは楽器を置くとステージ前方にそろって進み出て、ダンスチューン「Perfect」をパフォーマンス。7人で横並びになり、力強いビートに合わせて生き生きとステップを踏む。さらに彼らは「Make it true」を続け、情熱を宿した熱い眼差しで魂のこもったダンスを繰り広げた。ひと息ついてメンバーが水分補給をしていると、長妻怜央(Key, Vo)が次の曲に向けて鍵盤を鳴らし始める。「早いよ!」とメンバーが慌てるも、なぜか長妻が弾き始めたのは「エリーゼのために」。動揺する6人をよそに長妻が自由奔放に「トルコ行進曲」へとつなげると、安井謙太郎(Vo)と諸星は肩を組んでラインダンスをして順応してみせた。
バンドセットへと変わり、ここで披露されたのはORANGE RANGEのナンバー「花」。柔らかなアンサンブルがじんわりと会場に広がり、観客はじっくりとその歌声と音色に聴き入っていた。「花」の演奏が終わると、7ORDERは雰囲気を一変させてORANGE RANGEのNAOTO(G)が作編曲およびプロデュースを手がけ、HIROKI(Vo)が歌詞を提供したサマーソング「SUMMER様様」をにぎやかに演奏。オーディエンスはメンバーが考案したキャッチーな振り付けを楽しみ、会場に開放感あふれる夏の空気が満ちていった。その後は「花」が2004年に公開された映画「いま、会いにゆきます」の主題歌だったことから、好きな主題歌の話題で大盛り上がり。真田は映画「黄泉がえり」の柴咲コウ「月のしずく」、森田はアニメ「SLAM DUNK」のWANDS「世界が終るまでは…」、萩谷慧悟(Dr, Vo)はドラマ「海猿」のB'z「OCEAN」、阿部は映画「タイタニック」のセリーヌ・ディオン「My Heart Will Go On」をそれぞれ挙げた。さらに真田が、カラオケでよく歌うという「おジャ魔女カーニバル!!」を原曲キーで熱唱する場面も。以前カラオケに行った際に映画「アルマゲドン」のAerosmith「I Don’t Want to Miss a Thing」を7人で歌ったという思い出も明かされた。
続いて7ORDERは初の試みとなるアコースティックコーナーへ。オーディエンスがペンライトやグッズのリングライトの光を消すと、まるで夜のような暗闇が生み出された。真田と安井がアコースティックギター、森田がベース、萩谷がカホン、長妻がシェイカーと鉄琴、諸星がサックスという編成で披露されたのは「BOW!!」。カホンのゆったりとしたリズムを軸とした心地のいいアンサンブルに観客の手拍子が重なり、場内に穏やかな空気が流れた。間奏では真田と諸星がアイコンタクトを取りながら、アコースティックギターとサックスで楽しげに掛け合いを展開。阿部のラップアレンジも加わり、この曲の持つ温かさが際立つようなアレンジで演奏が繰り広げられた。真田が奏でるアコースティックギターの音色でスタートしたのは「27」。これまではエモーショナルなプレイが印象的だったこの曲だが、アコースティックバージョンでは音数の少ないシンプルな演奏に乗せて、真っ暗な空間に1人ひとりの歌声が響きわたった。
アコースティックコーナーを経て、メンバーはハットを被ってスタンドマイクの前に立ち、「Monday morning」を披露。オレンジの光をバックに淡く切ない思いをゆったりと歌い上げた。「&Y」ではメンバーが妖艶な雰囲気を漂わせながらパフォーマンスを展開。艶やかにサックスを吹く諸星を6人が囲んでダンスを繰り広げた。このツアーのセットリストの中でも、もっとも大胆にアレンジが施されたのは「What you got」。「&Y」が終わると、萩谷を残して一度6人がステージをあとにした。ステージに残った萩谷はドラムセットに付き、リズムを刻み始める。するとメンバーが1人ずつ舞台に姿を現し、そのリズムに合わせてソロダンスを展開した。観客がソロダンスに目を奪われている間にメンバーが楽器を手にして、彼らはダンススタイルからバンドスタイルへと変貌。ヘヴィなサウンドが場内に勢いよく轟き、「豊洲ー! ラスト! もっともっと騒いでいこうぜ!」という言葉とともに阿部の荒々しいラップも放たれた。迫力のあるパフォーマンスに観客が圧倒されていると、途中で演奏がストップ。静寂の中、諸星と安井のアカペラでの歌唱を経て、最後には開放感のある晴れやかなバンドサウンドが場内に広がった。
ダンスからバンドへと移るスタイルと、緩急を付けた演奏で新たな世界観を構築した彼ら。ここから7人はステージの前方に出て、3曲をメドレーで届けた。まずは「Sabãoflower」をさわやかに踊り、そのままシームレスに「GIRL」へつなげる。きらびやかなパフォーマンスを経て、「Love shower」では降り注ぐ音を浴びながらメンバーも観客も笑顔で左右に手を振った。最後に「Sabãoflower」に戻ると、オーディエンスが一斉にジャンプ。7色のリングライトの光がフロアに揺れ、ピースフルで美しい光景が生み出された。
メドレーを終え、安井は「いろんなことがある時代で、みんなここに同じ気持ちでいるわけじゃなくて。めちゃめちゃいいことがあった人もいれば、なんか最近生きるのがだるいなという気分でここに来た人もいるかもしれない。いろんな思いを抱えている人がいると思うんですけど、この1時間半、みんなで一緒に今という時間を過ごして、楽しんで、本当にこんなに幸せな空間はないなと。本当にこういうお仕事をしていてよかったなと思う瞬間です。ライブというのは」と充実した表情で語った。彼は「この武者修行ツアーで、メンバーのみんなでいろんなことを話し合いました。そしていろんなことを試しながら、このツアーをやってきました。7ORDERとしてはこうやって全国を回らせていただくというのは初めてのことで、憧れのようなものを持っていたような部分もあって。1公演1公演、噛み締めるように大切にやっています」とさまざまなトライを取り入れたこのツアーを振り返り、「こうやって毎回毎回違う公演ができるのも、当然毎回お客さんが違って、みんなのリアクションが毎回違って、それに応えるように僕たちも違うパフォーマンスをして。そんなふうにして一緒に作り上げるのがライブであってほしいと僕たちは思います」と述べる。そして「これからも7ORDERはいろんな形を試していくと思います。ですが、必ず皆さんを楽しませるという気持ちを持ってステージに立ち続けると思うので、これからの僕たちを見て、どうかいろんなことを判断していってください。よろしくお願いします」とまっすぐな眼差しで語り、フロアから大きな拍手を浴びた。最後に7人が演奏したのは「雨が始まりの合図」。晴れやかな表情で爽快に音を鳴らし、彼らは手を振りながらステージを去って行った。
期待のこもった拍手に呼ばれて、もう一度ステージに現れた7人は、「SUMMER様様」のダンスバージョンでアンコールを開始。このツアーではアンコールの「SUMMER様様」のイントロで諸星と阿部がアドリブで掛け合いを見せるのが恒例となっていた。「明日、8月30日、誕生日なのは誰だ?」という諸星の振りに対して、阿部が「オレ阿部顕嵐ー♪」と自身を指差した瞬間、イントロがストップ。阿部が戸惑っていると、ハッピーバースデーの歌が流れ、ステージ袖からバースデーケーキが登場した。サプライズを受けて阿部は「ここで!?」と驚きつつも、「ステージ上で祝われるのはうれしいね」と喜ぶ。そして「今まで以上にいい男になろうと思います。もっともっと一緒の時間を共有できるようにがんばります。がんばる、そのひと言だけです!」と24歳の抱負をきっぱりと語った。その後、7人は「SUMMER様様」のパフォーマンスを再開。「顕嵐おめでとう、めちゃおめでとう♪」「みんなありがとう♪」と歌詞を阿部のバースデー仕様に変更してお祭り騒ぎで歌い、笑い崩れるメンバーも次々と発生してカオスな空間が広がった。ラストナンバーは先ほどアコースティックバージョンで披露された「BOW!!」。7人はバンドスタイルで元気いっぱいにこの曲を届け、最後の一音までじっくりと大切に鳴らしてこの日のライブに幕を下ろした。
7ORDERは11月より2022年2月にかけて新たなライブツアー「7ORDER LIVE TOUR 2021-2022 『Date with…….』」を開催する。ツアーは11月27日の東京・立川ステージガーデンを皮切りに2月27日の東京・国立代々木競技場第一体育館まで、全国12都市のホール会場とアリーナ会場で行われる。チケットの詳細は9月末に7ORDERのオフィシャルサイトでアナウンスされる。
7ORDER「7ORDER 武者修行TOUR ~NICE "TWO" MEET YOU~」2021年8月29日 チームスマイル・豊洲PIT セットリスト 第2部
01. Break it
02. タイムトラベラー
03. LIFE
04. Perfect
05. Make it true
06. 花(ORANGE RANGEカバー)
07. SUMMER様様
08. BOW!!
09. 27
10. Monday morning
11. &Y
12. What you got
13. GIRL×Love shower×Sabãoflower
14. 雨が始まりの合図
<アンコール>
15. SUMMER様様
16. BOW!!
7ORDER LIVE TOUR 2021-2022 「Date with.......」
2021年11月27日(土)東京都 立川ステージガーデン
2021年12月5日(日)宮城県 仙台銀行ホール イズミティ21 大ホール
2021年12月11日(土)大阪府 グランキューブ大阪(大阪府立国際会議場)メインホール
2021年12月12日(日)大阪府 グランキューブ大阪(大阪府立国際会議場)メインホール
2021年12月19日(日)北海道 カナモトホール(札幌市民ホール)
2021年12月25日(土)広島県 上野学園ホール
2021年12月27日(月)福岡県 福岡サンパレス ホテル&ホール
2021年12月29日(水)熊本県 熊本城ホール メインホール
2022年1月13日(木)愛知県 名古屋国際会議場センチュリーホール
2022年1月14日(金)愛知県 名古屋国際会議場センチュリーホール
2022年1月16日(日)静岡県 アクトシティ浜松 大ホール
2022年1月18日(火)大阪府 オリックス劇場
2022年1月19日(水)大阪府 オリックス劇場
2022年1月20日(木)大阪府 オリックス劇場
2022年2月11日(金・祝)兵庫県 神戸国際会館 こくさいホール
2022年2月12日(土)兵庫県 神戸国際会館 こくさいホール
2022年2月19日(土)神奈川県 ぴあアリーナMM
2022年2月20日(日)神奈川県 ぴあアリーナMM
2022年2月26日(土)東京都 国立代々木競技場第一体育館
2022年2月27日(日)東京都 国立代々木競技場第一体育館
音楽ナタリー @natalie_mu
【ライブレポート】7ORDERが全国で武者修行!挑戦の先で遂げた“進化”(写真18枚)
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