SPYAIR、5年ぶり快晴の富士急野外ライブで奏でた思い「音楽は素敵なものだと伝えていこう」

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SPYAIRの恒例野外ワンマンライブ「JUST LIKE THIS 2021」が、昨日7月17日に山梨・富士急ハイランドコニファーフォレストにて行われた。

SPYAIR「JUST LIKE THIS 2021」の様子。

SPYAIR「JUST LIKE THIS 2021」の様子。

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昨年は新型コロナウイルス感染拡大の影響により開催が見送られ、1年の延期を経て迎えた今年の「JUST LIKE THIS」。2年ぶりの富士急には開催を待ちわびたファンが集結した。毎年悪天候に見舞われがちな「JUST LIKE THIS」だが、今年は実に5年ぶりの快晴に。会場には客席をぐるりと巡るように花道が設置され、ファンの期待を高めた。開演時刻を迎え、大きな拍手が富士急に鳴り響く中、IKE(Vo)、UZ(G)、MOMIKEN(B)、KENTA(Dr)はステージ後方からせり上がりで登場。それぞれのポジションにスタンバイし、サポートメンバーのtasuku(G)とともにオープニングナンバー「INSIDE OF ME」を力強く鳴らした。

SPYAIR「JUST LIKE THIS 2021」の様子。

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続く「ファイアスターター」では黒い衣装に身を包んだ女性ダンサー10名が登場し、華麗なダンスで観客を盛り上げる。IKEは高らかな歌声を響かせたあと「ようこそ、SPYAIRのライブへ!」と叫び、大きな拍手を浴びた。IKE、UZ、MOMIKENが花道に飛び出してパワフルなサウンドを奏でた「RAGE OF DUST」が終わると、IKEは「富士急、ひさしぶりです! お待たせしました」と挨拶し、「今日は残念ながら声を出しちゃダメなんですよ。でも、ここで歌ってくれますか?」と胸を叩きながら会場のファン、そして生配信を通じて見守る全国のファンに呼びかけた。

「WENDY ~It's You~」では、合唱の代わりに力いっぱいの手拍子を鳴らすオーディエンスを眺めながら、メンバーそれぞれが笑顔を浮かべる。締めの大合唱も声を出さず“心で歌って”みせた観客に、IKEは親指を立てて応えた。さらにMOMIKENとKENTAの重低音に乗せて会場が大きく揺れた「Rock'n Roll」、華やかなサウンドでステージと客席の一体感が高まった「EZ Going♬」と、その後もキラーチューンが連発された。

IKE(Vo)

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IKEは客席に向けて「みんなマスクしてるよね? ヤバいと思ったらうまく調整してください」と無理をしないよう呼びかけ、「これもまあひさしぶりだよね」と次の曲を紹介し、UZのメロウなギターとIKEの哀切な歌声から「Last Moment」へ。徐々に熱量を増していくアンサンブルを聴かせたのち、日が傾く中で「Naked」「Beautiful」とエモーショナルなナンバーを次々と繰り出した。「『JUST LIKE THIS 2021』のために作った曲があります。本当はみんなと一緒に歌いたいという思いで作った曲です」というIKEの言葉に続いて披露されたのは今年の「JUST LIKE THIS」のテーマ曲「All I Need」。歌詞で歌われた願いの通り晴れ渡った空の下でメンバーの思いを乗せた音が力強く響き渡り、4人も感無量の表情を浮かべていた。

その後メインステージに運び込まれたキーボードの前にKENTAが座ると、MOMIKENは「こんな日のためにKENTAさんがピアノを練習してきた曲があるわけですよ」と紹介。続いてステージに戻ってきたUZが過去の「JUST LIKE THIS」を振り返り「いろんなドラマがありましたね」と話すと、KENTAも「普通にやらせてほしいよね?(笑)1年目と2年目以外は苦難で。みんなも雨に強くなってるじゃん、逆に天気には弱くない?」と苦笑いしながら語りかけた。そんなやり取りに続き、アコースティックスタイルで披露されたのは「Winding Road」。柔らかく美しいアンサンブルに、オーディエンスはうっとりと聴き入った。

「One Day」を披露するキャンプファイヤーの4人。

「One Day」を披露するキャンプファイヤーの4人。[拡大]

その後4人はセンターステージに移動。IKEが「これだけ暑いと栄公園を思い出す」と切り出すと、4人は名古屋での路上ライブ時代を振り返りながら懐かしいトークを繰り広げた。続いては恒例の“SPYAIRのアコースティックカバーユニット”キャンプファイヤーのコーナーへ。IKEは「キャンプファイヤーがこの曲をやるのは初めてですね。SPYAIRさんが最近出した曲なので」と紹介し、昨年10月にSPYAIRがリリースしたシングル「One Day」をシンプルなサウンドと4人それぞれのボーカルでパフォーマンスした。

徐々に日が傾き始めるとライブはいよいよ後半戦へ。白いTシャツに着替えたメンバーが再びステージに姿を現すと、大きな爆破音に続いて「アイム・ア・ビリーバー」がパワフルにパフォーマンスされる。涼しい空気で満たされ始めた会場に向けたIKEの「暑さも楽になってきたし体揺らしませんか?」という言葉に続いては、ステージ上に柔らかな炎が灯ると同時に「MIDNIGHT」が始まる。心地よいリズムとIKEの妖艶な歌声、UZのラップに合わせて、オーディエンスはゆったりと体を揺らせた。その後は「What is Love」の激しいイントロに合わせて大きな火炎が上がり、会場の熱気を再び急上昇させた。

フロートに乗ったUZ(G)、IKE(Vo)、MOMIKEN(B)。

フロートに乗ったUZ(G)、IKE(Vo)、MOMIKEN(B)。[拡大]

IKEは今回のライブに向けた気持ちを「俺たちは音楽が大好きだって届けていこう。絶対に俺たちのライブを潰させたりはしない、音楽は素敵なものだってみんなで伝えていこう」と力強く語り、その思いを表すように「JUST LIKE THIS」を高らかに歌い上げた。終盤の「サムライハート(Some Like It Hot!!)」ではタオルを振り回すオーディエンスの間をIKE、UZ、MOMIKENを乗せたフロートが巡り、ファンとのコミュニケーションを楽しむ。ラストナンバーは最新シングル「轍 ~Wadachi~」。炎天下で21曲の熱演を終えたメンバーは、充実した表情でステージを去っていった。

アンコールが始まると、IKEはデビュー11周年記念日の8月11日にリリースするベストアルバムから新曲を初披露することを明かしてファンを喜ばせた。「これからライブでガンガンやっていく曲になるだろうし、僕自身新しいSPYAIRだなと受け取っています」という新曲のタイトルは「Born To Be Loud」。ヘビーなロックサウンドに乗せてノスタルジックながらも前向きな思いが歌われたこの曲で、SPYAIRの新たな可能性をファンにアピールした。

「JUST LIKE THIS 2021」終演後、会場に打ち上げられた花火。

「JUST LIKE THIS 2021」終演後、会場に打ち上げられた花火。[拡大]

最後にIKEはバンドを代表し「来年、再来年はみんなと一緒に歌えるんじゃないかと思います。俺らがバンドをやるうえで『JUST LIKE THIS』はすごく大切な場所だし、1年の目標になっています。目の前にいる皆さん、現場で支えてくれたスタッフの皆さん、配信で見てくれた皆さん、本当にありがとう」と感謝の思いを述べた。この日のラストを飾ったナンバーは「SINGING」。オーディエンスは合唱の代わりに力いっぱいに両腕を振り、SPYAIRへの思いを表現する。演奏が終わると会場後方には盛大な花火が打ち上がり、ライブの成功を祝福した。さらに終演後のビジョンでは、9月から全国ホールツアーが行われることも発表され、ファンを大いに喜ばせた。

今回のライブのアーカイブ映像は7月19日23:59までStagecrowd、ローチケLIVE STREAMING、Streaming+にて配信中。公式ファンクラブ「AIR-GATE」では7月26日まで、ホールツアーのチケット最速先行予約を受け付けている。

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SPYAIR「JUST LIKE THIS 2021」富士急ハイランドコニファーフォレスト セットリスト

01. INSIDE OF ME
02. ファイアスターター
03. RAGE OF DUST
04. WENDY ~It's You~
05. Rock'n Roll
06. EZ Going♬
07. Last Moment
08. Naked
09. Beautiful
10. All I Need
11. Winding Road
12. One Day
13. アイム・ア・ビリーバー
14. イマジネーション
15. MIDNIGHT
16. What is Love
17. ROCKIN' OUT
18. JUST LIKE THIS
19. 現状ディストラクション
20. サムライハート(Some Like It Hot!!)
21. 轍 ~Wadachi~
<アンコール>
22. Born To Be Loud
23. SINGING

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Photo by Yosuke Torii / Takeshi Yao / Masato Yokoyama

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