「9th YEAR BIRTHDAY LIVE」は、2012年2月に1stシングル「ぐるぐるカーテン」を発表した乃木坂46のデビュー9周年をお祝いするライブ。この企画の一環として1期生から4期生までの“期別ライブ”が行われており、3期生のライブはそのファイナル公演として実施された。3期生の単独公演は、彼女たちが初めて参加したアルバム「生まれてから初めて見た夢」のリリースを記念して2017年5月に開催された日比谷野外大音楽堂公演以来4年ぶり。自己紹介を兼ねたソロダンスパートのトリを務めた大園桃子が「3期生行くぞー!」と叫ぶと、12人は前回の3期生ライブと同じく「三番目の風」でライブをスタートさせた。
12人は久保史緒里と山下美月がダブルセンターを務める「未来の答え」、初夏にぴったりな「トキトキメキメキ」、ラップを織り交ぜたダンスチューン「自分じゃない感じ」と3期生楽曲を連発。ツインテールの伊藤理々杏がセンターに躍り出て披露した「僕の衝動」で3期生は、凛とした表情と力強い歌声を画面の向こうのファンに届け、「毎日がBrand new day」では弾けんばかりの笑顔を見せた。
冒頭から立て続けに楽曲を披露し、額を汗で濡らした彼女たちは、前回の3期生ライブを振り返り、初めての単独公演からちょうど4年という節目にライブができる喜びを語る。この日のライブにかける並々ならぬ気合いをファンに伝えたあと、画面には彼女たちのメイクや衣装にフォーカスした映像が映し出された。その後始まった“衣装パレード”と題されたブロックには、梅澤美波と中村麗乃が「インフルエンサー」のペプラム付きのパンツルック、久保と岩本蓮加が「命は美しい」のオーガンジー素材の衣装、向井葉月と吉田綾乃クリスティーが「真夏の全国ツアー 2018」の赤いドレス、大園と伊藤が蝶が散りばめられた「シンクロニシティ」のワンピース、阪口珠美と佐藤楓がたっぷりと生地を使った「My rule」のセットアップ、山下と与田祐希が「帰り道は遠回りしたくなる」のモノトーンの衣装を着て登場。そのまま12人は「帰り道は遠回りしたくなる」「命は美しい」「My rule」といった着用した衣装と関連した楽曲を披露した。また曲中ではそれぞれの衣装がお披露目された瞬間や着用したライブなどの情報、衣装のラフスケッチなど、楽曲の世界観に寄り添う乃木坂46のこだわりが詰まった衣装が丁寧に紹介された。
ノースリーブのダブルベストにフレンチカンカン風のボリューミーなスカートを組み合わせた衣装を着た伊藤、岩本、梅澤、佐藤、山下、吉田は、乃木坂46アンダーメンバーが歌い継いできた楽曲「三角の空き地」をパフォーマンス。ミュージックビデオと同様にスカートを翻しながらダイナミックなダンスでファンを魅了した。続いて披露されたのは大園と与田が初選抜にしてセンターポジションを務めた「逃げ水」。切ないメロディに乗せて夏の終わりを歌ったこの曲を彼女たちは丁寧に歌ってみせた。
山下、伊藤、中村が選んだ衣装への思いを語る動画が上映されたのち、ステージにはそれぞれが選んだ歴代衣装に身を包んだ12人が登場。山下は橋本奈々未にとって最後の「紅白」の舞台となった「第67回 NHK紅白歌合戦」の真紅のドレス、久保は光沢があるブルーの生地にリッチな刺繍が光る「いつかできるから今日できる」の衣装、佐藤は憧れだった西野七瀬がセンターを務めた楽曲「夏のFree&Easy」のチェック柄衣装、中村は「Route 246」のスポーティな衣装、向井は「あの日僕は咄嗟に嘘をついた」のピンクと紫のモザイク柄のワンピース、伊藤は西野にとって最後の「紅白」の舞台となった「第69回 NHK紅白歌合戦」の花柄衣装、与田は自身の初選抜曲「逃げ水」のMV衣装、大園は「第60回輝く!日本レコード大賞」で着用した白地に紫の小花柄の衣装、梅澤は「2015 FNS歌謡祭」で先輩たちが着ていたベルベット調の黒い衣装、岩本は「Sing Out!」の純白と鮮やかなパープルが印象的な衣装、阪口は「裸足でSummer」のフォークロアテイストなワンピース、吉田はパステルカラーのムラ染めにシンボリックな襟が特徴の「今、話したい誰かがいる」の衣装をそれぞれ選んだ。12人が異なる衣装を着て「不眠症」「サヨナラの意味」を届けたあと、メンバーは憧れの先輩たちが着ていた衣装や自身が選抜メンバーに選ばれた楽曲の衣装など、それぞれが着ている衣装を選んだ理由を明かした。
3期生にとって初めての「乃木坂46 BIRTHDAY LIVE」は、2017年2月の「乃木坂46 5th YEAR BIRTHDAY LIVE」。当時最年少13歳だった岩本が当時のことを回想するVTRが流れたあと、4年前の「BIRTHDAY LIVE」でも着用していた、ハルジオンが刺繍されたワンピースに身を包んだ12人は「ハルジオンが咲く頃」を披露した。続く「白い雲にのって」では当時の映像がインサートされ、4年半という月日が経ち、成長した12人の姿とシンクロ。「ハウス!」では、かわいらしい歌詞とダンスでキュートな魅力を振りまいた。
岩本と向井によるアコースティックギターの伴奏で歌った「僕だけの光」では、メンバー全員が歌いながら涙。リハーサルから涙していたメンバーもいたというこの曲のパフォーマンスを終えると、久保は「こんなに心が動いてグッと来る瞬間を12人で共有できてよかった」、与田は「胸がいっぱいです。いろんなことがあったけれど、12人でライブができてうれしい。いつもありがとう」と涙ながらにメンバーに思いを伝えた。
伊藤、梅澤、佐藤、中村、向井、吉田による「僕が行かなきゃ誰が行くんだ?」、大園、久保、山下、与田からなる・いもうと坂による「言霊砲」、岩本、大園、久保、阪口、与田による「平行線」といったユニット曲のコーナーを経て、12人は「ロマンスのスタート」を披露。「ロマンスのスタート」はステージを飛び出して客席での歌唱となり、12人は座席に置かれたファンからのメッセージを愛おしそうに持ち帰った。
先輩である1期生と2期生、そして後輩である4期生の楽曲を歌うことを宣言した12人は、まず4期生のフレッシュな魅力の詰まった「Out of the blue」をパフォーマンス。さらに、堀未央奈の卒業公演で2度歌うほどに2期生にとって思い入れがあり、3期生もそのステージで共演した楽曲「アナスターシャ」、1期生・生駒里奈のラストセンター曲「Against」と、先輩たちにとって大事な楽曲を12人で届けた。勢いそのままに彼女たちは「インフルエンサー」「シンクロニシティ」といった乃木坂46の代表曲を連発。続く「きっかけ」では、落ちサビ前で久保の渾身のソロ歌唱が響いた。本編ラストを3期生楽曲「思い出ファースト」で彩ると、梅澤は「3期生は乃木坂に加入して5年目を迎えました。振り返ってみるといろんなことがありましたが、そんな中でも4年半、誰1人欠けることなく、こうして12人が同じステージに立てている奇跡を改めて感じたライブでした。こんなにも愛おしくて守りたいと思える人たちに出会えたことが何より幸せです。皆さんにとっても特別な日になっていれば」とあふれ出す思いを口にする。そして12人は深々とお辞儀をしてステージを去った。
アンコールでは6月9日発売の27thシングル「ごめんねFingers crossed」に収録される3期生楽曲「大人たちには指示されない」がお披露目された。「自分の道は自分で決める」という強いメッセージの詰まったこの楽曲では岩本がセンターを務め、パワフルなパフォーマンスを繰り広げた。12人は晴れやかな表情で「空扉」を歌い、最後はサマーチューン「ガールズルール」でフィニッシュ。梅澤は「乃木坂46は今年で10年目を迎えます。こんなにも長く愛されるグループでいられるのは皆さんのおかげです。これからも三期生みんなで手を取り合って大好きで大切なグループにたっぷりの愛を注いで守っていきたい」と大好きなファンと乃木坂46への思いを語り、「乃木坂46 9th YEAR BIRTHDAY LIVE」を締めくくった。
「乃木坂46 9th YEAR BIRTHDAY LIVE ~3期生ライブ~」2021年5月9日(日)セットリスト
01. 三番目の風
02. 未来の答え
03. トキトキメキメキ
04. 自分じゃない感じ
05. 僕の衝動
06. 毎日がBrand new day
07. 帰り道は遠回りしたくなる
08. 命は美しい
09. My rule
10. 三角の空き地
11. 逃げ水
12. 不眠症
13. サヨナラの意味
14. ハルジオンが咲く頃
15. 白い雲にのって
16. ハウス!
17. 僕だけの光(Gt.ver)
18. 僕が行かなきゃ誰が行くんだ?
19. 言霊砲
20. 平行線
21. ロマンスのスタート
22. Out of the blue
23. アナスターシャ
24. Against
25. インフルエンサー
26. シンクロニシティ
27. きっかけ
28. 思い出ファースト
<アンコール>
29. 大人たちには指示されない
30. 空扉
31. ガールズルール
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だい⊿ @daisuzu
【ライブレポート】乃木坂46、3期生がグループの歴史を体現するステージで9回目のバスラ締めくくり(写真14枚) https://t.co/59i6d1w0tJ