syrup16g、開始から1年4カ月経て「【SCAM:SPAM:SCUM:SLUM】」ツアー終幕

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syrup16gが1月13、14日、2月2、3日に東京・USEN STUDIO COASTでワンマンライブ「【SCAM:SPAM:SCUM:SLUM】」を開催した。この記事では最終公演の2月3日公演の模様をレポートする。

五十嵐隆(Vo, G)(撮影:河本悠貴)

五十嵐隆(Vo, G)(撮影:河本悠貴)

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syrup16gは2019年10月にライブツアー「syrup16g Tour 2019【SCAM:SPAM】」をスタート。新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けながらも、無観客生配信や日程振替という形を取って公演を行ってきた。「【SCAM:SPAM:SCUM:SLUM】」はこのツアーを締めくくる有観客ライブで、2月2、3日公演は会場に来れない人のためにStreaming+での生配信も行われた。

syrup16g「【SCAM:SPAM:SCUM:SLUM】」2月3日公演の様子。

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開演時間になると静寂と暗闇の中、青いライトに照らされたステージに3人が姿を現す。虚無感のある乾いたギターの音色でスタートしたのは「もったいない」。生々しいベースサウンドと気だるげなドラムの音が重なっていくと、観客は一瞬でダウナーな世界観へと引き込まれていった。「手首」では真っ赤に染まったステージで五十嵐隆(Vo, G)が声を張り上げる。ライブ序盤からテンションの高い演奏が繰り広げられ、続く「末期症状」「Good-bye Myself」でも三位一体のアンサンブルがどんどん熱を帯びていった。

キタダマキ(B)

キタダマキ(B)[拡大]

「Mouth to Mouse」ではメロウなビートとともにギターとベースがユニゾンするような形で演奏が進み、観客を陶酔させていく。「You Say 'No'」ではたゆたうようなギターサウンドとポップで美しいメロディが幻想的な世界観を生み出した。ライブも中盤に差しかかったところで中畑大樹(Dr)が「いろんなところに行ってきたんですけど、やっと……U2かと思うよね。長いツアー。syrup16g最長のツアー、最終日にお越しいただきありがとうございます」と挨拶。「がっちゃん、まさか去年の2月のライブが(2020年の)仕事納めになるなんて思わなかったね」と中畑が苦笑いすると、ステージに座り込んだ五十嵐もコクコクと頷いた。「具合が悪い方いたら手を挙げてくださいね」と中畑が観客に言葉をかけると、キタダマキ(B)が茶目っ気を見せてすかさず挙手。五十嵐が「キタダさんは抜歯の具合がまだ……」とキタダをフォローするなど、3人の元気な様子が見られた。

中畑大樹(Dr)(撮影:河本悠貴)

中畑大樹(Dr)(撮影:河本悠貴)[拡大]

「哀しき Shoegaze」では3人が緩急を付けながら演奏を展開。五十嵐は高揚した様子で時折声を上げながら、歯を食いしばってギターソロを弾く。そして衝動に身を任せるように「I’m 劣性」を歌ったあと、重厚感のあるグルーヴが渦巻く「夢」で切迫感のある歌声を響かせた。「ハピネス」では五十嵐が美しい旋律を奏で、「Thank you」では弾むようなリズムに乗せて中毒性のあるフレーズをループさせた。

五十嵐隆(Vo, G)

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ライブ終盤、この日は曲中にギターの音が出なくなってしまう機材トラブルが何度かあったことから、五十嵐は「簡単にカッコよくいかせてもらえないのが、syrup16gというか、僕の個人的な問題なんですけど、なんかいろいろありますねえ……本当にすみません。シールドとかケーブル、アンプに超嫌われてまして、すごいドタバタでてんてこまいなんです。とりあえず今日は音を出したいなと思ってます」と申し訳なさそうに語る。しかし最後にはしっかりリラックスした様子で「Your eyes closed」をゆったりと奏でて、客席に手を振ってステージを去って行った。

五十嵐隆(Vo, G)(撮影:河本悠貴)

五十嵐隆(Vo, G)(撮影:河本悠貴)[拡大]

アンコールを求める拍手に呼ばれて、3人は再びステージに登場。温かい拍手を浴びた五十嵐は「ありがとうございますー! 泣けてくる」と泣き真似をして顔をほころばせた。3人はステージサイドから強い光を浴び、神秘的な空気をまといながら「光のような」をプレイ。そのまま中畑がドラムで「神のカルマ」へとつなげ、気持ちよさそうに演奏を繰り広げる。「生活」から突入した「落堕」の前奏では、五十嵐がハーモニクスを使った新たなアレンジを取り入れてオーディエンスを魅了した。

syrup16g「【SCAM:SPAM:SCUM:SLUM】」2月3日公演の様子。(撮影:河本悠貴)

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ダブルアンコールでは五十嵐の「いい日になりますように」という言葉とともに「翌日」が演奏された。メンバーが姿を消したあとも、トリプルアンコールを求める拍手は鳴りやまない。五十嵐はステージに現れるなり、「あー、もう感無量。本当にありがとうございます」と観客に深く感謝した。そして「何かをお返しをしたい。お金以外で……がんばって出てきましたので、1曲だけ聴いてください」という言葉とともに披露されたのは「Reborn」。じっくりと思いを込めるように丁寧に音を届け、3人は温かな拍手に見送られながらステージを去って行った。

ライブ映像のアーカイブは2月7日まで配信されている。

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syrup16g「【SCAM:SPAM:SCUM:SLUM】」2021年2月3日 USEN STUDIO COAST セットリスト

01. もったいない
02. 手首
03. 末期症状
04. Good-bye Myself
05. Mouth to Mouse
06. You Say 'No'
07. 哀しき Shoegaze
08. I'm 劣性
09. 夢
10. ハピネス
11. Thank you
12. Your eyes closed
<アンコール>
13. 光のような
14. 神のカルマ
15. 生活
16. 落堕
<ダブルアンコール>
17. 翌日
<トリプルアンコール>
18. Reborn

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