勇者・眉村ちあき、初の日本武道館ライブで一番魅力的な自分を発見

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眉村ちあきが昨日12月14日に初の東京・日本武道館公演「日本元気女歌手 ~夢だけど夢じゃなかった~」を開催した。

眉村ちあき

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このライブは新型コロナウイルス感染拡大防止ガイドラインに従った形で、最大収容人数の50%以下の観客を動員して開催。会場に集まったマユムラー(眉村ファンの総称)は同じく感染拡大防止のため声援を送れない分、拍手や足踏みで眉村を応援した。またライブの生配信も行われ、全国のマユムラーが眉村の初の武道館でのパフォーマンスを堪能した。

ライブのオープニングではドラマ仕立ての映像を上映。悩みを抱えて眠れぬ日々を過ごす眉村は、街で出会った謎の男に「ファンに会えない毎日が続いて、耳から何かが出そう」という気持ちを打ち明ける。その男から武道館で“ゴストファーのへそのごま”“ペロリンポコの根っこ”“黄金のひまわり”を手に入れれば悩みが解決するとアドバイスされた眉村は、彼から手渡された地図を手に九段下への冒険の旅に出かけていった。

「冒険隊 〜森の勇者〜」を歌う眉村ちあき。

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RPGの世界のように鬱蒼と茂る森が広がり、大きな水晶が輝くステージに現れた眉村は、マントのフードをかぶったまま1曲目「冒険隊~森の勇者~」を勇壮に歌う。ミュージカルさながらの幕開けでマユムラーを圧倒したあと、彼女は「日本武道館へようこそ! 早速トロッコに乗っちゃおうかな」と初の武道館を全力で楽しんでいる様子で、ステージ横のトロッコへ向かった。しかしトロッコは謎の女性を乗せたままアリーナへ進み出る。スクリーンで女性の正体が眉村の母親であることが明かされるとマユムラーは爆笑。眉村はアリーナ席に向けて優雅に手を振る母親に「何やってんの!(笑)」とツッコミを入れていた。

「マーメイドボーイ」を歌う眉村ちあき。

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「ナックルセンス」ではワイヤーに吊り上げられた眉村がステージ上空を舞い、謎の動物・ゴストファーに剣で切りかかってへそのごまを手に入れる。エンタメ性の強い演出で楽しませたあとは眉村のパワフルな歌声が炸裂した「リアル不協和音」、そして映像とレーザーの光が水槽の中のような空間を作り上げた「マーメイドボーイ」と、眉村の豊かな音楽性を感じさせる楽曲が続く。「おばあちゃんがサイドスロー」ではLEDパネルに映し出されたダンサーとシンクロしたダンスを繰り広げ、マユムラーを魅了した。

「最近ときめきが足りていないから、次の曲の落ちサビで壁ドンしてほしいの」という眉村のムチャぶりから始まったのは「シュビデュバ・オブ・クラティー」。彼女の要望に従い、落ちサビでは無言のマユムラーたちが腕を前に突き出すシュールな光景が繰り広げられた。眉村はそんなマユムラー、そしてステージに現れたキッズダンサーの力を借りて謎の植物・ペロリンポコの根っこを引き抜いたあと、キッズダンサーとともに「手を取り合うからね」を笑顔で披露した。それぞれの形で精一杯応援するマユムラーを見渡し、眉村は「うちらはルールの中でも最高を作れる!」と宣言し、「夢だけど夢じゃなかった」を熱唱。力強く拳を突き上げ、せりからステージを去っていった。

約5分の会場内の換気タイムを挟み、再びステージに現れた眉村は水色の可憐なドレス姿に。おなじみのスリッパでアリーナ中央のセンターステージに進み出た彼女は、アコースティックギターの力強いストロークに乗せて「顔面ファラウェイ」「荻窪選手権」「東京留守番電話ップ」「緑のハイヒール」といったナンバーをメドレーで熱唱した。そして眉村はアコギを置き、客席の上部まで見渡しながら「Dear My Family」を披露。後半では瞳をうるませつつも涙はこぼさず、笑顔で家族に向けた思いを歌い上げた。

「36.8℃」を歌う眉村ちあき。

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「こんなに大好きな人に囲まれて幸せ! 私も返すね、大好きを」と客席に笑いかけた眉村は、ミラーボールに照らされながら「本気のラブソング」を歌う。そしてメインステージに戻りつつ「うちら拳でつながってんじゃん? 力足りてるの?」とマユムラーを煽り、マユムラーも大きな拍手と足踏みで応えた。どんな熱いナンバーが来るのかと客席の期待を高めたあとで奏でられたのは、映画「10万分の1」のために書き下ろされたラブバラード「36.8℃」のイントロ。場内には一瞬薄笑いがよぎるが、柔らかなアコギの音色と眉村の丁寧な歌声、そしてステージに降り積もる雪が場内を感動的な空気に導いた。

左から眉村ちあき、玉屋2060%(Wienners)。

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ここで眉村は「黄金のひまわりだけが見つからないんだよね」と、序盤の謎の男からのミッションを持ち出すが、続く楽曲「偏差値2ダンス」で登場したのは、ミュージックビデオと同じ学ランに身を包んだ共作者である玉屋2060%(Wienners)。彼は眉村に同じくMVの衣装であるスカジャンを手渡してデュエットするが、眉村は隙を見て玉屋が手にしたひまわりを奪い取り、最後のミッションを果たした。

トロッコに乗ってマユムラーとアイコンタクトを取りながら「ビバ☆青春☆カメ☆トマト」を歌ったあと、眉村はこの日武道館のステージに立つまでの日々を改めて振り返る。つらい思いもいろいろ味わい、自分らしさを出せなくなったこともあったという彼女は「でも私、勇者じゃん。勇者がここに立つまでいろいろあったけど、一番魅力的なのはこの情緒不安定な私なわけ」と宣言し、大きな拍手を浴びた。そして「明日からみんながちょっと冒険してみようと思えるように、全身全霊を込めて最後の曲を歌います」と語り、「大丈夫」を高らかに歌い上げた。

アンコールを求める拍手が武道館内に響く中、ミッションをクリアした眉村の行く末を描いた映像がスクリーンに映された。3つのアイテムを手に入れ、それらを煮込んだものを飲み込んだ眉村だが、耳の違和感は消えない。ここで謎の男から「マユムラーの応援の声が足りない」と耳打ちされた眉村は、心の声で応援を送ってくれるようマユムラーに呼びかける。その声援のセリフは「奇跡・神の子・天才犬!」。大きな心の声が眉村に届くと、彼女はTシャツに赤ジャージ姿でステージ中央から勢いよく飛び出した。

アンコールでポップアップで登場した眉村ちあき。

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ポップアップでの登場が楽しすぎた眉村の希望でもう一度登場するという予定外の出来事もありつつ、彼女は笑顔でステージを駆け回る。アンコール2曲目、「ピッコロ虫」のイントロではラップをアドリブで繰り広げ、マユムラーに謎のポーズを強要し「私たちはこうやって、その場しのぎで生きていくことを誓います!」と堂々と宣言して場内の笑いを誘った。途中の「明日 朝起きたら 小松菜奈になってますように」という歌詞は「明日の朝起きても 眉村ちあきのままがいい」と変えて歌い、客席の熱い拍手を起こした。

すべての楽曲を披露した眉村は場内の隅々まで手を振り、ステージをあとにした。エンディングムービーではあらゆるスタッフに向けた彼女の謝辞が並びマユムラーを感動させる一方、冒険を支えた謎の男の正体が眉村の父親であったことが明かされる。最後まで観客を驚かせ続ける、眉村らしい初武道館ライブとなった。

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眉村ちあき「日本元気女歌手 ~夢だけど夢じゃなかった~」2020年12月14日 日本武道館 セットリスト

01. 冒険隊 ~森の勇者~
02. 顔ドン
03. ナックルセンス
04. リアル不協和音
05. マーメイドボーイ
06. 夕顔バラード
07. おばあちゃんがサイドスロー
08. シュビデュバ・オブ・クラティー
09. 壁見てる
10. 手を取り合うからね
11. 夢だけど夢じゃなかった
12. アコギマッシュアップ
13. Dear My Family
14. 本気のラブソング
15. 音楽と結婚ちよ
16. 36.8°C
17. やさいせいかつ
18. 偏差値2ダンス feat. 玉屋2060%(Wienners
19. ビバ☆青春☆カメ☆トマト
20. 大丈夫
<アンコール>
21. 奇跡・神の子・天才犬!
22. ピッコロ虫

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