ラッパーの句潤(クール)が11月25日に2ndアルバム「風呼ぶカモメ」をリリースする。
本作にはプロデュースでGREEN ASSASSIN DOLLARが、客演として
冬人STRUT レビュー
ストリートアルバムを含めると自身3枚目となる句潤のソロアルバム「風呼ぶカモメ」はBEAT提供が全曲GREEN ASSASSIN DOLLARとなっている。今現在、日本で最高峰の呼び声も高い話題のビートメイカーだ。
アルバムを再生するとまるで眠りにつくようにゆっくりと立ち上がる1曲目「INTROLL」。途中でかすれたエレピのループに変わり句潤が登場する。GADのBEAT TAPEにも収録された「MOOD 1」のRE-EDITをまるで別の2曲であるかのように聞かせているのはさすがである。
不意にラップが終わり、すぐに2曲目が始まる。どこか不安にさせる和音のループに太くもタイトなドラムとベースが煙った空気を引き締めているBEAT、そこに乗る印象的なフックが強い中毒性を生んでいる「飛矢」
2曲目の後半からアカペラが始まりそれに繋がる形で、前向きなリリックが聴き手の背中を力強く押す3曲目「Color」が始まる。
他にも適当な場所で切ったようで絶妙なループになっている神業CHOP BEATに、句潤のラップとDJ TAKEFUNKによるパンチラインのScratchがフックを形作る4曲目「メインディッシュ」
そしてミニマイズされたベースラインによって句潤のアルバムではお馴染みのD.D.Sとの掛け合いが映える一曲「Notes&Moneys」
コロナ下に自身のアルバム「ナイスパニック」をリリースしたPONEYとリモートラップ電話1発録りという自粛生活下での彼らの謎の私生活を垣間見られるような「SKIT」
シングルカットまったなし、G-FUNKを感じさせる旨味成分の強いBEATに、横浜のA1 CLASS DEEJAY
全編に渡って広がっているEmotinalながらも仄かに煙たい濃密な空気の中、句潤によるDisだけではない様々な言葉が紡ぎ出されている。
黄昏時に一人で佇むようなラストのインスト曲「OUTROLL」がフェードアウトした後に句潤のアカペラで終わるのだが、実はこれは自身のLIVEの前口上にもなっている。プレイヤーをリピートにしていれば、ここからそのまま眠るように一曲目の「INTROLL」が再び始まるのだ。
このようにストリーミングでは味わえない巧みな構成もこのアルバムの魅力の1つとなっている。
もう一度言うが、このアルバムは1枚を通して「繰り返し」聴くことを強く推したい。
By冬人STRUT
句潤「風呼ぶカモメ」収録曲
01. INTROLL
02. 飛矢
03. Color
04. メインディッシュ(Scratch by DJ TAKEFUNK)
05. Notes&Moneys feat. D.D.S
06. 風呼ぶカモメ
07. SKIT~リモートワーク With ナイスパニック P
08. Word の Sword
09. Good より Better
10. My Way feat. RudeBwoy Face, KillaNami
11. Kick&Push
12. Bad ときっとを Spit
13. OUTROLL
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