新型コロナウイルスの感染が拡大している状況を受け、最新ツアー「米津玄師 2020 TOUR / HYPE」は中断を余儀なくされ、秋以降に予定していた延期公演も、来場者の安全を確保するため中止した米津。今回の「FORTNITE」でのイベントは、この状況下でもファンと同じ時間を過ごせる方法を模索していく中で実現した。過去に「FORTNITE」内ではトラヴィス・スコットやマシュメロらがライブを披露しているが、日本人アーティストがこの企画に参加するのは初めて。さらには8月5日に米津の5thアルバム「STRAY SHEEP」をリリースしたばかりとあって、日本のみならず世界中のファンがアバターとなってイベントに参加した。
世界中のファンが待ちわびるメイン・ステージに米津は、「STRAY SHEEP」のジャケットに描かれたキャラクターと同じように羊のマスクをかぶって登場。リアルなCGキャラクターになった米津は、「STRAY SHEEP」収録の「カロリーメイト」CMソング「迷える羊」でステージを開始した。ライブステージさながらの場所で歌唱する米津の背後には巨大な機械仕掛けの歯車が出現し、サビではゲームプレイヤー全員が空高く飛ばされるなど、ダイナミックな演出で楽曲が届けられる。続けて披露されたのはTBS金曜ドラマ「MIU404」の主題歌「感電」。ファンキーなサウンドに乗って米津は体を揺らしながら歌い、Dメロパートでは稲光の中で米津自身が透明に変化していった。
「砂の惑星」では、米津が都会や砂漠の真ん中を行き来しながらパフォーマンスするというバーチャルライブならではの演出でゲームプレイヤーたちを魅了。マイクを握りしめた米津は「未曾有な出来事を前に私のような音楽家にできることはそう多くはありません。変わっていく時代の中でより新しく、それでいて美しい一瞬をみんなと過ごしていたい。そういう思いを抱きながら今ここに立っています」とこのイベントにかける思いとファンへの感謝の思いを真摯に伝えた。
ここまでのパフォーマンスは退廃的な世界観の中で繰り広げられてきたが、4曲目の「パプリカ」は豊かな緑の中で披露された。米津が手を掲げて躍動すると、それに呼応するように色鮮やかな花たちがスクリーンいっぱいに咲き乱れる。そしてゲームプレイヤーたちはカラフルな紙吹雪が舞うスクリーンの前でそれぞれの“エモート”でダンスを踊った。空に浮かぶ太陽が沈み、満天の星空が現れるとラストソング「Lemon」のパフォーマンスが始まる。米津が祈るように歌うと、メイン・ステージに光の雨が降り注ぎ、映像の中には「STRAY SHEEP」を象徴するモチーフのクリスタルが続々と現れた。最後は米津自身も徐々にクリスタルへと変貌を遂げ、約30分のイベントの幕が閉じた。
なお「米津玄師 2020 Event / STRAY SHEEP in FORTNITE」は本日8月8日(土)2:00、8:00にアンコール開催されるので、見逃した人やもう一度パフォーマンスを楽しみたい人はこちらもチェックしてみよう。
「米津玄師 2020 Event / STRAY SHEEP in FORTNITE」2020年8月7日 セットリスト
01. 迷える羊
02. 感電
03. 砂の惑星
04. パプリカ
05. Lemon
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※記事初出時より、イベント写真を追加しました。
HMV三宮オーパ @HMV_Sannomiya
【イベントレポート】米津玄師が“新しく美しい一瞬”を世界中のファンと過ごした「FORTNITE」イベント(写真16枚) https://t.co/z5HQhgMm73