LIVEWIREはスペシャによるキュレーションのもと、配信ライブイベントの企画や撮影、アーティストグッズのEC販売などのサービスを展開する“オンラインライブハウス”。LIVEWIREの第2弾公演に登場したくるりは、岸田繁(Vo, G)、佐藤征史(B, Vo)、ファンファン(Tp, Key, Vo)の3人に、野崎泰弘(Key)、松本大樹(G)、BOBO(Dr)というサポートメンバーを加えた編成で、地元・京都のライブハウス・磔磔より90分にわたりたっぷりとパフォーマンスを届けた。
開演時刻を迎えると、ステージ上にバンドメンバー7人が登場。岸田が「こんばんは。くるりです」と挨拶すると、バンドは「琥珀色の街、上海蟹の朝」でライブをスタート。8台のカメラが各メンバーをさまざまなアングルで捉えながら、ゆったりとライブが進行されていく。続いて岸田の「いろんな曲をいろんな編成でやろうと思っております」という宣言に続けて、岸田、佐藤、野崎、BOBOの4人で、4月にリリースされたアルバム「thaw」から「鍋の中のつみれ」が披露された。
その後バンドはアルバム「言葉にならない、笑顔を見せてくれよ」の収録曲を5曲続けて演奏。まずは「麦茶」「温泉」「目玉のおやじ」「コンバット・ダンス」を岸田、佐藤、BOBOの3人編成で披露すると、佐藤は「トリオでやるのめちゃくちゃひさしぶりですよね」と感慨深そうにコメントした。「東京レレレのレ」ではファンファンが再びステージに姿を現し、熱のこもったトランペットの音を奏でる。このブロックでは、ファンファンが「MCが長いって言われました。ちょっと押してるって」と明かし、佐藤が「喋らんと次の曲行くのめっちゃしんどいで」と応えるなど、生配信ならではのやりとりが行われる場面も。
ライブの中盤では、岸田がエレキギターからアコースティックギターに持ち替え、「キャメル」「ブレーメン」「宿はなし」といったスローテンポのナンバーをじっくりと聞かせる。「ブレーメン」のイントロでファンファンのトランペットの音が高らかに鳴り響くと、会場は一気に柔らかい空気に。「宿はなし」では暖色の照明とも相まって、ノスタルジックかつ温かい雰囲気が会場を包んでいった。
ライブが終盤を迎えると、サポートメンバーがステージに登場し再び6人編成に。バンドはくるり屈指の“変な曲”「Liberty & Gravity」や、大胆な転調が耳を引く「Morning Paper」をパフォーマンスし、独特のアンサンブルで会場の熱を高めていく。さらに畳みかけるように代表曲「ロックンロール」をプレイ。軽快なギターリフを基調とした心地よいサウンドを画面の向こうの視聴者に届ける。アウトロでは2分間にわたりアグレッシブな演奏が行われ、会場がこの日一番の熱気で満たされていった。続けてアルバム「thaw」の収録曲「心のなかの悪魔」と、大鵬薬品工業「チオビタドリンク」のCMソングとしても知られる名バラード「奇跡」が披露されると、会場は一転して穏やかなムードに。くるりの音楽性の幅広さを感じさせるパフォーマンスとなった。
その後、終演予定時間の21:00まで5分を切ったところで、岸田が「あと2曲やる予定やったけど、喋りすぎて時間がギリギリになりました。最後の曲です! よし、やろう!」と宣言し、最終曲「everybody feels the same」を駆け抜けるように演奏。メンバー全員の「everybody feels the same」という一体感のあるコーラスで、この日のパフォーマンスが終了した。演奏終了後には、岸田が「20時59分!」と口にし、佐藤が「間に合った!」と安堵する一幕も。岸田が「テンポ上げてくれたもんね」とBOBOをたたえるなど、和やかな空気でライブは幕を閉じた。
くるり「LIVEWIRE くるり in 京都磔磔」2020年7月11日 セットリスト
01. 琥珀色の街、上海蟹の朝
02. 鍋の中のつみれ
03. 麦茶
04. 温泉
05. 目玉のおやじ
06. コンバット・ダンス
07. 東京レレレのレ
08. キャメル
09. ブレーメン
10. 宿はなし
11. Liberty & Gravity
12. Morning Paper
13. ロックンロール
14. 心のなかの悪魔
15. 奇跡
16. everybody feels the same
HOLIDAY! RECORDS おすすめ音楽紹介 & CD屋 @holiday_distro
【ライブレポート】くるり地元京都から無観客ライブ配信、制限時間ギリギリまで熱演 https://t.co/dlL7w8Eybq