CANの全18作品再発に石野卓球、小山田圭吾、坂本慎太郎がコメント

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ドイツのロックバンド・CANの全18作品が7月から2021年1月にかけて再発売されることが決定。発売に際し、石野卓球電気グルーヴ)、小山田圭吾Cornelius)、坂本慎太郎、野田努(ele-king編集長)がコメントを寄せた。

CANリイシューシリーズ告知フライヤーの表面。

CANリイシューシリーズ告知フライヤーの表面。

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18作品はUHQCD仕様で、オリジナルアートワークを再現した紙ジャケットに収められる。リリースは4段階に分けて行われ、第1弾は代表作「エーゲ・バミヤージ」など5作品が、Tシャツ付き限定セットやオリジナルメンバーであるイルミン・シュミットの最新ソロアルバム「ノクターン」と同時に7月17日に発売される。

再発シリーズ第2弾は「フューチャー・デイズ」など5作品が9月25日に、第3弾は「タゴ・マゴ」など5作品が11月27日に、第4弾は発掘音源集など3作品が2021年1月15日に発売される。

4人が発表したコメントは以下の通り。

石野卓球 コメント

“CAN以前とCAN以後”での
ロック音楽の持つ可能性が大きく変化そして進化した。
CANの前にCANは無し
CANの後にもCANは無し!

小山田圭吾 コメント

あらゆる音楽の要素を内包しながら
そのどれとも微妙な距離を保っている感じがして、
いつ聴いても新鮮に聞こえます。

坂本慎太郎 コメント

初期CANを聴いた時、スライの暴動とVUの2ndが融合したような音楽だと思った。
クールで熱い、知的で野蛮、未来的で原始的、シンプルで複雑、
要するにかっこいい音楽の要素が全てここにある

野田努(ele-king)コメント

CAN=缶であり、トルコ語のCAN=魂/生命であり、CAN=「できる」であり、C=コミュニズム・A=アナーキー・N=ニヒリズムなどなど諸説あるのだが、やはりCAN=缶だろう。じっさいロックからジャズ、現代音楽から民俗音楽まであらゆるものが詰め込まれたこの缶=バンドは、1968年という革命の年、西ドイツのケルンにて始動した。クラシックを学んだイルミン・シュミットとホルガー・シューカイ、ジャズ・ドラマーとして活動していたヤキ・リーヴェツァイトという、すでにそれぞれの道でそれなりのキャリアを歩んでいた3人が10歳ほど年下のロック青年、ミヒャエル・カローリと組んだロック・バンドだった。
とはいえCANは、とてもじゃないが、ありがちなロック・バンドではなかった。ドラマティックな展開よりも反復を好み、ありがちなメロディよりも斬新な音響を優先させた。メッセージは歌わない。音そのものがメッセージでありコンセプトだった。2トラックのレコーダーで可能性の宇宙を旅しながら、演奏のスキルを見せびらかさず、スタジオワークを追求した。神聖さを放棄し、遊び心を尊重した。実験的かつチャーミングで、知性とユーモアを携えていた。どこまで意識したのかどうかは定かではないが、ややずっこけたアートワークを好んでもいる。
CANほど先走りしたバンドはいない。その証拠に、同時代よりもむしろ後の世代への影響のほうが大きい。パンクからポストパンク、ヒップホップ、テクノ、そしてポストロック、たとえばジョン・ライドンからトーキング・ヘッズ、ソニック・ユースからスティーヴ・アルビニ、ポーティスヘッドからレディオヘッドまでと、多くの作品のインスピレーションとなっている。というのも、いまだCANにしかない魅力があり、それらは永遠に繰り返し聴かれるためにあるからだ。

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