TOTALFATキュレーション「UKFC」にBIGMAMAやグドモら盟友集結
2019年8月28日 20:40
2 音楽ナタリー編集部
レコード会社UK.PROJECTとプロダクションUKPMによる恒例のライブイベント「UKFC on the Road 2019」が8月22日に東京・新木場STUDIO COASTで開催された。
10月にTOTALFATからKuboty(G)が脱退することを受け、TOTALFATがキュレーターを務め、「GO AHEAD TOTALFAT, GOOD BYE Kuboty」というテーマのもと行われた今年の「UKFC」。TOTALFATのメンバーが「UKFC」で対バンしたいバンドを、UKファミリーの枠を飛び越えてゲストとして招き、1日限りのスペシャルなイベントとなった。
前説はTOTALFATが担当し、Shun(Vo, B)は「Kubotyがいる状態での最後の『UKFC』です。いろいろなステージに首を突っ込みます。会場で俺らを見つけたら、ハイタッチをかましてください!」と挨拶。“陽キャ”(陽気なキャラクター)で知られるTOTALFATがキュレーターを務めるとあって、開会宣言では「今日はみんなで!?」という声を合図に観客たちが「陽キャー!」と叫んだ。
まずサブステージ・FUTURE STAGEに現れたのは今年UK.PROJECT内のレーベルDAIZAWA RECORDSからデビューしたEASTOKLAB。彼らは幻想的なシューゲイザーナンバー「In Boredom」でライブをスタートさせ、日置逸人(Vo, G, Syn)の美しいファルセットボイスで観客を魅了した。彼らは「ここはFUTURE STAGEなので、未来に向けた曲を最後にやってお別れしたいと思います」と来場者に告げ、新曲「Dive」でパフォーマンスを締めくくった。メインステージ・FRONTIER STAGEのトップバッターはthe telephones。石毛輝(Vo, G, Syn, Programming)がお得意のハイトーンボイスで「猿のように踊ろうぜ!」と叫ぶと、バンドは1曲目にしてキラーチューン「Monkey Discooooooo」を投下し、フロアを踊らせる。「Urban Disco」では、岡本伸明(Syn, Cowbell, Shriek)がフロアに降りて縦横無尽に暴れまわり、石毛が「ウィーアー!」「ディスコ!」という恒例のコール&レスポンスで観客と盛り上がる。終盤のパフォーマンスにはTOTALFATのKubotyとBunta(Dr)も参加。過去には一緒のツアーをまわったこともある2組だが、the telephonesのステージにTOTALFATメンバーが登場し、コラボパフォーマンスを披露するのは今回が初となった。彼らは予定とは違う曲を演奏するというKubotyへのドッキリを仕掛けて笑いをとりつつ、ラストの「I Hate DISCOOOOOOO!!!」まで熱演を繰り広げた。
the shes goneは「最低だなんて」でライブを開始。ラストの「甘い記憶」まで繊細なギターロックを鳴らし続けた。POLYSICSはキラーアンセム「シーラカンス イズ アンドロイド」でパフォーマンスをスタート。「Twist and Turn!」では機材トラブルで、ハヤシ(G, Vo, Syn, Programming)とフミ(B, Vo, Syn)の立ち位置が急遽入れ替わるアクシデントもあったが「UKFCスペシャル仕様でした!」と、百戦錬磨のライブバンドらしく、それを笑い飛ばしてみせた。彼らはその後、おなじみの「トイス!」コールを挟み、10月9日発売のニューアルバム「In The Sync」の収録曲「Kami-Saba」や「Belong」をいち早く披露。「Let's ダバダバ」では黄色のつなぎとバイザーを着用したJose(Vo, G)が乱入し、続く「How are you?」ではKubotyもパフォーマンスに加わった。
SPiCYSOLはKENNY(Vo, G)の華やかなボーカルが映えるシーサイドナンバー「Mellow Yellow」やサンバのリズムとPETE(Key, Trumpet, Cho)による生のトランペットが昂揚感を生んだ「Fresh Go」でフロアを揺らす。その後彼らはTOTALFATをFUTURE STAGEへと呼び込み、SPiCYSOL流アレンジのTOTALFATのナンバー「Room45」でコラボした。tetoは「高層ビルと人工衛星」で演奏を開始。衝動的な演奏の中、マイクスタンドをなぎ倒した小池貞利(Vo, G)は、2曲目の「拝啓」でギターを抱えたままフロアへダイブする。新曲「全肯否定」を歌ったあと、小池はお酒ばかり飲んで孫の名前も思い出せなくなった祖父にtetoのCDを聴かせると「貞利の歌はいいな」と名前を思い出してくれるというエピソードを披露。そして「音楽に人を救える力がないと思ってる。救われるのは、その人が強いから、音楽が救われた気持ちになると思ってるけど、その時、音楽には人を救う力があるなと思いました」と伝え、「光るまち」をメンバーと共に演奏した。
ウソツキは「アンダー・ザ・シー」のカバーで、Shunとのコラボを披露。竹田昌和(Vo, G)は「『UKFC』で一番の陽キャです」と言いながらも、「陽キャの皆さんが苦手なんですよ(笑)」「僕たちは夜中の1人のあなたのために音楽をやっています」と語り、新曲「0時2分」を歌い上げた。BLUE ENCOUNTは「KICKASS」をはじめ、4人のプレイが激しく主張し合う骨太なナンバーでフロアを沸かす。田邊駿一(Vo, G)は「新木場、もっとかかってこいよー!」と挑発的な言葉を投げかけ、「Survivor」「DAY×DAY」といったキャッチーなライブアンセムを披露した。「正直に思いを伝えるのが苦手な人がバンドをやってる、特にTOTALFATはそういう先輩だと思うから、伝えたいことは言葉ではなく、音楽で届けたい」と田邊が告げたあと、バンドは「THANKS」を披露。エネルギッシュなパフォーマンスで観客を盛り上げ続けた。
ライブハウスの外で展開されたスポットCHILL GARDENでは、SPiCYSOLメンバーによるアコースティックライブも行われた。ショートバージョンで披露された「#goodday」や「Honey Flavor」に虫の鳴き声も重なり合い、観客はリラックスしたムードの中、ライブを楽しんだ。後半戦の口火を切ったのはTOTALFATと同じく八王子発のメロディックパンクバンド・INKYMAP。初っ端からKubotyが飛び入りするというサプライズでフロアを沸かせ、「Shine」や「Take The Lead」というポジティブなナンバーをパワフルに演奏した。BIGMAMAは「No.9」でライブをスタート。金井政人(Vo, G)が「もっと自由に! あなたのスタイルで!」と呼びかけ、バンドは「MUTOPIA」や「最後の一口」を演奏する。MCを挟むことなくライブは進行していき、「ファビュラ・フィビュラ」ではKubotyとコラボ。人気曲「cpx」ではそこにShunも加わり、ラストの「荒狂曲“シンセカイ”」まで駆け抜けた。
FUTURE STAGEのトリを飾ったグッドモーニングアメリカは、Kubotyがギターボーカルを担当していたバンドLOWBROWの楽曲をSEにしてステージに現れた。アッパーチューン「アブラカタブラ」や「YEAH!!!!」を畳みかけ、渡邊幸一(G, Cho)は「TOTALFATは好きですか? Kubotyは好きですか? 俺は大好きだー!」と思いの丈をぶちまける。TOTALFATに出会った頃の曲として、グッドモーニングアメリカは前身バンドfor better, for worseのナンバー「A landscape back to us」を披露。「未来へのスパイラル」ではゲストボーカルに加わったJoseと共に特大のシンガロングを巻き起こし、「空ばかり見ていた」ではKubotyが金廣真悟(Vo, G)のギターを弾いて、渡邊とのツインギターで魅せた。
大トリ・TOTALFATは4人で拳を突き合わせ、サマーチューン「夏のトカゲ」で勢いよくライブをスタート。彼らは勝利への意志を力強く鼓舞する「Phoenix」から、何度でも新たなスタートを切れると激励する「Room45」へとポジティブなエネルギーに満ちた楽曲を畳みかけていく。終盤では出演者たちとのコラボレーションを次々と展開。BIGMAMAの金井と東出を迎えた「晴天」と「Good Bye, Good Luck」を経て、「PARTY PARTY」でBLUE ENCOUNTとコラボすると、そこにthe telephonesの長島涼平(B)と岡本も参加し、会場は大盛りあがりに。ラスト1曲を残したところでShunは「俺らがキュレーターをやることが決まってから、本当に今日まで、あれをやりたい、これをやりたいって言ったけど、社長は何ひとつノーと言わなかった。これが俺たちの家です」とUK.PROJECTの名物社長・遠藤幸一氏へ感謝の言葉を述べる。そして「ここに4人で立つのは最後になるけど……わかった! 今度は(UKFCに)Kubotyをゲストで呼べばいいんだ。逃がさないからな!」とKubotyに言葉をかけ、本編を「ONE FOR THE DREAMS」で締めくくった。アンコールの「Good Fight & Promise You」では、高校の同級生だったグッドモーニングアメリカと後輩BIGMAMAを交えた“同窓生コラボレーション”が実現。最後に披露された「Place to Try」ではそのほかの競演者たちもステージへ登場し、「UKFC on the Road 2019」は大団円を迎えた。
※記事初出時、本文に誤りがありました。訂正してお詫びいたします。
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