LITE、濃密な時間をファンと共有「Multiple」ツアーファイナル

LITEが昨日7月13日に東京・WWW Xでライブツアー「LITE "MULTIPLE" JAPAN TOUR」の最終公演を開催した。

6月5日に最新アルバム「Multiple」を発表し、同月より中国5都市と東名阪3都市を回るツアーを行ってきたLITE。そのファイナルとなるWWW X公演では日本のみならず外国からのファンも来場し、国際色豊かな光景が広がっていた。

LITEはまず武田信幸（G）が「『"MULTIPLE" JAPAN TOUR』へようこそ」と挨拶すると共にこの日のライブの撮影・録音が可能であることを告げる。彼らは4人一斉に音を鳴らしてから「Deep Layer」を1曲目にプレイ。山本晃紀（Dr）の刻む歯切れのよいビートに、井澤惇（B）のうねるベースラインが絡む。武田と楠本構造（G, Syn）はリズム隊の演奏と息がぴったりのカッティングを奏でたり、荒々しく歪んだサウンドを鳴らしたりと音像に立体感を与えていった。「Human Gift」の演奏時に井澤の機材トラブルがありつつもスタッフによって迅速な対応がなされ、スムーズな流れで「Image Game」「Blizzard」と立て続けに楽曲が披露された。

撮影可と予告したにも関わらず、カメラを向ける人が少ないことについて言及した武田は、「Instagramって知ってる？」と冗談ぽく観客に語りかけ、ハッシュタグ「#LITE_Multiple」で撮影した写真、動画をSNSにアップするように呼びかけた。新作の収録曲「Temple」では、メカニカルなフレーズを展開していき、楠本の奏でる憂いを帯びたメロディをきっかけに4人は大きく体を動かしながら迫力あるサウンドを届けた。

LITEは10曲目「Maze」でリバースエコーなどを取り入れたエフェクティブな轟音を鳴らし、場内に浮遊感をもたらす。「One Last Mile」では楠本がシンセと向かい合い、野太く歪んだベースに武田の奏でるナチュラルハーモニクスの合間を縫うようなしっとりしたシンセサウンドを奏で、山本が四つ打ちを基軸にしつつも緩急のあるリズムを刻んだ。ライブ後半には「Ring」のレコーディングにゲスト参加したmaco maretsがステージに登場し、音源のみならず、ライブでもコラボレーションを展開。コラボのあと、「ちょっと古い曲やります」という武田の言葉に続き、彼らは2008年発表のアルバム「Phantasia」から「Ef」を演奏し、大きな歓声を沸き起こした。勢いを保ったまま同アルバムの収録曲である「Ghost Dance」を投下し、息のぴったりあったアンサンブルで観客の心をつかみ、最新アルバムのラストを飾ったナンバー「Clockwork」でスリリングなアンサンブルを響かせた。

ライブ終盤のMCではLITEの新しい試みとしてスマートフォン用アプリのローンチを告知。このアプリはファンクラブでもオンラインサロンでもない形態でLITEとファンのコミュニティを形成することを目的としたもので、有料会員になることでアルバムに収録されなかった楽曲、デモ音源、360°ライブ映像などがストリーミングで楽しめる。またライブ映像については海外公演なども対象となることが明かされた。告知のあと、4人はギターのループサウンドがファンファーレのように高らかに鳴り響く「Bond」を披露。続けざまに「Infinite Mirror」「Phantasia」を熱く演奏してツアーファイナルを締めくくった。

アンコールの声に応えて再びステージに上がったLITEは、「ありがとう！」と感謝を伝え、ラストに「Contemporary Disease」をプレイ。激情に駆られるアグレッシブさと繊細さが融合した白熱のパフォーマンスを繰り出し、ライブを終えた。