こぶしファクトリー、初の中野サンプラザ単独公演で大団円「もう、これハロコンだな」

こぶしファクトリーが5月3日に東京・中野サンプラザホール、6日に大阪・NHK大阪ホールにてホールツアー「こぶしファクトリー ファーストコンサート2019 春麗 ～GWスペシャル～」を開催した。この記事では中野サンプラザホール昼公演の様子をレポートする。

結成から4年、かねてからのグループの目標であった中野サンプラザホールでの初単独ライブを実現させたこぶしファクトリー。チケットは昼夜2公演共にソールドアウトし、2公演あわせて約4000人のこぶし組（こぶしファクトリーファンの呼称）が会場に集結した。

ライブの1曲目を飾ったのは、現5人体制になってから初めて発表された楽曲「これからだ！」。続いてこぶしファクトリーは最新シングル「Oh No 懊悩 / ハルウララ」より「ハルウララ」を披露し、春にふさわしい可憐なステージングを見せた。さらにライブ序盤には1分におよぶ井上玲音によるボイスパーカッションや、5人のアカペラとオケを交えた「桜ナイトフィーバー」「サンバ！こぶしジャネイロ」のメドレーが披露され、メンバーのパワフルな歌声に観客は大いに盛り上がった。

MCでは5人が興奮した様子で会場を見渡す。井上は「みんなが“こぶし組”だなんてうれしすぎます」と喜びを語り、浜浦彩乃は「こんなに奥まで人がいる！」と感激。2階席の観客は彼女たちの呼びかけに大きな声援で応えた。「Oh No 懊悩」の披露前に行われた振り付けのレクチャーでは、2000人がペンライトを持ちながら腕で「O」「N」という文字を作ってジャンプし、その光景を見たメンバーが思わずはしゃぎだす。また「未熟半熟トロトロ」の曲中には、バックスクリーンにデビュー時から本ツアーの開催が発表されたときまでを振り返る映像が映し出された。

これまでの道のりを振り返ったのち、こぶしファクトリーはアップテンポなトロピカルナンバー「消せやしないキモチ」をパフォーマンス。早着替え後の「きっと私は」では会場にシンガロングが響きわたり、「ナセバナル」では5人がステージ中央に集まって互いに視線を合わせ、笑顔になる場面も。ここで一旦ステージに幕が降り、場内には和風のSEが流れ出す。再び幕が上がると、浜浦の声を合図にメンバーによる和太鼓の演奏が始まった。全員初心者だった彼女たちは練習に約4カ月をかけ、本番で勇壮な音を響かせた。演奏はそのまま「ドスコイ！ケンキョにダイタン」へとつながり、客席からは喝采が沸き起こった。

ライブ終盤、5人は「バッチ来い青春！」「押忍！こぶし魂」などのナンバーで会場の熱量をぐいぐいと上げていく。「亀になれ！」ではこぶし組がタオルを振り回し、本編ラストナンバーとして披露された新曲「ドカンとBREAK!」では手に“ぐーちゃんリング”をつけたメンバーが拳を掲げ、観客もそれを真似してパフォーマンスに応えた。

アンコールは「念には念（念入りVer.）」でスタート。MCでは5人がそれぞれ初の中野サンプラザホール公演に対する思いを述べた。和田桜子は「最終リハで3回ぐらい、本番中は2回ぐらい泣いちゃってたんですけど、本番は楽しさが勝つんだなって思いました。楽しかった！ 令和の始まりにいいスタートが切れました」と笑顔を見せ、浜浦は会場中で光るペンライトを見て「ああ、これが私の見たかった景色だなと思いました。皆さんの『こぶし！』って声を聞いたらドキドキしたんですが、メンバーと目を合わせると安心できて『ここが私の居場所だな』って思いました」と挨拶。井上は「想像していた以上にいいものが作れました。昔の私だったらすぐ泣いてたと思うんですけど、強くなったみたいで『がんばったな』という思いと楽しさのほうが強いです。皆さんにも楽しんでいただけてたらなと思います」と自信に満ちた表情で語った。

また野村みな美は「中野サンプラザが埋まったことは聞いていたんですけど、実感がなかったんですよ。でも今日、この5人でこのステージを占領して、皆さんがこんなにたくさん客席にいらっしゃって『もう、これハロコンだな』って思いました」と興奮気味に話すも、ほかの4人から「違うよ？」とツッコまれ、会場に笑いを起こす。最後に広瀬彩海が感極まり、泣きそうになりつつも「こぶし組の皆さんや周りにいる人、知っている人全員がいなかったら今日のコンサートは成り立たないと思うんです。もっと広い会場でライブができるように、応援していただけるように、まずはこの4公演をしっかり成功させて次につなげたいです」と力強く語った。そして広瀬の「これからも一緒にたくさんのことを乗り越えていきたいです」という言葉から、こぶしファクトリーは感謝の気持ちを込めて「辛夷の花」を歌唱。ペンライトの光は白一色に変わり、歌唱中にうれし泣きする和田をメンバーとこぶし組が思い思いの笑顔で見守るという大団円でライブが締めくくられた。

※記事初出時、本文に誤りがありました。訂正してお詫びいたします。