11月3日の富山・MAIROを皮切りに、全国11会場を回るツアーを実施してきたGRAPEVINE。彼らが「club circuit」と題したツアーを実施するのは約3年ぶりで、最終日の新木場STUDIO COAST公演には多数のファンが詰めかけ、フロアは満員となった。
定刻を迎え、メンバーそれぞれが定位置に付いて準備を進める中、田中和将(Vo, G)は「旅から帰ってきたで!」とオーディエンスに挨拶。亀井亨(Dr)の繊細なドラミングで始まった「ピカロ」で静かにライブをスタートさせた5人は、「SATORI」「1977」とミドルテンポのナンバーを盤石なアンサンブルで届け、フロアを徐々に温めていく。ライブ序盤のMCで「お察しの通り、今年はなんのリリースもしていません」と、自虐的にバンドの近況を伝えた田中。ここ数年アルバムを携えたツアーを行ってきた彼らだが、本ツアーでは特定のアルバム作品にとらわれず「EAST OF THE SUN」「その日、三十度以上」「FORGE MASTER」など新旧の楽曲を織り交ぜたセットリストでファンを高揚させた。イントロでひと際大きな歓声が上がった「マダカレークッテナイデショー」の演奏中には「本日のアニキ!」というお決まりの振りから、西川弘剛(G)が堂々としたギターソロをプレイ。アウトロでは金戸覚(B)もステージ前方でソロを熱演し、フロアの喝采をさらった。
昨年がメジャーデビュー20周年であったことを受け「21周年もありがとう」とオーディエンスに何度も感謝の言葉を述べた田中。アコースティックギターを手にした彼は「Weight」「Dry November」の2曲で、柔らかな歌声を響かせて観客を魅了した。ライブ後半「BABEL」「HESO」といった近年発表されたナンバーから「白日」「シスター」といった懐かしの楽曲が披露されたブロックでは、高野勲(Key)が楽曲によってシェイカーやマラカス、スティールギターなどに楽器を持ち替えて演奏に加わり、バンドのサウンドを彩った。「EVIL EYE」の演奏中に田中がオーディエンスに“イービルサイン”のポーズを促すとフロアからは多数の手が上がり、会場内は自然と手拍子が上がるほどの盛り上がりを見せる。本編最後の楽曲「うわばみ」を届け終えると田中は「今年もありがとう。新木場!」と挨拶し、メンバーと共にステージをあとにした。
熱烈なアンコールを受け、缶ビールを手にステージに舞い戻ったGRAPEVINEのメンバーは、「KOL」でライブを再開。西川と金戸が2人共ステージ前方まで歩み寄り、アグレッシブなパフォーマンスで再びフロアのテンションを引き上げていく。「Reverb」では高野もギターを手にし、ギター3本による重厚なサウンドでオーディエンスを圧倒。またアンコールでは田中が「帰りに看板を見て帰ってくれ」と告知をほのめかすひと言を漏らすと、会場内は堰を切ったような歓声に包まれた。「会いにいく」「ナポリを見て死ね」といった2000年代前半に発表された楽曲を届けたのち、彼らがこの日の最後に披露した楽曲はメジャーデビュー20周年記念シングルとして去年リリースされた「Arma」。計24曲を演奏し、満足気な笑みを浮かべた田中は「来年もよろしく!」と観客に声をかけ、全国ツアー「GRAPEVINE club circuit 2018」の幕を閉じた。
なお終演後の会場外の看板では、GRAPEVINEが2019年2月6日にニューアルバム「ALL THE LIGHT」をリリースすること、昨日11月28日よりアルバム収録曲「Alright」の先行配信が行われることが発表された。アルバムの詳細は、後日バンドのオフィシャルサイトにてアナウンスされる。
GRAPEVINE「GRAPEVINE club circuit 2018」2018年11月27日 新木場STUDIO COAST セットリスト
01. ピカロ
02. SATORI
03. 1977
04. EAST OF THE SUN
05. TOKAKU
06. その日、三十度以上
07. FORGE MASTER
08. MAWATA
09. マダカレークッテナイデショー
10. Weight
11. Dry November
12. BABEL
13. Silverado
14. HESO
15. 白日
16. シスター
17. EVIL EYE
18. 公園まで
19. うわばみ
<アンコール>
20. KOL
21. Reverb
22. 会いにいく
23. ナポリを見て死ね
24. Arma
関連商品
リンク
- GRAPEVINE OFFICIAL WEBSITE
※記事公開から5年以上経過しているため、セキュリティ考慮の上、リンクをオフにしています。
ugの人 @hiramee
GRAPEVINE、旅から戻った東京公演で新旧ナンバー24曲熱演 - 音楽ナタリー https://t.co/r39HjJz4YT