ローカルバンドの最高傑作・G-FREAK FACTORY、晴れの日比谷野音に立つ

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G-FREAK FACTORYがライブツアー「G-FREAK FACTORY “カモメトサカナ” TOUR 2018」の最終公演を7月21日に東京・日比谷野外大音楽堂にて開催した。

「G-FREAK FACTORY “カモメトサカナ” TOUR 2018 -TOUR FINAL!!-」の様子。(Photo by HayachiN)

「G-FREAK FACTORY “カモメトサカナ” TOUR 2018 -TOUR FINAL!!-」の様子。(Photo by HayachiN)

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このツアーは彼らが最新シングル「カモメトサカナ」を携えて先月から行っていたもので、ツアーファイナルはバンドにとって初めての日比谷野外大音楽堂でのワンマンライブとなった。“雨バンド”として知られる彼らだが、この日は見事な晴天に恵まれ、日が落ち涼しげな風が吹く中で熱演を繰り広げた。

茂木洋晃(Vo)(Photo by HayachiN)

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まず原田季征(G)、吉橋伸之(B)今年の4月に正式メンバーとしてバンドに加入した渡部“PxOxN”寛之(Dr)、サポートキーボーディスト・多畠幸良の4人が躍動感あふれるインストゥルメンタルナンバー「大地の勇者たち」で場内のテンションを引き上げる。そこへゆっくりと登場した茂木洋晃(Vo)は、噛みしめるように「2018年7月21日、土曜日。天候は……晴れ!」と語り、演奏が終わると「よく来たなー! ローカルバンドの最高傑作、G-FREAK FACTORY始めます!」と宣言。バンドはその声を合図に「Unscramble」「奮い立て 合い燃えろ」とアグレッシブなナンバーを続けて、一気にオーディエンスを熱狂の渦へと誘っていった。続く「日はまだ高く」ではバンドの奏でる軽やかな裏打ちのリズムにあわせてファンが体を揺らす。間奏では茂木が「近年稀に見る雨バンドが、これだけ晴らしちまってごめんな。これだけ晴らすとどこか申し訳なくて、どこか恥ずかしいんだけど」と笑いを誘いつつも「神様がご褒美をくれたんだよ」と声を弾ませ、「各地から来たフリーキーたち、楽しんで!」とオーディエンスに呼びかけた。

上原梅弦と共に「REAL SIGN」を演奏するG-FREAK FACTORY。(Photo by HayachiN)

上原梅弦と共に「REAL SIGN」を演奏するG-FREAK FACTORY。(Photo by HayachiN)[拡大]

1997年の結成から21年間、地元・群馬を拠点に活動を続けるG-FREAK FACTORY。茂木は「結成21年、ずっとあそこを守って、いや、あそこから攻めてます。そんなバンドが霞が関で、こんなにたくさんの人を前にロックがやれてる事実。本当にみんなありがとう」と感慨深く述べる。そしてバンドはそれまでの激しいアクトから一転、「風林花山」「HALF-DONE」とミディアムチューンを続けた。セミの鳴き声が響く中、茂木が「群馬の歌をやっていいか?」と尋ねると、多畠によるキーボードを伴奏に「風」をしっとりと歌唱し会場中を温かなムードで満たした。さらに中盤には群馬のアーティストがゲストとして登場。「REAL SIGN」では三味線奏者・上原梅弦が和風の音色を加え、「イロハニホエロ」ではDJのR da Mastaが華麗なスクラッチで演奏を盛り上げる。「KTKZ TO TAIYO」ではR da Mastaに加えて、ラッパーのNAIKA MCも登場し、巧みなフリースタイルを繰り広げた。

「G-FREAK FACTORY “カモメトサカナ” TOUR 2018 -TOUR FINAL!!-」の様子。(Photo by HayachiN)

「G-FREAK FACTORY “カモメトサカナ” TOUR 2018 -TOUR FINAL!!-」の様子。(Photo by HayachiN)[拡大]

G-FREAK FACTORYはこの日のライブ会場で、平成30年7月豪雨の支援物資として土嚢袋を募集していた。MCで茂木はこの日のライブ終了後に支援物資を届けに広島へ弾丸で行ってくると説明。被災地への労わりの言葉を述べたのち、彼は「こんな非常事態に自分のバンドのSNSで宣伝しかしねえバンドの音楽はまったく響かねえ!」と声を荒げ、「偽善と思われてもいい。俺たちはお前たちの気持ちと一緒に広島に行く!」と自身のバンドのスタンスを改めて語ると、フロアからは賛同の声と拍手が贈られた。その声を受けて、バンドは「ダディ・ダーリン」「Too oLD To KNoW」を力強くプレイ。さらに東北の仲間に向けて作ったという「カモメトサカナ」をエモーショナルに届ける。ステージは全体を覆うようなライティングの演出で彩られ、ファンは息を飲むように彼らの演奏に耳を傾けていた。

空気を変えるように原田が鋭いギターを奏でると、バンドは激しい演奏と共に後半戦へ。ドライブ感のある「SOMATO」、茂木が早口でまくし立てた「FOUNDATION」を続けて、再びオーディエンスをヒートアップさせた。茂木は「晴れってこんなに気持ちいいんだな! こんな晴れた野音だったらまたやりたいな」と雨バンドらしいコメントで場内を和ませ、「これからまた進んでいきます」と決意を口にする。そしてバンドは最後に「らしくあれと」を演奏。この日「今後、野音でライブをやるバンドのためにもステージを降りちゃいけないというルールは守る」と宣言していた茂木は、ステージの最前まで進みしゃがみこんでファンと目線をあわせながら丁寧にラストナンバーを歌い上げて、本編を締めくくった。

「EVEN」演奏時の様子。(Photo by HayachiN)

「EVEN」演奏時の様子。(Photo by HayachiN)[拡大]

アンコールの声に呼ばれて再びステージに戻って来た彼らは、茂木がステージ上を動き回りながら歌唱した「チャンダンの香るこの部屋から」、原田と吉橋が艶やかなソロを聞かせた「DAYS」を続ける。ラストの「EVEN」ではファンがスマートフォンのライトで会場を照らし、感動的なムードが広がった。最後に茂木は「ローカルバンドの最高傑作、G-FREAK FACTORYの挑戦、これにて……大成功!」と声を上げ、バンド初の日比谷野外大音楽堂でのワンマンライブの幕を下ろした。

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G-FREAK FACTORY「G-FREAK FACTORY “カモメトサカナ” TOUR 2018 -TOUR FINAL!!-」
2018年7月21日 日比谷野外大音楽堂 セットリスト

01. 大地の勇者たち
02. Unscramble
03. 奮い立て 合い燃えろ
04. 日はまだ高く
05. SOUL CONNECTION
06. 風林花山
07. HALF-DONE
08. FAKE SPEAR
09. 風
10. REAL SIGN
11. イロハニホエロ
12. KTKZ TO TAIYO
13. ダディ・ダーリン
14. Too oLD To KNoW
15. カモメトサカナ
16. SOMATO
17. FOUNDATION
18. らしくあれと
<アンコール>
19. チャンダンの香るこの部屋から
20. DAYS
21. EVEN

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