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hide未発表音源が主題歌に、映画「HURRY GO ROUND」に生駒里奈も感激

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左から石川智徹監督、矢本悠馬、生駒里奈、I.N.A.。

左から石川智徹監督、矢本悠馬、生駒里奈、I.N.A.。

hideのドキュメンタリー映画「HURRY GO ROUND」の初日舞台挨拶が本日5月26日に東京・角川シネマ新宿 シネマ1で行われ、石川智徹監督、矢本悠馬I.N.A.hide with Spread Beaver)、元乃木坂46の生駒里奈が登壇した。

映画「HURRY GO ROUND」はhide没後20年プロジェクト「hide 20th Memorial Project」の一環として製作され、本日5月26日に公開初日を迎えた作品。舞台挨拶ではまず、今作で初めて映画監督を務めた石川監督、作中でナビゲーターを務める矢本、hideの共同プロデューサーであるI.N.A.の3名が登壇し、本映画の内容について、そして作中にて日の目を見ることとなった主題歌「HURRY GO ROUND(hide vocal Take2)」にまつわるトークが展開された。

まず石川監督は映画を製作するに至った経緯について「今までテレビ番組でアーティストドキュメンタリーを撮っていて、YOSHIKI(X JAPAN)さんともご一緒させていただいたことがあります。hideさんとのお仕事は、『Pinky Promise』(2010年刊行のhideオフィシャルブック)に作家として参加したり、hideさんの十三回忌で撮影させていただいたりということがありつつ、僕も“hide初心者”ながらお声がけいただきました。まさかhideさんの作品で映画の初監督を務めるとは思ってもいなかったので相当なプレッシャーがありました」と説明。続いて矢本は「僕も相当なプレッシャーで。いつもは自分ではない誰かを演じてこういった舞台挨拶をしているんですが、今回はドキュメンタリー映画自体が初体験ですし、hide初心者でもありますし、偉大な方を背負ってのお仕事なので緊張して……口の中がカピカピですね(笑)」と語った。また役柄があるわけではく、素の姿で作中に登場している矢本は「最初はhideさんについて知識がなくて。普段は作品を撮る前にいろいろ勉強するんですけど、今回は何も知らないまま撮影を始めました。どこに行ったり、誰と話すかも知らないまま。で、インタビューをしていくわけですが、僕自身、途中からは完全にhideさんのファンになっちゃったんです。ロサンゼルスでもはしゃいじゃって、少年時代に戻った感覚でした」と映画の撮影を通じて、徐々にhideに感化されたことを明かした。

石川監督は「hideさんが亡くなられて20年ということもあって、hideさんのファンはもちろんですが、いろんな方々に観ていただきたいという気持ちがあります」を切り出し、今作については「hideさんをまったく知らない人がhideと出会える」という内容を目指して映画を製作したとのこと。またナビゲーターに矢本を起用した理由については過去にスペースシャワーTVの音楽番組で仕事を共にしたことがあり、「人となりは知っていたので矢本くんだったら面白いかなと思い、オファーしました」と説明した。矢本は映画の撮影で印象的だったこととして、「ピンク スパイダー」のミュージックビデオのロケ地であるアメリカ・ロサンゼルスにあるアレキサンドリアホテルを訪れた際のエピソードを披露。「実際のMVの撮影地はロケハンの段階だと鍵がかかっていて入れなかったらしいんです。でも撮影中にテンション上がって扉を押してみたら開いちゃって(笑)。その頃にはもう毎日hideさんの曲を聴いていましたし、そこに入れたことがうれしくて、監督もカメラマンさんも少年のようにきゃっきゃしてました。でもセキュリティの人に怒られてしまって追い出されたんですよね」とリアルな体験を話した。石川監督は「フェンス越しに撮影地は観ることができますが、行かれるときは安全に気を付けて」と付け加えた。

続いてI.N.A.はエンディングで使用されている楽曲「HURRY GO ROUND(hide vocal Take2)」についてコメント。映画のインタビュー中に同局のデモ音源を監督や映画スタッフに聴かせたところ、生々しいhideの歌声を聴いて感動した映画製作陣に「そのデモ音源を使用したい」と依頼された。しかし、あくまでインタビュー中に聴かせた音源はデモだったこともあり、映画での使用は断ったという。I.N.A.は映画を見終えた観客に向けて「みんなびっくりしたでしょ? 僕もびっくりしました」と話しかけ、エンディングの流れについて語った。インタビュー撮影後、彼は20年ぶりに倉庫に入っていたコンピュータのデータを開いたところ、hideの別テイクの歌を発見。20年前はhideが亡くなってすぐの時期だったこともあり、当時すでに完成しているトラックを使用してオリジナルバージョンの音源を仕上げたが、今回の映画がきっかけで「HURRY GO ROUND(hide vocal Take2)」が日の目をみることとなったとその経緯を解説した。なお「HURRY GO ROUND(hide vocal Take2)」はhideの歌声とアコースティックギターの伴奏からなる音源で、ギターの伴奏はPATA(X JAPAN)が1998年にレコーディングしたオリジナルバージョンの「HURRY GO ROUND」のテイクが使用されている。映画主題歌となった「HURRY GO ROUND(hide vocal Take2)は、6月6日リリースのトリビュートアルバム「hide TRIBUTE IMPULSE」に収録される。矢本は"hide vocal Take2"の音源を聴いて「いつも聴いている『HURRY GO ROUND』よりhideさんの吐息とかが生々しくて、生命力、リアリティを感じて鳥肌が立ちました」と話し、石川監督は「hideさんがライブをしているかのような音源で、聴いて数秒で涙がボロボロ止まらなくて。ドキュメンタリーは撮影していくにあたって、何も起こらなければ、何も起こらないんです。でもhideさんが奇跡を起こしてくれた。みんなにも聴いてもらえたらと思います」と話した。

舞台挨拶の後半には、生駒がhideのインダストリアルナンバー「DOUBT」をBGMにhideのロゴが入った私物のLEMONeD製ラインジャージを着て登場。生駒はhideをリアルタイムでは知らない世代だが、スタッフにhideファンがおり、ファンのリクエスト投票の上位20曲を収めたアルバム「We Love hide~The Best in The World~」を借りたことと、2013年に行われた「氣志團万博2013 ~房総爆音梁山泊~」でhideのライブを観たことからファンになったと明かした。hideの魅力については「作るものが新鮮。見た目はカッコいいのに、ライブのMCとかでほろっと人間味のあることを言うんです。自分と比べたら全然違いますけど、それでもちょっと通ずるものもあるんだなってところに惹かれます」と述べた。また「ライブで自由に煽っていいよってところにhideさんぽい歩き方を入れてみたり、ちょいちょい自己満足でやってました」と乃木坂46で活動していた頃にもhideの影響をステージでにじませていたことを打ち明けた。また好きなhide楽曲として「DICE」「DOUBT」の2曲を挙げた生駒は、「DOUBT」のスタジオライブの映像を観た感想として「こんなパフォーマンスをする人がいるんだと衝撃を受けました」と付け加え、「朝のお仕事のときとか、メイク中に『DOUBT』を聴いてました。それを聴いていると安心できて、聴きながらお昼寝もできるんです」とコメント。思春期だった10代の頃はhideの曲を聴いて心を鎮めていたという生駒に対し、I.N.A.は「びっくりです」と笑顔を見せた。

また生駒は映画について「ファンとは言え、知らないことのほうが多くて。ネットでしかわからないことが多かったけど、hideさんが考えていたことをちゃんと知ることができたのがこの映画の魅力だと思います」と話し、「子供好きのエピソードはメイキングなどで観たことはありましたが、自分の弟には子供がいるから『俺は子供いらないよ』ってなっているところには『ああ、伯父さんだ』なんて感じて、アーティストのhideさんとは違う一面が観られて面白かったです」と感想を語った。また彼女は観客に「リアルタイムでhideさんのライブを行ったことがある方はいますか?」と質問し、複数人が挙手をすると、「ああ! いいなあ!」と興奮した表情を見せる。そして隣にいるI.N.A.に顔を向けつつ、「映像で観ていた人だと思うと」と緊張。そんな生駒の話を微笑みながら聞いていたI.N.A.は、20年以上前の映像について「今より痩せてたなあ」と振り返った。

舞台挨拶の終盤には登壇者が映画やhideについてそれぞれコメント。矢本は「この作品でhideさんに出会えて本当によかった。hide初心者として出ていますが、ファンの方はもちろん、今からでもhideさんと出会って損はまったくしないし、むしろ人生が豊かになるアーティストだと思います。ぜひこの映画を機会にhideさんのファンになっていただけたらと思います」、I.N.A.は「僕はhideの音楽作りのパートナーとして活動してきました。こういう映画で矢本くんみたいにhideをまったく知らなかった人がhideを知り、つないでいってくれるきっかけになっていて。僕はhide、そしてhideの音楽をずっと伝えていきたいと思っているので、今回は本当に監督、ありがとうございました」と話した。生駒は「hideさんは自分の芸能活動にすごく勇気を与えてくださった存在です。私みたいな経験をいろんな若い人にもしてほしいなと思いますし、ずっとhideさんを大好きだったファンの方にもスクリーンでまたhideさんに出会ってほしいです。hideさんとこういうふうにお仕事でつながれると思ってもいなかったので、すごく……“語学力がなくなるくらい”うれしいです」と“語彙力”がなくなってしまうくらい感激していることを吐露した。最後に石川監督は「この映画はhideさんの映画です。hideさんを知らない人たちが観るきっかけはないのかなと最初思っていました。どうやったらhideさんのファンはもちろん、それ以外の方にも目にしてもらえるのかを考えて作った映画です。ここで観ていただいている人たちが『面白かったよ』と、『hideちゃんってこういうだってこの映画を観ればわかるよ』と皆さんを通じていろんな方々に観ていただければと思っていますので、よろしくお願いします」と映画についてアピールした。

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